多くの人が「タックスヘイブンとは無縁」と思っているかもしれませんが、それは大きな間違いのようです。機密文書が大量に流出した「パナマ文書」のなかで、いつの間にかペーパーカンパニーの代表に就いているという被害が発生していることが、一部報道で分かったからです。
人気漫画『キャンディ・キャンディ』で知られる漫画家いがらしゆみこさんの名前が、カリブ海の租税回避地の会社役員としてパナマ文書に記されていたそうです。いがらしさんの名前があったのは、英領バージン諸島の会社の登記関連資料。平成10年から14年まで役員を務めたことになっていました。住所がいがらしさんと一致し、後任の役員に娘の名があったとのことです。資料には、いがらしさんと娘の署名が同じ筆跡による漢字で記されていましたが、いがらしさん母娘のものとは別の筆跡だといいます。
またパナマ文書には、音楽家の小室哲哉さんの名前もあったと報じられています。小室さんは13~14年に英領バージン諸島の法人役員として登記されていました。
本人の知らない間に名前が使われていたのは、有名人だけではありません。NHKの報道によると、日本の一般男女3人もカリブ海の英領アンギラのペーパーカンパニーの代表にされていました。この3人は、知らない間に個人情報を香港の仲介業者に流され、パナマ文書を流出させた法律事務所「モサック・フォンセカ」の手に渡り、勝手に実体不明の会社の代表になっていたとのことです。誰もが知らない間に海外でペーパー会社の代表になっているおそれはありそうです。
<情報提供:エヌピー通信社>