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税務トピックス 2026月02月3日

所得税調査 追徴税額、過去最高1431億円

 国税庁はこのほど、2024事務年度(24年7月~25年6月)の「所得税及び消費税調査等の状況」を公表しました。所得税の実地調査と「簡易な接触」を合わせた件数は73万6336件で前年度から21.7%増加しました。書面・電話による連絡や来署依頼にもとづく「簡易な接触」が大幅に増えたのが要因。調査により発覚した申告漏れ所得金額は9317億円で前年度に比べ6.5%減少しましたが、追徴税額は同2.4%増の1431億円で過去最高を更新しました。国税当局は「選定にAIを活用するなど、効率的かつ的確に調査を行った結果」としています。

 1件当たりの申告漏れ所得金額は前年度比23%減の127万円、その追徴税額は同17.4%減の19万円。実地調査の件数は同1.3%減の4万6896件で、このうち高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を対象に深度ある調査を行う「特別調査・一般調査」が同1.9%減の3万6404件、申告漏れなどが見込まれる個人を対象に短期間で行う「着眼調査」が同0.5%増の1万492件でした。

 「簡易な接触」は、税務調査の効率化を図る国税当局の姿勢を象徴的に示す調査手法といえます。24年度の所得税調査では、実地調査の件数が微減した一方、「簡易な接触」の件数は同23.7%増の68万9440件で大きく増加しました。納税者との直接的な接触を避けていたコロナ禍に実地調査に代わる対応として行われる件数が増えましたが、調査全体に占める割合はコロナ禍前より高く、調査手法として定着したというのが現状です。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2026月02月3日

《コラム》海外勤務中の株式譲渡(日本で課税の場合・課税されない場合)

◆海外勤務者は非居住者
 外務省の令和6年(2024年)10月1日現在の海外在留邦人数調査統計によると長期滞在者(海外勤務者)は71万2,713人です。
 給与所得者が1年以上の予定で海外の支店などに転勤すると、一般的には日本国内に住所を有しない者と推定され、所得税法上の非居住者となります。非居住者の場合、日本で課税を受けるのは国内源泉所得のみとされています。

◆海外勤務中に株式を譲渡した場合
 給与所得者が海外勤務中であれば、一般的には恒久的施設を有しない非居住者に該当します。恒久的施設を有しない非居住者が株式等を譲渡した場合、次の1から6のいずれかに該当する所得が申告対象の国内源泉所得として課税対象となります。
1.買集めによる株式等の譲渡による所得
2.事業譲渡類似株式等の譲渡による所得
3.税制適格ストックオプションの権利行使により取得した特定株式等の譲渡の所得
4.不動産関連法人の一定の株式の譲渡による所得
5.日本に滞在する間に行う内国法人の株式等の譲渡による所得
6.日本国内にあるゴルフ場の株式形態のゴルフ会員権の譲渡による所得
 1と2と4は特殊なケースと考えられますが、3と5と6は実際に身近に起こりそうな譲渡ではないでしょうか。
 1から5に該当するものについては、「上場株式等に係る譲渡所得等の金額」と「一般株式等に係る譲渡所得等の金額」に区分し、他の所得の金額と区分して税金を計算する申告分離課税となり、6に該当するものについては総合課税の対象となります。これらに該当する場合は確定申告が必要です。

◆租税条約により日本では課税されない場合
 租税条約は関連国内法規に優先してその効力を有すると理解されています。そのため、海外勤務者が居住する国と日本国との間に租税条約(協定)があれば、それに従うことになります。
 たとえば、香港居住者の普通の株式譲渡(不動産関連や事業譲渡類似を除く)は、日・香租税協定により日本国内では課税されません。シンガポールの場合も然りです。
 一方、租税条約が結ばれていなかったり、モナコなどのように執行共助条約のみしか結ばれていなかったりの場合は、所得税法の原則通り日本で課税されます。

税務トピックス 2026月01月27日

「教育資金一括贈与」の特例が終了へ

 政府・与党は今年度末で期限を迎える「教育資金一括贈与」の特例措置を延長せず、終了させる方針を決定しました。2026年度税制改正大綱に延長する旨が盛り込まれませんでした。「教育資金一括贈与」の特例は、子や孫に教育資金を贈与する場合、1500万円までなら税金がかからない非課税措置。23年度税制改正で3年間の延長が決められ、今年3月末が期限となっています。

