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コラム 2026月05月12日

《コラム》-2割特例、3割特例から- 簡易課税制度への移行手続き

◆小規模個人事業者に新たに3割特例を適用
 小規模事業者の消費税の事務負担に配慮して、その納付税額を売上に係る消費税額の2割とする制度(2割特例)は、令和8年9月30日を含む課税期間で終了します。
 令和8年度税制改正では、小規模事業者のうち個人事業者に限り、納付税額を売上に係る消費税額の3割とする負担軽減がはかられます。令和9年分、令和10年分に適用されます。また、2割特例を適用していた個人事業者も令和9年分、令和10年分に3割特例を適用することができます。

◆個人事業者の簡易課税への移行手続き
 簡易課税制度を選択する場合、原則として、その適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに簡易課税制度選択届出書の提出が必要です。
 2割特例では、この届出手続きが緩和されています。すなわち、2割特例の適用期間終了後、翌課税期間に簡易課税制度に移行する場合、2割特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間中に、その課税期間から簡易課税の適用を受ける旨を記載した簡易課税制度選択届出書を提出すれば、その課税期間の初日の前日に届出書を提出したものとみなされ、その課税期間から簡易課税制度の適用が認められます。
 3割特例では適用期間の終了後、その適用を受けた課税期間の翌課税期間に係る確定申告期限までに簡易課税制度選択届出書を提出すれば、その翌課税期間から簡易課税制度が適用されます。
 令和11年から簡易課税に移行する個人事業者は、令和11年の確定申告期限である令和12年3月31日までに、令和11年から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した届出書を提出します。

◆法人の簡易課税への移行手続き
 2割特例を受けている法人は、令和8年9月30日を含む課税期間をもって適用が終了します。令和8年度税制改正では、法人が簡易課税制度に移行する場合、令和8年10月1日以後に終了する課税期間から3割特例の場合と同様の措置が適用されます。すなわち、2割特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間の確定申告期限までに簡易課税制度選択届出書を提出すればよいことになります。たとえば12月決算法人は、令和9年12月期に係る確定申告期限である令和10年2月29日までに届出書を提出すれば、令和9年12月期から簡易課税制度を適用できます。

コラム 2026月05月12日

《コラム》社会保険の総合調査は何を見るの?

◆社会保険を正しく運用しているか監査する
 社会保険総合調査は年金事務所が事業所に対して行う「社会保険の加入状況や適正な手続きが行われているかを確認する調査」です。不正を疑っているということでなく4年~5年に1回くらい定期的にくるものだということです。
 総合調査の目的は本来社会保険に加入すべき従業員がもれなく加入しているかを見ることです。また、届出している標準報酬月額(給与額を反映した等級)が実際の給与と一致しているかも確認されます。

◆総合調査の流れ
 年金事務所から「社会保険総合調査のお知らせ」が届きます。調査の対象期間、提出期限が記載されています。指定された書類、(賃金台帳、労働者名簿、雇用契約書、源泉納付書控等)を用意します。労働者名簿は備え付けが労基法でも義務付けられています。ない場合はすぐ作成しておきましょう。従業員データ等から応用し、労働者名簿の法定項目が載っていれば抽出して作成ができます。様式は公式でなくてOKです。
 雇用契約書の提出は週の所定労働時間などを確認するためですので、労働条件通知書でもかまいません。
 年金事務所は資料を基に労働者の標準報酬額や賞与額の適正、月額変更届の届出等も確認します。

◆結果の通知と訂正、その後
 不備があれば訂正させられます。さかのぼり加入をして最大2年間遡及すると大きい額の保険料納付が必要になる場合もあります。
 パートやアルバイトでも一定の条件(週の所定労働者が正社員の4分の3以上又は短時間労働者の特定要件を満たす場合)に該当すれば加入義務があります。基本給以外に手当、残業代も含まれます。
 令和8年4月からは、雇用契約書で所定労働時間が加入要件に該当しない場合はたまたま残業があって基準を超えても原則として加入しなくてもよくなりましたが、恒常的に要件に該当していれば加入の対象になる場合もあるでしょう。
 遡及加入は会社と本人両方がさかのぼって保険料を納付することになり、双方に負担が生じます。そのようなことにはならないようにしておきたいものです。

税務トピックス 2026月05月7日

個人事業主〝国保逃れ〟是正へ通知

 厚生労働省はこのほど、個人事業主が国民健康保険料の支払いを避けることを目的に法人の役員に就く〝国保逃れ〟の問題を受けて、「法人の役員である個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて」とする文書を全国健康保険協会、健康保険組合、日本年金機構の各理事長に宛てて通知しました。法人役員の社保加入資格についての条件を明確化することで、国保逃れが横行する現状を是正する狙いがあります。

