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税務トピックス 2026月09月15日
国税庁はこのほど、2025年度の相続税の「物納」「延納」申請・処理状況を公表しました。申請件数は「物納」が48件、「延納」が1342件。06年度の申請件数は物納が1036件、延納が4705件なので、当時と比べると物納はわずか4.6%、延納は28.5%に過ぎず、ともに大幅減となっています。
「物納」の申請件数は48件、前年度に未処理で繰り越されていた件数は29件で、合計77件。このうち物納が許可された件数は40件、取下げ件数は14件、却下件数は4件で、処理件数の合計は58件でした。全体の51.9%が許可され、75.3%が処理されています。申請金額は135億円、未処理繰越金額は49億円で、合計184億円。このうち物納が許可された金額は86億円でした。
「延納」の申請件数は1342件、未処理繰越件数は371件で、合計1713件。このうち延納が許可された件数は891件、取下げ件数は346件、却下件数は44件で、処理件数の合計は1281件でした。全体の52.0%が許可され、74.8%が処理されています。申請金額は665億円、未処理繰越金額は242億円で、合計907億円。このうち延納が許可された金額は445億円でした。
06年度からの処理状況をみると、「物納」「延納」とも申請件数・金額が大幅に減少しています。06年度に物納が許可された件数は2094件、金額は1334億円で、延納のそれは4742件、1350億円。当時の物納許可件数は25年度の約52倍、金額は約16倍。延納許可件数は約5倍、金額は約3倍でした。
<情報提供:エヌピー通信社>
コラム 2026月09月15日
婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産を課税されずに贈与できるのが、おしどり贈与(贈与税の配偶者控除)ですが、制度を活用するときは事前の検討が必要です。
◆おしどり贈与を選択する場合
①配偶者の生活保障
配偶者と子に相続争いの生じるリスクに備えたいとき、何よりも配偶者が安心して居宅に住み続けたいときは、おしどり贈与で配偶者の生活拠点を確保できます。
また、おしどり贈与は特別受益とならないので遺産分割の際、配偶者は生前贈与を受けた居宅のほかに預金や株式などを法定相続分で取得し生活の原資を確保できます。
②税制上のメリット
おしどり贈与は、贈与税の課税価格から最大2,000万円まで控除(ほかに基礎控除110万円も適用されます)され、生前贈与加算の必要もありません。ただし、取得時に不動産取得税と不動産登記の登録免許税、取得後は固定資産税がかかります。
おしどり贈与は配偶者が居宅の贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住の用に供し、かつ、その後、引き続き居住の見込みであるときに適用されます。適用を受けた後、事情が変わり居宅を売却したときは、居住用財産の譲渡所得3,000万円控除のほか、所有期間が10年超であれば、軽減税率の特例(譲渡所得金額6,000万円まで、所得税10%、住民税4%)を適用できます。
◆おしどり贈与を選択しない場合
①相続人の争いが見込まれないとき
配偶者が子供夫婦と良好な関係ができているときは、おしどり贈与を選択せず、家族会議で夫婦の希望を子に伝えて遺産分割で配偶者に居宅を取得させることもできます。また、遺言書を作成して夫婦の意思を示しておくこともできます。
②税制上のメリット
おしどり贈与を選択せず、相続や遺贈で配偶者が居宅を取得する場合、居宅の宅地に小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)を適用でき、居住用宅地の課税価格の80%(330㎡まで)が相続税の課税価格から減額され、相続税を大幅に圧縮できます。
また、相続税の算出時には配偶者の税額軽減が適用されるので、課税価格1億6,000万円又は配偶者の法定相続分のいずれか大きい金額まで相続税は課税されません。
配偶者が居宅を売却する場合には、譲渡所得3,000万円控除の特例や所有期間10年超の軽減税率の特例も利用できます。
お知らせ 2026月09月8日
◆10月から企業側にカスハラ防止対策義務
近年、カスタマーハラスメント(以下カスハラ)が社会問題で取り上げられています。駅や飲食店、タクシーの中などポスターやシールで注意を喚起しているのを目にした方も多いでしょう。外部から発生するという特徴があり今までのハラスメントとは違います。
令和8年10月から企業側にはカスハラ防止のため、雇用管理上必要な措置を講じることが義務付けられます。
企業の行う具体的内容については法律に基づく指針で定められています。
◆カスハラに該当する事例
カスハラは従来のクレーム事案と重なる部分もありますが、クレーム対応では済まない社会通念上許容される範囲を超えた言動が従業員に被害に及ぶのかどうかを問われます。一般消費者を対象にする業種に起こりやすく、商品やサービスを販売する側に不当な要求や不可能な要求などを執拗に迫るなどして、従業員に威圧的な言動、精神的攻撃、身体的攻撃などをしてきます。その典型例が次のようなものです。