 この非課税制度では、子や孫を名義人とする専用口座を開設し、親や祖父母が一括で資金を入金すると1500万円までは贈与税がかかりません。資金の使途は入学金、授業料、塾・習い事の費用などとなっています。13年の制度開始以来、累計で27万件超の利用実績がありましたが、ここ数年の利用件数は低水準で推移していました。出生数に占める新規の利用割合は1%程度だったそうです。

 この制度は、相続税対策として用いられてきた側面もあります。教育資金を非課税で一括贈与することにより、現金資産を1500万円圧縮できるため、その分の相続税負担が軽減されます。政府・与党では、幼児教育や高校授業料の無償化が進んだことで、教育資金一括贈与の特例措置は制度としての役割が終わったと判断したようですが、またひとつ、相続税対策の有効な手段が減る見通しとなりました。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2026月01月27日

《コラム》売掛金が回収できなくなった時の対処法(法的手段に訴える)

◆売掛金を払ってもらえないときの法的手段
 売掛金は多くの場合「月末締めの翌月末払い」などの条件で支払われますが、払ってもらえなくなった場合、自社の資金繰りが悪化します。まずは直接交渉をして払ってもらえるように努めますが、それでも支払ってもらえない場合には、法的手段に訴えるという選択肢もあります。

◆法的手段を用いた回収方法
 法的手段を用いた回収方法には次のようなものがあります。
(1)支払督促(書類審査のみの簡易手続)
 支払督促は、簡易裁判所を通じて支払いを求める法的な手続きです。債権者からの申立てのみに基づいて行われ、簡易裁判所の書記官が相手に支払いを命じる略式の手続きです。手続きが迅速に進み、相手が異議を申し立てなければ強制執行に必要な「債務名義」を取得できる点が特徴です。
 しかしながら、相手先が異議申し立てをすれば訴訟に移行することになります。
(2)民事調停
 民事調停は、裁判官と調停委員が仲介役となり、話し合いによって民事上の紛争解決を目指す手続きです。話し合いで合意に達すると確定判決と同じ効力を持つ調書が作成され、解決に至らなかった場合は調停が不成立となります。費用が安く、非公開でプライバシーが守られ、当事者が直接顔を合わせずに済むメリットがあります。
(3)訴訟(少額訴訟・通常訴訟)
 調停が不成立となったり、支払督促に異議申し立てをされたりした場合には、訴訟(紛争の解決のために裁判所に訴えて、国家による判断を求める手続き)となります。
 訴訟で確定判決を得れば、それを債務名義に強制執行をすることが可能となります。
(4)強制執行
 調停や裁判で債務が確定しても相手が支払ってくれない場合には、強制執行の手段を執ることができます。
債権者が裁判所に民事執行の申し立てを行い、執行官により差し押さえや換価手続きをしてもらって、債権を回収します。

◆法的手続きは専門家に依頼しましょう
 法的手段は債権者自身でも行えますが、弁護士や認定司法書士(債権額140万円以下の場合)に依頼した方が、時間的にも効率的にもうまく進めることができます。

コラム 2026月01月20日

東京都 宿泊税に「定率制」導入へ

 東京都はこのほど、都条例で定める法定外税の「宿泊税」に一律3%の定率制を導入すると発表しました。民泊や簡易宿泊施設も課税対象に追加する方針。都ではこれまで、ホテル・旅館などの宿泊料金に課税する「宿泊税」には定額制を採用。2026年2月の都議会に条例改正案を提出します。自治体が独自に条例で制定する法定外税の新設・改定には、総務大臣の同意が必要なため、27年度からの施行を目指します。

 課税を免除する宿泊料金帯(課税免除基準)を、現行の1人1泊当たり「1万円未満」から「1万3千円未満」に引き上げます。そのうえで、宿泊料金に一律3%を課税。1人当たりの税額には上限を設けません。

 都は02年10月から、1人1泊当たりの宿泊料金が「1万円以上1万5千円未満」の場合には100円を、「1万5千円以上」の場合には200円を課税する定額制の宿泊税を採用してきました。

 インバウンド需要の急増などにより、都内の宿泊料金は上昇の一途をたどっています。税額に上限を設けない定率制の宿泊税を導入することで、外資系高級ホテルなどが設定する高額な宿泊料金に応じて課税できるようになります。今年度、都の宿泊税収見込み額は約69億円にとどまっていますが、定率制導入後は190億円に増加する見通し。定率制の宿泊税は北海道倶知安町が19年11月に税率2%で導入しているほか、沖縄県でも26年度中の施行を目指しています。

<情報提供:エヌピー通信社>

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