確定申告・相続税対策、起業・経営支援まで
大森駅より徒歩6分 品川区・大田区で税理士をお探しの方へ
〒140-0013 東京都品川区南大井6丁目26番1号 大森ベルポートA館9階
JR京浜東北・根岸線快速「大森駅」北口より徒歩6分/京浜急行線「大森海岸駅」より徒歩6分
コラム 2025月12月30日
◆制度概要と導入の目的
2025年10月から雇用保険に新設された「教育訓練休暇給付金」は、従業員が自発的に無給の長期休暇を取得して教育訓練に専念する場合に支給される新制度です。給付額は失業等給付と同様の方式で算定され、支給はハローワークから直接本人に行われます。制度創設の目的はリスキリング推進ですが、企業側にも準備が求められます。
◆税務面での取り扱いと留意点
まず税務面では、この給付金は雇用保険法上の「失業等給付」に該当し、所得税法上も非課税所得と位置付けられます。したがって源泉徴収や年末調整の対象外であり、企業が課税処理を行う必要はありません。類似の育児休業給付金や介護休業給付金と同様、給与と誤って処理しないことが実務上の留意点となります。
◆就業規則と事務手続き
次に人事労務面では、就業規則の整備が不可欠です。制度の利用には「無給の教育訓練休暇」を規程に明記し、対象となる休暇が業務命令ではなく労働者の自主的取得であることを担保する必要があります。加えて、申請に必要な「賃金月額証明書」などを発行する事務手続きも会社の責任となります。なお、この教育訓練休暇給付金を受給すると、それまでの雇用保険の加入期間がリセットされるため、将来的に失業給付を受給する際には、改めて加入期間の要件を満たす必要がある点についても、従業員への十分な説明と注意喚起が不可欠です。また、解雇等を予定している労働者についてはこの制度が使えません。不正利用は罰則の対象となりますのでご注意ください。
◆業務運営への影響と社内準備
さらに、長期休暇取得が業務運営に与える影響を考慮し、代替要員の確保や業務分担の調整を含めた社内準備も求められます。
産休育休制度等が充実している会社であればある程度社内準備については流用できる部分はありますが、代替要員の確保や業務分担の調整は前もって準備しておかないとなかなか大変なものです。周囲の従業員が不満を抱かないような配慮が必要な場合もあるでしょう。
コラム 2025月12月30日
◆ID・パスワード方式の新規発行停止
現在、国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」からe-Taxにより税務申告を行う主な方法としては、①マイナンバーカード等を利用した「マイナンバーカード方式」のほか、②税務署が本人確認を行った上で発行するIDとパスワードを利用した「ID・パスワード方式」があります。
このID・パスワード方式については、当初からマイナンバーカードが普及するまでの暫定的な対応として運用していたため、マイナンバーカードの保有率に鑑み、令和7年10月1日から、新たなID・パスワードの発行を停止しています。
◆ついに「普及した」と言えそうな状況に
マイナンバーカードの保有状況ですが、総務省発表を見てみると、令和7年8月末の時点で人口に対する保有枚数率は79.4%となっています。
本人確認書類としての利用から、コンビニ交付サービスによる住民票や印鑑証明の取得、健康保険証や免許証としての利用等、様々なサービスを取り入れ、行政の効率化や利便性向上を目指して運用されてきたマイナンバーカードですが、カードの交付が始まったのが2016年1月で、マイナンバーカード方式によるe-TaxがスタートしたのはID・パスワード方式と同じで2019年1月から。その後2020年からはスマホによる申告が可能になりました。確定申告で利用できることは、このマイナンバーカードの普及に寄与した大きな要因となっているのではないでしょうか。
◆引き続き利用はできるが
ID・パスワード方式で使用するID・パスワードについては、既存のものであれば引き続き利用は可能です。ただし、「今後に関する対応については、改めてご案内することを予定しています」と言及しており、マイナンバーカードを用いたe-Taxを促進している国税庁としては、廃止も含めた検討を行っているものと考えられます。
利便性を考えると、全ての方式を生かしてくれた方が良いものの、システムの整備等でコストが高くなるのも確かです。とはいえ、一番良くないのは「システムに乗り遅れてしまった人」を救済できるような仕組みがないことです。税務当局は今後も難しいかじ取りを求められそうです。
税務トピックス 2025月12月23日
中国税理士会調査研究部はこのほど、会員税理士を対象に実施した税務調査に関するアンケートの結果を公表しました。それによると、実地調査が1日で終わったと回答した割合は全体の10.4%にとどまっています。その一方で、10日以上の長期間におよんだ割合は12.5%に上りました。アンケートは「法人税」「所得税」「資産税」の3税目についての調査を対象に集計したもの。
全体のうち、実地調査が1日で終わった割合は10.4%、2~3日は41.9%、4~5日は24.5%、6~9日は10.7%、10日以上は12.5%でした。それぞれの割合を合算すると、全体の7割弱は「2~5日」で調査が終了しており、8割弱が「2~9日」で終了、9割弱が「10日未満」で終了している計算となります。しかし、1日で終わる割合よりも、10日以上かかる割合が上回っており、全体的にみても税務調査が長引くケースが増えているといえます。