①要求に理由のない、商品やサービス
と全く関係のない要求
②契約などにより想定しているサービスを著しく超える要求
③対応が著しく困難又は対応が不可能な要求
④不当な損害賠償要求
⑤身体的な攻撃
⑥殴る、ける、たたくなどの暴行
⑦威圧的な言動
◆企業としての対応策
まず自社が今までカスハラと思える行為を受けたことがあった場合、どのように対処していたか社内で話し合ってみましょう。
◆カスハラを想定した事前準備
1.カスハラには毅然とした態度で対応、労働者を保護する
2.突発的に起こることも多いのでカスハラの内容と対処方法を従業員に周知させる。また悪質な場合では素早く上司に報告させ事実関係を確認する
3.個人攻撃防止で労働者の名札を変更する
4.相談窓口を定める。担当者も適切に対応
厚労省では業種別カスタマーハラスメント対策マニュアルを作成しているので参考にしてください。
コラム 2026月09月8日
◆今年の税制改正で所得税年収の壁が見直し
これまで「年収を抑えて扶養の範囲で働きたい」という場合、昨年までは所得税の壁は年収160万円でしたが令和8年には178万円に引き上げられます。扶養家族が働く時間が増えても課税されるラインが上がりました。
◆年収の壁は住民税や社会保険もあり
収入が大体年収100万~110万円を超えると住民税が掛かります。こちらは所得税に比べると課税ラインが低く、課税基準は自治体ごとに違うので確認が必要です。
社会保険の加入基準となる「106万円の壁」は現在51人以上の被保険者がいる事業所で適用され「所定内賃金が月平均8.8万円以上」「週所定労働時間20時間以上」「学生でない」方が対象になります。ただし令和8年10月からは「年収106万円」の壁は撤廃される予定です。
◆影響大きい「年収130万円の壁」
これは50人以下の全事業所も対象です。配偶者の社会保険の扶養家族で加入している場合、基準を超えると扶養から外れ自分で社会保険に加入します。扶養家族が勤めている事業所の社会保険に入るか、国民健康保険・国民年金に加入します。社会保険は保険料負担が大きいため手取りが減るということがあります。厚労省は助成金等でその分をカバーするような制度もつくっていますが、対象者に使えるかは申請をしてみないとわかりません。
また、社会保険の事業所規模の拡大で今までは扶養家族であっても、扶養家族が勤める事業者が拡大対象事業所になれば扶養からは外れるケースも出てきます。
税制が大幅に所得税の壁を引き上げでやや楽になったかと思っても、社会保険の壁が存在すると手取りを気にする短時間労働者の働き方はそれほど大きな変化は見られないでしょう。
◆高齢者就業には一定の変化が
一方、働き方の変化でいうと扶養家族ではありませんが、企業に勤める高齢者で厚生年金保険の適用者は在職老齢年金の年金停止ラインが月65万円と大幅に上がったので、年金カットを意識せず就業がしやすくなったといえるでしょう。
税務トピックス 2026月09月1日
国土交通省はこのほど、2025年度の「住宅市場動向調査」の結果を取りまとめ公表しました。今回の調査から「リフォーム促進税制」についても新たに調査。個人の住宅建設に関して影響を受けたことや資金調達方法などについての実態を把握し、今後の住宅政策の企画立案の基礎資料とすることを目的に01年度から毎年度実施しています。住み替え、建て替え、リフォームを行った世帯を対象として、注文住宅、既存(中古)住宅、分譲住宅、民間賃貸住宅、リフォーム住宅の種類別に調査を実施しました。
それによると、中古住宅取得後にリフォームを行った世帯のうち、リフォーム促進税制の適用を「受けた」もしくは「受ける予定である」と回答した世帯の割合は、中古戸建住宅取得世帯で14.7%、中古集合住宅取得世帯で12.2%でした。リフォーム実施世帯のうち、リフォーム促進税制の適用を「受けた」もしくは「受ける予定である」と回答した世帯の割合は4.3%にとどまっています。
リフォーム促進税制は、一定の省エネ・バリアフリー・耐震などのリフォームを行った場合に、所得税の控除や固定資産税の減額が受けられる制度。対象工事の内容や控除額は、工事の種類・費用・工事完了日(居住開始日)などで細かく条件が決まっています。控除の申請には増改築等工事証明書、補助金交付を受けた場合はその額がわかる書類(交付決定通知など)、工事請負契約書、工事費内訳書、改修箇所の写真・工事の内容や費用がわかる書類など、用意しておくべき書類が多岐にわたるうえ手続きが煩雑なことから、リフォーム促進税制の適用を「受けていない」と回答した世帯の割合は、中古戸建住宅取得世帯で74.1%、中古集合住宅取得世帯で78.0%、リフォーム実施住宅では85.8%となっています。
住宅購入資金とリフォーム資金の平均値は、注文住宅が7646万円で、分譲集合住宅が6443万円、分譲戸建住宅が5099万円、中古集合住宅が3321万円、中古戸建住宅が2966万円、リフォーム住宅が170万円となっています。
<情報提供:エヌピー通信社>
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