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税務トピックス 2026月02月11日

相続税の税務調査 追徴税額が過去最高

 相続税の税務調査による追徴税額が過去最高となったことがわかりました。実地調査に加えて、書面・電話での連絡や来署依頼にもとづき納税者と接触を図る「簡易な接触」がコロナ禍前の2倍に増え、追徴税額の増加につながったとみられます。相続税は申告件数に対して実地調査に至る割合がほかの税目と比べて高いため、準備不足が思わぬ税負担の増加につながる可能性があります。国税当局が常に不正に目を光らせていることからも、相続税調査の最新の傾向を確認しておきたいところです。

 国税庁がこのほど発表した2024事務年度(24年7月~25年6月)の「相続税の調査等の状況」によると、相続税の本税・加算税を合わせた追徴税額は、実地調査が前年度比12.2%増の824億円、簡易な接触が同13%増の138億円で合計962億円となり、簡易な接触の事績の公表を始めた16年度以降で最高となりました。実地調査の申告漏れ課税価格は同7.2%増の2942億円、1件当たりの申告漏れ課税価格は同3.6%減の3093万円、その追徴税額は同0.9%増の867万円でした。

 実地調査件数は9512件で、前年度の8556件から11.2%増えたものの、コロナ禍前の18年度の1万2463件と比べると31%少ない状況です。一方、簡易な接触は同1万8781件より17%増えた2万1969件で過去最高となりました。1万332件だった18年度と比較すると2.1倍となります。18年度当時は実地調査の件数が簡易な接触の件数を上回っていましたが、今では完全に逆転し、調査手法が様変わりしている実態がみてとれます。

 簡易な接触は、税務調査の〝効率化〟を図る国税当局の姿勢を象徴的に示す調査手法といえるでしょう。申告が必要と思われる納税者や計算誤りなどがあるとみられる納税者に対して行われています。国税当局が納税者との直接的な接触を避けていたコロナ禍に、実地調査の減少分の穴埋め策として簡易な接触は多用されてきました。ですが、いまだに件数が減少するどころか、むしろ増加しています。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2026月02月11日

《コラム》-令和8年度税制改正- 資産課税編

◆教育資金一括贈与の非課税制度は廃止
 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度は、令和8年3月31日をもって廃止されます。
 この制度は、利用件数が減少していること、高額所得者に利用が集中して経済格差の固定化につながることが問題視されていました。令和8年度改正では、ガソリン税の旧暫定税率廃止や教育無償化の財源確保の手段として廃止されることとなりました。なお、同日までに拠出された金銭は、引き続き、この制度を利用できます。

◆事業承継税制は計画の提出期限を延長
1.個人事業承継計画
 個人の事業用資産にかかる相続税・贈与税の納税猶予制度(個人版事業承継税制)では、「個人事業承継計画」の提出期限が、令和10年9月30日まで延長されます。
2.特例承継計画
 非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度(法人版事業承継税制)のうち特例措置は、平成30年1月1日から10年間限定で全株式に100%納税猶予を認めるものです。この措置の適用に義務付けられる「特例承継計画」の提出期限が、令和9年9月30日まで延長されます。

◆貸付用不動産の財産評価の適正化
 貸付用不動産の市場価格と財産評価基本通達による評価額との乖離を利用した節税策は、総則6項により時価評価を求める国税庁と通達評価額による評価を求める納税者との間で訴訟を多数引き起こし、課税上の扱いを予測困難にしていました。
 令和8年度改正では、貸付用不動産に対する財産評価の取扱いが整備されます。
1.課税時期前5年内取得等の貸付用不動産
 課税時期前5年以内に対価を伴う取引で取得・新築した貸付用不動産の財産評価は、課税時期の通常の取引価額に相当する金額により評価すること、課税上の弊害がない限り、貸付用不動産の取得価額をもとに時価の変動等を考慮して計算した価額の80%相当額で評価できるとされます。
2.不動産小口化商品
 相続等で取得する不動産小口化商品の財産評価は取得時期にかかわらず課税時期の通常の取引価額に相当する金額とされます。
 1・2いずれも令和9年1月1日以後に相続等で取得する財産の評価に適用されます。
 なお、この改正は、通達に定める日の5年前から被相続人が所有する土地に新築した家屋には適用されません。

税務トピックス 2026月02月3日

所得税調査 追徴税額、過去最高1431億円

 国税庁はこのほど、2024事務年度(24年7月~25年6月)の「所得税及び消費税調査等の状況」を公表しました。所得税の実地調査と「簡易な接触」を合わせた件数は73万6336件で前年度から21.7%増加しました。書面・電話による連絡や来署依頼にもとづく「簡易な接触」が大幅に増えたのが要因。調査により発覚した申告漏れ所得金額は9317億円で前年度に比べ6.5%減少しましたが、追徴税額は同2.4%増の1431億円で過去最高を更新しました。国税当局は「選定にAIを活用するなど、効率的かつ的確に調査を行った結果」としています。