税目別では資産税の実地調査が比較的短く、1日が35.0%、2~3日が40.4%などとなっています。その一方で、法人税の実地調査は長期化しやすい傾向にあり、1日で済んだケースはわずか4.1%。6~9日が12.3%、10日以上が14.6%となっています。
全調査に占める申告是認割合は28.6%でしたが、事前通知なしの調査だけに絞ると是認率は19.0%にとどまります。重加算税の適用割合は全調査のうち17.1%で、修正申告があった納税者を対象とした適用割合は23.8%。重加算税を適用された税務調査のうち6.2%で税理士が「不満」を持っていたそうです。
3税目全体の調査件数は2072件。このうち、納税者本人ではなく取引先などの関係者を対象とした「反面調査」が行われたケースは252件でした。税務調査に対する税理士の主な意見では、「調査期間が長い」(326件)、「調査官の資質」(203件)、「資料の収集(電子データ含む)」(51件)、「反面調査」(48件)、「確定申告期間中の調査」(43件)などが問題点として挙がったほか、「修正申告の勧奨」(22件)、「税理士を誹謗中傷、軽視」(11件)などを指摘する声もありました。
<情報提供:エヌピー通信社>
その他 2025月12月23日
厚生労働省は社会保障審議会医療保険部会の会合で、70歳以上の高齢者が医療機関の窓口で支払う医療費の負担について、現役世代と同じ3割とする対象者の拡大に向けた基準の見直しを議題として示しました。自民党と日本維新の会は連立政権の合意書で、医療費の窓口負担について「年齢によらない真に公平な応能負担の実現」と明記。これを受けて、厚労省では部会での議論を本格化させ、年末までに方向性をまとめたい考えです。
現行の窓口負担は、原則として70歳~74歳が2割、75歳以上の後期高齢者は1割となっていますが、70歳以上であっても現役並みの所得があれば3割を負担しています。75歳以上では課税所得が145万円以上で、年収が単身世帯で383万円以上、複数人世帯で520万円以上を基準としています。
社会保障審議会の医療保険部会では、厚労省から3割負担とする高齢者の基準の見直しを含め、医療費負担のあり方が議題として示されました。2023年に閣議決定した医療保険の改革工程では、高齢者の3割負担対象者の見直しを28年度までに検討するとしていましたが、これを前倒しで開始するかたち。現役世代の保険料負担が増していることから、政府では高齢者も含めた〝全世代〟で社会保障制度を支え合うかたちに見直していく方針。
維新は参院選で、現役世代1人当たりの社会保険料を年間で6万円引き下げると主張し、選挙公約には高齢者の窓口負担を原則3割に見直すことも盛り込みました。自民党の総裁選では、支払い能力のある高齢者の負担割合を増やす「応能負担」の強化を求める意見が、ほとんどの候補者から出ていました。
部会では、1人当たりの医療費は高齢者ほど高くなる傾向にあるのに対し、自己負担額は低く抑えられているとするデータや、後期高齢者の給与所得や金融所得が増えていることを示す資料などが厚労省から示されました。厚労省では市販薬と効能が似たOTC類似薬(処方箋なしで購入可能な医薬品)への公的医療保険の適用見直しなども含め、年末までに医療保険制度のあり方について一定の結論を出す見通しです。
<情報提供:エヌピー通信社>
税務トピックス 2025月12月16日
自動車の自損事故で死亡した男性が加入していた人身傷害補償保険金の請求権が、相続財産に含まれるか否かが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷はこのほど、「相続財産に含まれる」とする判断を示し、火災保険会社側の上告を棄却。同社に約2200万円の支払いを命じた一審判決と、それを支持した二審判決が確定しました。裁判官5人の全員一致による結論。
判決などによると、建設会社の代表取締役だった男性は2019年に総合自動車保険を契約。男性(被保険者)は保険契約中の20年1月、被保険車両を運転中に自損事故を起こして死亡しましたが、男性の子らがいずれも相続放棄したため、男性の母親が単独で遺産相続しました。
母親は保険金を請求しましたが、契約では保険金請求権者について「被保険者が死亡した場合は、その法定相続人とする」と規定していたため、損保側は「死亡保険金の請求権は、被保険者の第1順位の法定相続人である(男性の)子らに原始的に帰属し、被保険者の相続財産には属しない」などと主張。「請求権は、男性の相続財産には含まれない」として、母親の求めに応じていませんでした。
母親は、相続人として保険金3千万円の支払いを求めて提訴。しかし一審係属中の22年9月に死亡しました。このため男性の兄ら2人が各1500万円の請求権を承継し、母親の裁判を引き継いでいました。
最高裁第1小法廷は、「保険金は被った損害によって生じた不足分への支払いが目的」だと指摘したうえで、「保険金の請求権は被保険者に発生し、相続財産に属すると解するのが相当」と結論付け、「請求権は相続財産に含まれる」との判断を示しました。今後、同様の商品を取り扱う損保各社の保険金支払い判断にも影響を及ぼす可能性がありそうです。
<情報提供:エヌピー通信社>
お気軽にご連絡ください。初回のご相談は無料です。
お電話でのご相談
電話受付 : 平日 10 : 00 〜 17 : 00
メールフォームよりご相談
確定申告・相続税対策、起業・経営支援まで
大森駅より徒歩6分 品川区・大田区で税理士をお探しの方へ
〒140-0013 東京都品川区南大井6丁目26番1号 大森ベルポートA館9階
JR京浜東北・根岸線快速「大森駅」北口より徒歩6分/京浜急行線「大森海岸駅」より徒歩6分