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税務トピックス 2026月02月17日

所得税調査で発覚した不正の事例

 国税庁が公表した2024事務年度(24年7月~25年6月)の「所得税及び消費税調査等の状況」には、具体的な不正の事例が紹介されています。これは、国税当局が類似の不正に目を光らせているという〝警告〟でもあります。

 国税当局は譲渡所得のみを申告していたAについて、国外送金等調書で国外からの送金が多額に上り、外国の金融機関口座を持っていることが見込まれたことから、調査を開始しました。Aは過去に国外の企業に勤務していて、その国に居住用不動産を購入していたと説明したため、当局が使用状況を確認したところ、管理会社を通じてこの不動産の貸付けによる賃料を得ていたことを当局は把握。また、別の外国で開設した金融機関口座で投資信託の運用収益や預金の利子を受け取っていたこともわかりました。

 またBは、高額なトレカの販売で収入を得ていると想定されたものの、所得税の申告がなかったため、国税当局が調査対象に選びました。調査の結果、Bの自宅から大量のトレカや多額の現金を発見。Bは販売利益があったことを認めたものの、領収書などの記録や収支計算書類の保存については曖昧な回答でした。国税当局がパソコンなどのデータを確認したところ、販売したトレカ情報を付けた請求金額データを顧客ごとに集計してメールを送信していたことを把握しました。さらに追及し、利益を隠すために調査前に収支計算書類を破棄していたことを突き止めました。

 複数店舗を展開するキャバクラ店の実質的な経営者と想定されるCが申告していなかったため、国税当局が調査したという事例もあります。Cや従業員に質問調査などを行ったところ、営業許可申請や取引決済を従業員名義で行っていたものの、売上の管理や経営方針の決定などはCが行っていたため、Cが実質的な経営権を持っていると判断。Cを追及したところ、申告していなかったことを認めたため、店の営業に関係する事業所得に課税したほか、事業に関係する消費税、コンパニオンに支払った報酬の源泉所得税を課しました。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2026月02月17日

《コラム》離職予測分析とは

◆離職予測分析とは
 従業員の離職可能性をデータに基づいて予測する分析手法です。勤怠データや人事評価などを活用し、統計分析やAIモデルによって離職リスクの高い従業員を早期に特定し、適切な対策を実施することを目的にしています。
 分析の成否はデータの質と量に大きく左右されます。例えば勤怠データでは出退勤時間だけでなく、残業時間の推移、遅刻、早退の頻度等これらのパターン変化は離職の前兆となることが多いからです。元々残業をいとわなかった従業員が急に定時退社するようになったり、有給の申請が急増したりなどは離職リスクの前兆とも考えられます。しかし各々の会社の文化や、制度変更で生じる場合もあります。
 他の観点では従業員満足度調査やエンゲージメント調査によって仕事への満足度、上司との関係性、キャリア展望を測定します。退職者面談のデータは離職要因にとって重要であり、在職中の面談データと合わせた分析が必要です。

◆継続的にメンテナンスする
 精度の高い予測には労働環境や従業員の価値観の変化に応じたデータ項目、収集範囲の拡張、データ形式の標準化等データの品質保持のための定期的なメンテナンスが必要です。ほかの人事制度と同様に一度作成しても、状況は変化してゆくので継続的な分析が必要です。また、プライバシー保護や利用目的の制限にも配慮しましょう。

◆離職防止にAIを使うメリット・デメリット
 AIを活用することで膨大なデータを素早く分析し離職リスクや退職者傾向を評価でき、人間同士のコミュニケーションと比べて客観的な評価が可能になります。
・多面的な分析によって離職の予兆を把握
・公正で客観的な判断、安定したデータ
・過去データにより離職者の傾向を掴める
・離職を防止するための施策も提案する
 一方デメリット、注意点としては
・AIによる評価が従業員の反発を招く可能性もある
・AIの分析には限りがあり、人間による判断も必要である。個別のニーズや柔軟な対応が求められる場合もある。

税務トピックス 2026月02月11日

相続税の税務調査 追徴税額が過去最高

 相続税の税務調査による追徴税額が過去最高となったことがわかりました。実地調査に加えて、書面・電話での連絡や来署依頼にもとづき納税者と接触を図る「簡易な接触」がコロナ禍前の2倍に増え、追徴税額の増加につながったとみられます。相続税は申告件数に対して実地調査に至る割合がほかの税目と比べて高いため、準備不足が思わぬ税負担の増加につながる可能性があります。国税当局が常に不正に目を光らせていることからも、相続税調査の最新の傾向を確認しておきたいところです。

 国税庁がこのほど発表した2024事務年度(24年7月~25年6月)の「相続税の調査等の状況」によると、相続税の本税・加算税を合わせた追徴税額は、実地調査が前年度比12.2%増の824億円、簡易な接触が同13%増の138億円で合計962億円となり、簡易な接触の事績の公表を始めた16年度以降で最高となりました。実地調査の申告漏れ課税価格は同7.2%増の2942億円、1件当たりの申告漏れ課税価格は同3.6%減の3093万円、その追徴税額は同0.9%増の867万円でした。