 1件当たりの申告漏れ所得金額は前年度比23%減の127万円、その追徴税額は同17.4%減の19万円。実地調査の件数は同1.3%減の4万6896件で、このうち高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を対象に深度ある調査を行う「特別調査・一般調査」が同1.9%減の3万6404件、申告漏れなどが見込まれる個人を対象に短期間で行う「着眼調査」が同0.5%増の1万492件でした。

 「簡易な接触」は、税務調査の効率化を図る国税当局の姿勢を象徴的に示す調査手法といえます。24年度の所得税調査では、実地調査の件数が微減した一方、「簡易な接触」の件数は同23.7%増の68万9440件で大きく増加しました。納税者との直接的な接触を避けていたコロナ禍に実地調査に代わる対応として行われる件数が増えましたが、調査全体に占める割合はコロナ禍前より高く、調査手法として定着したというのが現状です。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2026月02月3日

《コラム》海外勤務中の株式譲渡(日本で課税の場合・課税されない場合)

◆海外勤務者は非居住者
 外務省の令和6年(2024年)10月1日現在の海外在留邦人数調査統計によると長期滞在者(海外勤務者)は71万2,713人です。
 給与所得者が1年以上の予定で海外の支店などに転勤すると、一般的には日本国内に住所を有しない者と推定され、所得税法上の非居住者となります。非居住者の場合、日本で課税を受けるのは国内源泉所得のみとされています。

◆海外勤務中に株式を譲渡した場合
 給与所得者が海外勤務中であれば、一般的には恒久的施設を有しない非居住者に該当します。恒久的施設を有しない非居住者が株式等を譲渡した場合、次の1から6のいずれかに該当する所得が申告対象の国内源泉所得として課税対象となります。
1.買集めによる株式等の譲渡による所得
2.事業譲渡類似株式等の譲渡による所得
3.税制適格ストックオプションの権利行使により取得した特定株式等の譲渡の所得
4.不動産関連法人の一定の株式の譲渡による所得
5.日本に滞在する間に行う内国法人の株式等の譲渡による所得
6.日本国内にあるゴルフ場の株式形態のゴルフ会員権の譲渡による所得
 1と2と4は特殊なケースと考えられますが、3と5と6は実際に身近に起こりそうな譲渡ではないでしょうか。
 1から5に該当するものについては、「上場株式等に係る譲渡所得等の金額」と「一般株式等に係る譲渡所得等の金額」に区分し、他の所得の金額と区分して税金を計算する申告分離課税となり、6に該当するものについては総合課税の対象となります。これらに該当する場合は確定申告が必要です。

◆租税条約により日本では課税されない場合
 租税条約は関連国内法規に優先してその効力を有すると理解されています。そのため、海外勤務者が居住する国と日本国との間に租税条約(協定)があれば、それに従うことになります。
 たとえば、香港居住者の普通の株式譲渡(不動産関連や事業譲渡類似を除く)は、日・香租税協定により日本国内では課税されません。シンガポールの場合も然りです。
 一方、租税条約が結ばれていなかったり、モナコなどのように執行共助条約のみしか結ばれていなかったりの場合は、所得税法の原則通り日本で課税されます。

税務トピックス 2026月01月27日

「教育資金一括贈与」の特例が終了へ

 政府・与党は今年度末で期限を迎える「教育資金一括贈与」の特例措置を延長せず、終了させる方針を決定しました。2026年度税制改正大綱に延長する旨が盛り込まれませんでした。「教育資金一括贈与」の特例は、子や孫に教育資金を贈与する場合、1500万円までなら税金がかからない非課税措置。23年度税制改正で3年間の延長が決められ、今年3月末が期限となっています。

 この非課税制度では、子や孫を名義人とする専用口座を開設し、親や祖父母が一括で資金を入金すると1500万円までは贈与税がかかりません。資金の使途は入学金、授業料、塾・習い事の費用などとなっています。13年の制度開始以来、累計で27万件超の利用実績がありましたが、ここ数年の利用件数は低水準で推移していました。出生数に占める新規の利用割合は1%程度だったそうです。

 この制度は、相続税対策として用いられてきた側面もあります。教育資金を非課税で一括贈与することにより、現金資産を1500万円圧縮できるため、その分の相続税負担が軽減されます。政府・与党では、幼児教育や高校授業料の無償化が進んだことで、教育資金一括贈与の特例措置は制度としての役割が終わったと判断したようですが、またひとつ、相続税対策の有効な手段が減る見通しとなりました。

<情報提供:エヌピー通信社>

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