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コラム 2026月09月29日

《コラム》所得区分等に要注意 暗号資産とNFTの課税ルール

◆暗号資産、どこで税金が発生するの?
 ビットコインやイーサリアムといった暗号資産(仮想通貨)が、ずいぶん身近なものになってきました。「少し買ってみた」という方も増えてきたように思います。ただ、税金の面では意外と誤解が多いのもこの分野です。
 まず基本から。暗号資産を売却・交換・支払に使って利益が出た場合、その利益は原則として「雑所得」として所得税の課税対象になります。別の暗号資産と交換した時点でも、商品の購入に使った時点でも、それぞれ課税が生じます。「円に換えていないから大丈夫」は通りません。
 なお、令和8年度税制改正で、暗号資産については今後一定条件下で株や国内FXと同様の申告分離課税として扱われる事になりました。適用は「金融商品取引法の改正法の施行日の翌年1月1日以降」となっており、2028年1月からの見込みです。

◆取得費の計算、届出はしましたか?
 暗号資産を複数回に分けて購入している場合、取得費の計算方法は「総平均法」と「移動平均法」の2種類から選べます。ただし、届出をしなければ自動的に「総平均法」が適用されます。一度選んだ方法を変更するには税務署長への承認申請が必要ですので、最初の年に「どちらにするか」を意識しておくと良いでしょう。

◆NFTの税金は「どう取引したか」で変わる
 NFT(非代替性トークン)は、デジタルの世界で「一点もの(=複製できない)」であることを証明する仕組みです。どう取引したかによって税金の扱いが変わります。自分で制作して販売した場合(一次流通)は雑所得または事業所得、購入したNFTを転売した場合(二次流通)は、原則として譲渡所得に該当し得ますが、営利目的で継続的に売買する場合などは雑所得または事業所得になります。

◆今は損失が出ても、繰り越せない
 給与所得者で、給与以外の所得合計が20万円を超える場合は所得税の確定申告が必要です。暗号資産の損失は雑所得以外の他の所得との損益通算ができず、翌年への繰越控除も認められていません。NFTは所得区分や保有目的によって取扱いが異なるため、損失が出た場合も個別確認が必要です。

税務トピックス 2026月09月29日

日本病院会 消費税〝損税〟解消を重点要望

 日本病院会はこのほど2027年度の「税制改正要望書」を取りまとめ厚生労働省に提出しました。要望事項は国税6項目、地方税2項目、地域医療の拠点としての役割と税制に関する要望1項目。

 このうち優先的な上位3項目として、国税では①社会保険診療報酬等に係る消費税の非課税を見直し課税取引に改めること②医療機関の設備投資を支援するための税制を整備すること――を挙げ、地方税では①社会保険診療報酬に係る事業税非課税措置を存続すること――を挙げて重点的に要望しています。

 国税の要望6項目は①社会保険診療報酬等に係る消費税の非課税を見直し、課税取引に改めること②医療機関の設備投資を支援するための税制を整備すること③持分のある医療法人の事業承継を税制面で支援する制度を整備拡充すること④医療法人の出資評価で類似業種比準方式を採用する場合の参照株価は「医療福祉」と「その他の産業」のいずれか低い方とすること⑤公的運営が担保された医療法人に対する寄附税制を整備すること⑥医療費控除の制度を拡充すること。地方税の要望2項目は①医療機関における社会保険診療報酬に係る事業税非課税措置を存続すること②病院運営に直接的又は間接的に必要な固定資産について、固定資産税及び都市計画税並びに不動産取得税、登録免許税の非課税措置を整備すること。地域医療の拠点としての役割と税制に関する要望1項目は①新興感染症の流行や災害の発生時にも、病院が地域医療の重要な拠点としての役割を十分に果たせるよう、優遇措置を講じること――となっています。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2026月09月22日

《コラム》不相当に高額な役員退職金の法人課税

 役員退職金は経営者のこれまでの貢献に応じ、会社の財産状態や収益力などを考慮して支払われますが、退職金が不相当に高額なものとされた場合、その高額な部分は損金となりません。

◆生前退職金を受ける場合
 法人税では役員に支払われる退職金について、その役員の業務に従事した期間、退職の事情、同種の事業を行う法人の役員に対する支給状況等から適正額を算定します。裁判で示される算定方法は、一般に平均功績倍率法と呼ばれる方法です。その役員の「最終報酬月額×勤続年数×類似法人の功績倍率の平均値」で算定されます。

