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コラム 2026月07月7日

《コラム》相続税の連帯納付義務

◆相続税の納税は相続人全員の連帯責任
 遺産分割が終わり、申告書を提出して自身の相続税の納税は済んでいるのに、共同して申告した者に相続税の滞納が生じると、あなたにも滞納者の相続税の納付義務があると通知されることをご存知ですか?
 相続税の扱いでは、各相続人等が相続や遺贈で取得した財産の価額から相続税額を控除した残額を相続人等の受けた利益として、その範囲内で各相続人等が相互に連帯して相続税を納付する義務を負っています。
 例えば、兄弟3人の相続人で、次男が相続税を滞納すると、長男、三男には、自身の受けた利益の範囲内で次男の滞納相続税について納付義務が生じます。

◆連帯納付義務者に届く納付通知書
 滞納している相続人が税務署から督促を受けた後、1か月経過すると、税務署は連帯納付義務者となる相続人、受遺者に、相続税が完納されていない旨のお知らせを送付します。その後、連帯納付義務者に納付を求める場合、連帯納付義務者に納付通知書を送付します。納付通知書には①相続税が完納されていない旨②相続人、受遺者には連帯納付義務がある旨③その相続に係る被相続人の氏名等が記載されています。

◆未納の連帯納付義務者に督促状を送付
 連帯納付義務者が納付通知を受けた後、2か月以内に完納されない場合は、連帯納付義務者に督促状が送付されます。
 なお、申告期限から5年以内に通知がない場合、相続人が延納や納税猶予を受けている場合は、連帯納付義務は生じません。納付されるまでの間、連帯納付義務者には利子税が課されます。

◆相続人に連帯納付義務を課す理由
 相続税は、相続財産の総額に課税され、これを相続人、受遺者が取得した財産の価額に応じて各人の納付税額が算定されます。
 税務署が財産を取得した全ての相続人、受遺者に連帯納付義務を課すのは、徴収漏れを防ぐことにあります。実務と異なりますが、遺産分割の前に相続税を先に納付し、残った財産を遺産分割すると考えれば、連帯納付義務に納得しやすいかもしれません。

◆遺産分割協議は納税義務を含めて合意する
 相続財産のうちに売却困難な不動産があるときは、相続税の納税資金を確保できるよう事前に検討しておくことが大事です。また、遺産分割の際は、相互に相続税の連帯納付義務があることを合意しておくことが必要と言えそうです。

コラム 2026月07月7日

《コラム》社用車(個人事業を含む)は購入とリースどちらがお得?

◆社用車は購入とリースどちらがお得か?
 社用車の調達に際しては、主に、“自社で購入”して管理・運用する方法と、毎月リース料をリース会社に支払い運用する“カーリース”の方法の2つの選択肢があります。
 最近はやりの“必要な時だけシェアレンタル”を使うという選択肢もありますが、本稿では、恒常的に社用車が必要な会社にとって、どちらがより良い選択肢かについて、それぞれのメリット・デメリットを比較してその違いを見ていきます。

◆購入とリースでのメリット・デメリット
(1)購入のメリット
 支払総額がリースよりも少なく済みます。自社で減価償却を行うので、購入年度の節税効果が大きいことの期待もあります。売却や廃棄処分についても自社の自由に設定できます。
(2)カーリースのメリット
 車の所有権はリース会社なので、税金や自賠責保険など法律上支払わなければならないコストはリース会社が支払うため、それに関する事務処理が不要となります。車検や整備など管理もリース会社が行うためその面倒がありません。毎月のリース料の支払いとなるため、購入時の一時の資金負担は不要で、毎月定額の費用計上となり、予算も立てやすくなります。会計処理がシンプルです。
(3)購入のデメリット
 税金や保険など自社での事務処理が必要となります。購入時に車両本体価格プラス諸費用の一時的な資金調達が必要となります。車検や整備など管理の手間とコストが発生します。
(4)カーリースのデメリット
 車が不要になっても中途解約できません。中途解約する場合は、違約金を支払うことになります。リース会社が資金調達し、事務管理をするので、その分がリース会社の儲けとしてリース料に上乗せされるため、支払総額が購入よりも大きくなります。

◆“自宅は購入か賃貸か?”と同じ悩み?
 購入とリースのメリット・デメリットはそれぞれ裏返しです。自社の事務管理を省いてその分の負担金を多く支払うのか、自社で資金を調達して税金メリットを取るのかなど、それぞれ個別に自社の社内管理体制や資金調達環境などによって、どれがより良い選択肢となるのかは変わってきます。
 貴社にとってどっちが良いかは貴社の状況次第ということになります。

コラム 2026月06月30日

《コラム》退職年金の継続受給権に対する相続課税

◆退職年金は、みなし相続財産として課税
 退職年金を受給していた被相続人が死亡すると、残存期間の年金が相続人等に支払われます。年金は相続人等が固有の権利として取得したものですが、相続により取得したものとみなして相続税が課税されます。

