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コラム 2026月08月11日
◆国民から寄せられた補助金に対する声
今年1月から2月にかけて、内閣官房が実施した「租税特別措置・補助金・基金の適正化に向けた提案募集」に、37,174件もの提案・意見が寄せられました。
その中で、中小企業向け補助金に関しては「補助金が生産性の低い企業の延命につながっている」といった厳しい指摘が相次ぎました。補助金依存への強い問題意識が国民から寄せられた意見の中に表れていることは確かです。政府は2027年度の予算編成・税制改正に向けてこれらの意見を参考にする方針を示しています。
◆補助金ありきの計画が招くリスク
補助金の申請・報告手続が複雑で、申請支援に外部専門家が関与する構造についても、今回指摘が寄せられました。「補助金が取れたから事業を始める」という発想には根本的なリスクが潜んでいます。補助金は交付決定後も実績報告・精算の手続が残り、補助対象経費として認められない支出や交付条件違反があれば、補助金額の減額や返還を求められる場合があります。補助金を前提に設備投資や採用を進めると、入金時期の遅れや自己資金負担により、キャッシュフローを圧迫するリスクがあります。補助金はあくまで事業を加速させる「燃料」であり、エンジンそのものではないのです。
◆補助金なしでも回る事業設計を
では、補助金とどう付き合えばよいのでしょうか。正解は「補助金がゼロになっても成立する事業計画に、補助金を後乗せする」という設計思想です。
まず自社の強みと市場の需要を照らし合わせ、補助金なしで黒字化できる道筋を先に描く。その上で、その投資をより早く実現するための手段として補助金を活用する。この順序が守られていれば、仮に不採択になっても経営は揺らぎません。
◆自立型経営への転換が今問われる
今回の見直し議論は、補助金が即座になくなることを意味するものではありません。しかし今後は、制度設計や公募要領、審査項目において成果指標や費用対効果の説明がより重視される可能性があります。
価格転嫁力の強化、生産性の向上、財務体質の改善といった本質的な経営改善の延長線上に補助金を位置づけること、これが補助金の恩恵を最大限に活かす道です。「補助金がなくなっても生き残れるか」という問いを、今一度自社に投げかけてみてください。
コラム 2026月08月11日
◆昨年10月に改正された育児・介護休業法
昨年10月の育児・介護休業法の改正で、育児について小学校就学前の子供を養育する労働者に「フレックスタイム制、始業・終業時刻の繰り下げまたは繰り上げ、育児短時間勤務、保育施設設置」などに加え「月10日以上のテレワーク」を含む複数の措置のうち事業主に2つ以上を講ずることが義務付けられました。
◆在宅勤務の普及と定着
在宅勤務はオフィスの集中する都市部より通勤の混雑を避けるために前から行われてはいましたが、新型コロナをきっかけに期せずして多くの企業が導入するようになったということです。今では出勤体制に戻っている企業も多くなりましたが、在宅勤務を新たに導入したり、継続しているところも多い状況です。オンラインでの会議や取引先とのうちあわせも一般的になりました。
育児・介護と仕事の両立を図りたい社員にとってテレワークが便利な働き方であることは確かで、今回の改正ではこうした状況を受けて柔軟な働き方の1つの選択肢と規定されました。
テレワークは会社の社屋以外で勤務する形態です。自宅以外にコワーキングスペース、サテライトオフィス、移動中や、喫茶店などのノマドワークも含まれます。育児・介護のテレワークはおおむね在宅勤務が多いものと思います。
◆テレワークの働き方のルールを規定しよう
①勤務管理の方法
出勤がないのですからタイムカードなどに打刻はできません。始業・終業の時刻を把握するにはパソコンやインターネットで業務を行うことが多いため利用状況を業務用パソコンのログから確認し、各日の労働時間を把握します。
②同時にmailやChatで「業務を開始します」「休憩のため離席します」「再開します」「本日の業務を終了します」等連絡を受けるようにするのがいいでしょう。
③経費負担のルール
テレワークについて通勤定期代の支給をやめて、出勤した分の実費を払うことに切り替えた企業も多いようです。業務に従事している時間の電気代、通信費の負担に応じた在宅手当を支給するなどの対応をとることもあります。
その他 2026月08月4日
では、中小企業において成長に向けた設備投資は具体的にどのように行われているのでしょうか。そこで「中小企業白書2026年版」において、思い切った大型設備投資を実施し、企業規模の拡大や、付加価値の向上を実現している企業の事例として紹介された有限会社いろは堂(本社:長野県長野市)の取組みについてみていきましょう。
長野県長野市の有限会社いろは堂は、長野県の郷土食「おやき」を製造・販売する企業です。おやきの認知度向上は事業成長のチャンスであったものの、同社は生産能力に課題を抱えていました。そこで同社は、生産能力の拡大を目指して新工場の設立を決断しました。