◆不相当に高額な部分の算定
 税務署が示す役員退職金の適正額に対応するためには、その構成要素である役員報酬の額を把握する必要があります。国税庁は調査対象法人と同業種類似法人の役員報酬データを把握しており、これをもとに役員退職金の適正額を算定します。
 納税者は国税庁が持っている個別法人の役員報酬を閲覧することはできませんが、国税庁が公開する「民間給与実態統計調査」や税務関連の雑誌に掲載されるデータをもとに業種ごとの役員報酬額を把握し、上記算式に当てはめて自社の役員退職金の適正額を推計することができます。功績倍率は功労加算金を含めておおむね3倍となる水準が過去の判例で示されています。
 また、最近の判例で法人の役員報酬に「不相当に高額な部分」があるか争われた裁判で納税者は「不相当に高額」な役員報酬は実働のない役員給与や租税回避を企図したものに限られると主張しました。しかし、裁判所は法人税法の趣旨は「課税の公平性の確保」であるとして納税者の解釈を認めませんでした。法人が役員の業績を正当に評価した報酬であっても「不相当に高額」な部分があるとして否認された事例です。

◆死亡して退職金を受ける場合
 役員の死亡時に退職金をもらう場合、役員を被保険者とする生命保険契約を締結し、死亡保険金を原資として遺族に退職金を支払うことがあります。この場合も退職金は適正額であることが求められます。
 保険契約を締結したときに設定した条件は時の経過とともに変化していきます。保険金と同額をそのまま退職金として支払った場合、不相当に高額な部分があると損金不算入となることを踏まえて役員退職金の支払額を決める必要があります。

コラム 2026月09月22日

《コラム》遺留分侵害に対する課税

円滑な財産承継は親の願いですが、遺留分を考慮する必要があります。

◆遺留分とは
 民法は相続人の生活保障、公平な財産分配を目的として、財産が特定の者に集中して遺贈・贈与されることのないよう相続人に財産の一定割合を遺留分として取得する権利を与えています。相続人が被相続人の父母のみの場合、遺留分の算定の基礎となる財産の価額の3分の1、それ以外の場合は2分の1に法定相続分または代襲相続人の相続分を乗じた額が各相続人の遺留分の額となります。なお、兄弟姉妹に遺留分を取得する権利はありません。

◆遺留分侵害のある遺言の効力
 遺留分を侵害する遺言がされても遺言の効力は失われません。受遺者は被相続人の遺言に従って財産を取得し、遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を受遺者に請求できます。
 公正証書遺言では公証人は遺言の内容によって遺留分侵害が起きるリスクを説明してくれます。遺言者は立ち止まって遺言内容を再考することができます。また、法的効力はありませんが、遺言書に付言事項として遺言者の思いを遺すこともできます。

◆課税への影響
 遺留分侵害額請求により財産を移転させると課税に影響がでます。相続税の申告書を提出後、遺留分侵害額請求によって金銭の交付が行われた場合、金銭を取得した相続人が新たに相続税の申告を要するときは期限後申告書を提出することができ、既に申告していた相続税額が不足する時は修正申告書を提出できます。また、金銭を支払った受遺者・受贈者は、相続税額が過大となるため、遺留分侵害額請求による支払額が確定したことを知った日から4か月以内に更正の請求を行うことができます。
 なお、受遺者・受贈者が侵害額請求債務の履行を金銭ではなく、不動産や株式などの財産で行った場合、その財産の譲渡所得には所得税が課税されます。

◆遺言があっても遺産分割協議は可能
 遺言書とは別に相続人全員が合意すれば遺言と異なる遺産分割を行うこともできます。この場合、受贈者は遺贈を放棄し、各相続人は遺産分割協議に従って取得したものとして扱われ、財産の額に応じて通常どおりに相続税の申告を行うことになります。また遺留分の放棄によって贈与税が課税されることはありません。

税務トピックス 2026月09月15日

相続税の物納申請わずか48件

 国税庁はこのほど、2025年度の相続税の「物納」「延納」申請・処理状況を公表しました。申請件数は「物納」が48件、「延納」が1342件。06年度の申請件数は物納が1036件、延納が4705件なので、当時と比べると物納はわずか4.6%、延納は28.5%に過ぎず、ともに大幅減となっています。

 「物納」の申請件数は48件、前年度に未処理で繰り越されていた件数は29件で、合計77件。このうち物納が許可された件数は40件、取下げ件数は14件、却下件数は4件で、処理件数の合計は58件でした。全体の51.9%が許可され、75.3%が処理されています。申請金額は135億円、未処理繰越金額は49億円で、合計184億円。このうち物納が許可された金額は86億円でした。

 「延納」の申請件数は1342件、未処理繰越件数は371件で、合計1713件。このうち延納が許可された件数は891件、取下げ件数は346件、却下件数は44件で、処理件数の合計は1281件でした。全体の52.0%が許可され、74.8%が処理されています。申請金額は665億円、未処理繰越金額は242億円で、合計907億円。このうち延納が許可された金額は445億円でした。

 06年度からの処理状況をみると、「物納」「延納」とも申請件数・金額が大幅に減少しています。06年度に物納が許可された件数は2094件、金額は1334億円で、延納のそれは4742件、1350億円。当時の物納許可件数は25年度の約52倍、金額は約16倍。延納許可件数は約5倍、金額は約3倍でした。

<情報提供:エヌピー通信社>

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