◆継続受給権の財産評価
 退職年金の継続受給権は、「契約に基づかない定期金に関する権利」として、みなし相続財産に分類されます。
 相続人等が死亡するまで(相続人等が保証期間中に死亡した場合は保証期間が終了するまで)年金を継続受給する場合、受給権の評価額は、有期定期金、または終身定期金として算出した金額のいずれか多い金額とされます。

◆遺族年金の相続税は非課税
 ところで厚生年金、国民年金等の遺族年金は、厚生年金保険法、国民年金保険法など個別の法律によって受給者が被相続人に生計を維持されていたことを条件に非課税とする取扱いが定められています。
 一方、相続税の非課税財産の規定には、遺族年金を非課税とする旨の扱いはありません。その代わり、相続税法基本通達には遺族年金について、国民年金保険法、厚生年金保険法など個別法により相続税が課税されないことに留意するよう示されています。みなし相続財産であれば、契約に基づかない定期金に関する権利として課税されるのが原則です。

◆米国遺族年金は相続税が課税される
 それでは遺族年金に相続税を課税しない取扱いは、外国の遺族年金にも適用されるのでしょうか。米国遺族年金について相続税が課税されるか争われた事例があります。
 国税不服審判所の審判事例では、遺族年金が非課税となる取扱いは、個別法で国民年金、厚生年金等に設けられたものであり、米国の遺族年金をみなし相続財産として課税する取扱いを妥当とする裁決が出されています。
 令和8年2月には、地裁においても米国遺族年金の受給権について相続税の課税処分を妥当とする判決が出されました。

◆課税の公平は守られているか?
 司法判断は外国の遺族年金への課税は「合理性を欠くということはできない」として平等原則に違反しない旨を判示しました。しかし、遺族にとって国内の年金、海外の年金を問わず、生計維持のための経済的価値は変わらないとみることもできます。

税務トピックス 2026月06月30日

相続土地国庫帰属制度5252件申請

 法務省が公表した2025年度の「相続土地国庫帰属制度の運用状況」によると、23年4月27日の制度開始から今年3月末までの累計申請件数は5252件で、このうち国に帰属されたのは2605件でした。23年度の申請件数は運用開始から約11カ月間で1905件、2年目の24年度は年間1675件、3年目となる25年度は同1672件。申請件数はほぼ横ばいで、制度の利用は思いのほか進んでいないといえます。一方、国に帰属された件数は25年3月末時点までの累計で1486件だったことから、この1年間で1119件増えた計算となります。

 累計申請件数5252件を地目別の内訳でみると、「田・畑」が2042件で全体の39%を占めています。「宅地」は1828件で35%、「山林」は814件で15%、「その他」は568件で11%でした。国に帰属された件数2605件を種目別の内訳でみると、「宅地」が948件で全体の36%を占めています。「農用地」は849件で33%、「森林」は171件で7%、「その他」は637件で24%でした。
 申請が却下された件数は80件、不承認となった件数は81件、申請を取り下げた件数は980件でした。

 申請件数が思いのほか伸びていない理由としては、申請時の必要書類が多いこと、引き取り要件が多岐にわたることなどが挙げられます。申請の際には一筆当たり1万4千円の審査手数料が必要で、申請を取り下げた場合でも返還されず、再申請のたびに費用がかかります。国に帰属されたケースでも10年分の土地管理費相当額の負担金が必要になります。また、審査に時間がかかることも申請件数が伸びない要因だとされています。申請を受理する各地の法務局では審査に要する標準的な期間を「約8カ月」としています。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2026月06月23日

日税連税制審議会 寄附金税制で答申

 日本税理士会連合会(太田直樹会長)はこのほど、日税連会長の諮問機関である税制審議会が取りまとめた答申「寄附金税制のあり方について」を公表しました。昨年10月に2025年度の諮問事項として審議を付託したものです。

 答申では、これまでの寄附金税制について、「公共または公益のための寄附を奨励する効果があったのかと問われれば、ふるさと納税を除けば、現状では否定的な答えにならざるを得ない」としたうえで、「ふるさと納税に関しても、今後返礼品の割合が引き下げられるなどの措置が講じられれば、その利用が急激に減少する懸念もある」と指摘。寄附金についての一般的な課題としては①寄附に関する情報不足②手続の煩雑さ③寄附先の公益法人等の数が少ないこと――などを挙げています。答申では、これらの課題について①公益認定基準に厳格性が求められるのはある程度やむを得ないとしても認定基準の見直しやデジタル技術の積極的活用等によって手続の合理化をより一層進めること②寄附先の情報を集約した公的なポータルサイトの整備等によって寄附者が信頼性の高い情報に基づいて寄附先を選択できる環境を整えること――などを提言しています。

 また、寄附金税制の課題に対して、寄附をする側の利便性の観点から①所得税に関しては繰越控除制度を創設すること②長期にわたり継続的に行われる寄附を推奨する制度を検討すること③相続税に関しては申告期限後であっても一定期間内の寄附について更正の請求を認める制度を検討すること――を提言。

 ふるさと納税制度については、「過度な返礼品競争や過剰な仲介業者への依存を早急に改め、地域間の財政格差の拡大などの課題について丁寧に検証しつつ、寄附文化の醸成につながるような制度として改善していくべきである」と提言しました。

<情報提供:エヌピー通信社>

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