 実地調査件数は9512件で、前年度の8556件から11.2%増えたものの、コロナ禍前の18年度の1万2463件と比べると31%少ない状況です。一方、簡易な接触は同1万8781件より17%増えた2万1969件で過去最高となりました。1万332件だった18年度と比較すると2.1倍となります。18年度当時は実地調査の件数が簡易な接触の件数を上回っていましたが、今では完全に逆転し、調査手法が様変わりしている実態がみてとれます。

 簡易な接触は、税務調査の〝効率化〟を図る国税当局の姿勢を象徴的に示す調査手法といえるでしょう。申告が必要と思われる納税者や計算誤りなどがあるとみられる納税者に対して行われています。国税当局が納税者との直接的な接触を避けていたコロナ禍に、実地調査の減少分の穴埋め策として簡易な接触は多用されてきました。ですが、いまだに件数が減少するどころか、むしろ増加しています。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2026月02月11日

《コラム》-令和8年度税制改正- 資産課税編

◆教育資金一括贈与の非課税制度は廃止
 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度は、令和8年3月31日をもって廃止されます。
 この制度は、利用件数が減少していること、高額所得者に利用が集中して経済格差の固定化につながることが問題視されていました。令和8年度改正では、ガソリン税の旧暫定税率廃止や教育無償化の財源確保の手段として廃止されることとなりました。なお、同日までに拠出された金銭は、引き続き、この制度を利用できます。

◆事業承継税制は計画の提出期限を延長
1.個人事業承継計画
 個人の事業用資産にかかる相続税・贈与税の納税猶予制度(個人版事業承継税制)では、「個人事業承継計画」の提出期限が、令和10年9月30日まで延長されます。
2.特例承継計画
 非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度(法人版事業承継税制)のうち特例措置は、平成30年1月1日から10年間限定で全株式に100%納税猶予を認めるものです。この措置の適用に義務付けられる「特例承継計画」の提出期限が、令和9年9月30日まで延長されます。

◆貸付用不動産の財産評価の適正化
 貸付用不動産の市場価格と財産評価基本通達による評価額との乖離を利用した節税策は、総則6項により時価評価を求める国税庁と通達評価額による評価を求める納税者との間で訴訟を多数引き起こし、課税上の扱いを予測困難にしていました。
 令和8年度改正では、貸付用不動産に対する財産評価の取扱いが整備されます。
1.課税時期前5年内取得等の貸付用不動産
 課税時期前5年以内に対価を伴う取引で取得・新築した貸付用不動産の財産評価は、課税時期の通常の取引価額に相当する金額により評価すること、課税上の弊害がない限り、貸付用不動産の取得価額をもとに時価の変動等を考慮して計算した価額の80%相当額で評価できるとされます。
2.不動産小口化商品
 相続等で取得する不動産小口化商品の財産評価は取得時期にかかわらず課税時期の通常の取引価額に相当する金額とされます。
 1・2いずれも令和9年1月1日以後に相続等で取得する財産の評価に適用されます。
 なお、この改正は、通達に定める日の5年前から被相続人が所有する土地に新築した家屋には適用されません。

税務トピックス 2026月02月3日

所得税調査 追徴税額、過去最高1431億円

 国税庁はこのほど、2024事務年度(24年7月~25年6月)の「所得税及び消費税調査等の状況」を公表しました。所得税の実地調査と「簡易な接触」を合わせた件数は73万6336件で前年度から21.7%増加しました。書面・電話による連絡や来署依頼にもとづく「簡易な接触」が大幅に増えたのが要因。調査により発覚した申告漏れ所得金額は9317億円で前年度に比べ6.5%減少しましたが、追徴税額は同2.4%増の1431億円で過去最高を更新しました。国税当局は「選定にAIを活用するなど、効率的かつ的確に調査を行った結果」としています。

 1件当たりの申告漏れ所得金額は前年度比23%減の127万円、その追徴税額は同17.4%減の19万円。実地調査の件数は同1.3%減の4万6896件で、このうち高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を対象に深度ある調査を行う「特別調査・一般調査」が同1.9%減の3万6404件、申告漏れなどが見込まれる個人を対象に短期間で行う「着眼調査」が同0.5%増の1万492件でした。

 「簡易な接触」は、税務調査の効率化を図る国税当局の姿勢を象徴的に示す調査手法といえます。24年度の所得税調査では、実地調査の件数が微減した一方、「簡易な接触」の件数は同23.7%増の68万9440件で大きく増加しました。納税者との直接的な接触を避けていたコロナ禍に実地調査に代わる対応として行われる件数が増えましたが、調査全体に占める割合はコロナ禍前より高く、調査手法として定着したというのが現状です。

<情報提供:エヌピー通信社>

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