 国保逃れは、本来であれば国保に加入するはずの個人事業主やフリーランス、国会議員・地方議員らが、形式的に一般社団法人などの役員に就き、保険料負担を抑えることのできる社会保険に切り替える行為を指します。法人役員として健保(協会けんぽ)などに加入することで、保険料の負担を年間数十万円減らす見返りに、法人へ会費を支払うというスキームです。日本維新の会は今年1月、国保逃れに関与していたとして兵庫県議ら6人を除名しており、議員にまでこの手法が横行しています。

 現行、法人役員の被保険者資格を判断するにあたっては、①その業務が実態において法人の経営に対する参画を内容とする経常的な労務の提供であるか②その報酬が当該業務の対価として当該法人より経常的に支払いを受けるものであるか――の2点を基準として、実態を踏まえ総合的に判断することとなっています。

 今回の通知文書では、業務内容が「勉強会への参加」や「法人事業を紹介する協力」などの場合、社会保険に加入する資格がないとしています。また、法人役員の基準としては、業務の決裁権があるかどうかや、指示をする職員がいるかどうかなどを挙げています。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2026月05月5日

全国の局・署に「GSS」順次導入

 国税庁は4月から6月にかけて、政府共通の業務実施環境(業務PCやネットワーク環境)を提供するサービス「GSS(ガバメントソリューションサービス)」を全国の国税局・税務署に導入しています。

 金沢国税局管内と福岡国税局管内の税務署では、昨年9月から利用を開始。今年4月からは仙台国税局(管内の税務署含む。以下同)、沖縄国税事務所、熊本国税局、5月からは名古屋国税局、東京国税局、大阪国税局、広島国税局、関東信越国税局、6月からは高松国税局、札幌国税局が順次スタートするというスケジュールです。

 GSS端末は職員1人につき1台配備されます。調査官が端末を活用し、調査先など外部で必要な情報を確認できるようになるなど、税務調査の効率化が進む見込み。職員1人につき1台のGSS端末を配備することで、税務調査を大幅に効率化していく方針です。

 GSSはデジタル庁が生産性やセキュリティー向上を目的に、ITインフラ全般を包括的に管理・提供しているサービス。職員がGSSで提供されるメール、Web会議システム、オンラインストレージサービス、アンケート作成ツールを税務調査などで利用できるようになります。

 オンラインツールの利用で、納税者側は税務署などの職員に対して①メールでの連絡とデータ送付②大容量データの受け渡し③Web会議システムでのオンライン面談④アンケートのオンライン回答――が可能になります。

 オンラインツールを利用するには、納税者と国税局・税務署の担当者が合意したうえで、納税者がメールアドレスなどを登録する必要があるとしています。オンラインツールは税務調査のほか、行政指導、滞納整理、査察調査にも利用されますが、納税者側がWeb会議の利用を希望した場合であっても、国税当局が必要と判断すれば対面での税務調査などを実施する場合があるとしています。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2026月04月28日

《コラム》相続税調査は増加傾向 追徴課税額も過去最高水準に

◆実地調査は9,500件超に増加
 令和6事務年度の相続税に関する実地調査件数は9,512件で、前年度比111.2%と大幅に増加しました。追徴税額も824億円(前年度比112.2%)と増加し、調査1件あたりの追徴額は平均867万円に達しています。調査の対象は、過少申告が疑われる事案や、申告義務があるにもかかわらず無申告が疑われる事案など、国税当局が入手した資料情報に基づき重点的に選定されています。

◆簡易な接触でも追徴効果
 書面通知や電話・来署依頼による「簡易な接触」も積極的に行われており、21,969件(前年度比117.0%)に達しました。これにより、申告漏れ課税価格は1,123億円、追徴税額は138億円と、いずれも簡易接触が開始された平成28年度以降で最高水準となっています。形式的なやり取りで済むと軽視されがちですが、実態は大きな修正リスクを伴っており、税務署からの文書ひとつが大きな対応義務に発展する可能性があることを認識すべきです。

◆無申告・海外資産は特に要注意
 無申告事案の追徴税額は142億円と、平成21年度の公表開始以来で過去最高を記録しました。また、海外資産関連事案も増加しており、実地調査件数は1,359件、申告漏れ課税価格は97億円でいずれも前年比2割以上の増加です。特に、CRS情報や租税条約による情報交換が活用されており、海外資産の秘匿は極めて困難になっています。
 実例として、海外子会社への貸付金を国内法人口座経由で隠蔽したケースでは、約4.4億円の課税価格の修正が行われ、1.8億円の追徴税額が発生しました。意図的な隠蔽行為は重加算税の対象にもなり得るため、非常に高額な税負担リスクを伴います。

◆実務での対応ポイント
 これらの状況を踏まえ、相続税対策を行う中小企業経営者や資産家は、次の点に留意すべきです。まず、相続前の多額の現金引き出しや贈与については、目的・使途の記録と説明責任を明確にすること。また、海外資産を保有している場合は、その管理状況や取得経緯を文書化しておくことが肝要です。税理士任せにせず、資産構成と過去の資金移動について経営者自身が説明可能な体制を整えておくことが、将来的な税務リスクを軽減する鍵となります。

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