当時専務取締役だった現社長が投資計画を主導し、計画当時の年商の約2倍となる大規模な設備投資を実施し、新工場を2022 年に開業しました。新工場には最新の生産設備を導入することで生産能力は1.5 倍に増強されました。さらに、製造担当者と一丸となって業務フローや動線を見直すことで業務の効率化も実現しました。また、製造以外にもカフェやショップ、工場見学、おやき作り体験など様々なコンテンツをそろえ、幅広い世代に向けた「おやき文化の発信拠点」としての機能を持たせました。
新工場の開業により、売上高は同社計画を上回る実績で推移しています。想定を超える原材料価格高騰の影響を受けながらも、付加価値率を向上させ、かつ従業員の賃上げにも取り組んでいます。また、既存のおやきのイメージを覆す施設が反響を呼びおやき自体の知名度も上昇し、他社から商品開発等の引き合いが急増しました。
このように成長に向けた設備投資の取組によってプレゼンスが向上し、販路拡大の実現につながっているのです。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
その他 2026月08月4日
物価上昇や人手不足が進む中、中小企業においては、リスクを恐れず事業構造・組織構造を組み替える取組を行い、「稼ぐ力」を高めていくことが重要となります。「稼ぐ力」を高めるためには付加価値額を増加させることが有効であり、付加価値額を増加させる取組の一つに成長に向けた設備投資が挙げられます。
「中小企業白書2026年版」では、成長に向けた設備投資の取組状況についてアンケート調査を行っています。
まず、成長に向けた設備投資の取組状況別に、付加価値額の変化率(中央値)についてみると、「取り組んだ」と回答した事業者は、「取り組んでいない」と回答した事業者と比べて、付加価値額の変化率(中央値)が高くなっています。
また、成長に向けた設備投資に取り組んだ事業者に対して、足下の設備稼働率別に、付加価値額の変化率(中央値)について確認したところ、設備稼働率が高い事業者は、設備稼働率が低い事業者と比べて、付加価値額の変化率(中央値)が高くなっています。
次に、成長に向けた設備投資に取り組んだ事業者に対して、設備投資前に行った取組について確認したところ、収支計画策定状況については、「詳細に策定した」、「簡易的に策定した」と回答した事業者の合計が約8割を占めています。また、業務プロセス見直し状況について、「取り組んだ」と回答した事業者は約7割を占めています。
さらに成長に向けた設備投資前の収支計画策定状況や業務プロセス見直し状況別に足下の設備稼働率を確認したところ、「取り組んだ」と回答した事業者は、「取り組んでいない」と回答した事業者と比較して、設備稼働率が高い傾向にあります。(つづく)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
コラム 2026月07月28日
◆ふるさと納税に上限設定
ふるさと納税の特例控除額は、個人住民税所得割額の20%に設定されていますが、所得に応じ際限なく増えることに歯止めをかけるため、新たに特例控除額193万円の上限が今年の税制改正で設定されました。
◆ふるさと納税最適額の算式変更
ふるさと納税での所得税と住民税での税額控除により自己負担額が2,000円で済む最適額の求め方は、最高税率の人の場合、(住民税所得割×0.2÷0.44055=A)で求められましたが、改正後は、(193万円÷0.44055=4,380,888=B)との比較が必要になりました。AとBとのいずれか少ない金額+2,000円が、自己負担額2,000円で済むふるさと納税の最高額ということです。
◆上限設定で規制される人
逆に、AとBが一致するような人とは、どんな人かというと、(住民税所得割=4,380,888×0.44055÷0.2=965万円)なので、住民税10%で割ると、課税所得が9,650万円となり、給与のみの所得だったら、給与所得控除195万円を足すと、9,845万円となり、これに所得控除額を加えた額が給与収入となります。概ね1億円前後の給与収入者です。
◆寄附金活用可能額の6割確保
寄附金活用可能額(=寄附金総額-募集費用)を6割以上にするという新ルールも設定されました。募集費用には、返礼品・送料・事務・広報などすべて含まれます。
公表データによると、ふるさと納税の年間総件数は、5,879万件、受入額1兆2,728億円、1件当たり約2万円で、自治体当たり平均3.3万件です。上位自治体では100万件規模と言われています。
そして、現行の外部委託費の平均は、受入額の46.4%です。これを40%以下にする規制の施行は、令和8年10月ですが、47.5%→45%→42.5%→40%と4年にわたる段階導入とされています。
◆ふるさと納税産業
ふるさと納税は、低単価大量通信販売のようで、人海戦術+システム化+季節産業+マーケティング商品企画力等々が要求されます。これを、自治体の職員の仕事にすることは不可能で、外部委託が合理的です。
そして、そういう前提での産業分野が成立してしまっている、ということです。
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