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税務トピックス 2026月05月26日
国税庁はこのほど、「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」の初会合を開きました。この有識者会議は、会計検査院から指摘を受けたことを踏まえて設置されたもの。取引相場のない株式の相続税評価について、相続税法の時価主義のもとで適正な評価制度のあり方を検討するとしています。抜本的に見直されることになれば、現行の評価ルールを定めた1964年以来の大幅な改正。有識者会議では2027年度税制改正大綱に反映させることを目指して、議論を進めていくものとみられます。
被相続人の財産は「時価」で評価することが相続税法で定められています。しかし、非上場株は取引相場がないため、国税庁では「財産評価基本通達」というルールを設けて評価額を算定しています。ただ、配当や決算期を調整したり、故意に「赤字化」したりするなどの手法で意図的に評価額を下げ、税負担を過度に軽減しているとみられるケースがあります。
24年11月の会計検査院の検査報告では、①各評価方式の間で評価額に乖離が生じていること②類似業種比準価額を適用する割合が高い規模の大きな会社ほど株式の評価額が相対的に低く算定されること③配当還元方式の還元率が近年の金利の水準と比べて相対的に高い率となっているおそれがあること――などが示され、評価制度のあり方について「異なる規模の会社間での公平性や社会経済の変化を考慮し、より適切なものとなるよう検討を行っていくことが肝要」と指摘されていました。会計検査院は、評価方式によって評価額に4倍の差が出るケースもあると指摘。「評価の公平性が必ずしも確保されているとはいえない」として、国税庁に見直しを求めていました。
有識者会議では、非上場株の評価を適正にすることを念頭に議論される見通し。ただ、大規模非上場企業の株式評価額が上がる方向で議論が進めば、一部で相続税の負担が増す可能性もあります。
<情報提供:エヌピー通信社>
コラム 2026月05月26日
◆制度の目的と背景
中小企業者が事業に必要な少額の設備や備品を購入した際、その費用を購入年度に一括して経費計上できる「少額減価償却資産の特例」が令和8年度税制改正で拡充・延長され、令和8年4月1日以後の取得分から適用されます。本来、減価償却資産は耐用年数に応じて毎年少しずつ費用計上するのが原則です。しかし、それでは資産管理の事務処理が煩雑になります。本特例は中小企業の事務負担を軽減し、積極的な設備投資を後押しするために設けられたものです。約66万社が活用しており、令和5年度の適用総額は3,728億円に上ります。
◆今回の改正ポイント
改正前は取得価額「30万円未満」の資産が対象でしたが、今回の改正で「40万円未満」へと上限額が引き上げられました。これにより、これまで対象外だった30万円から40万円未満の設備・ソフトウェア等も一括損金算入が可能となります。適用上限は年間合計300万円で、この点は改正前と変わりません。適用期限は令和10年度末(令和11年3月31日)まで3年間延長されます。なお、貸付けの用に供した資産(主要な事業として行われるものを除く)は引き続き対象外となりますのでご注意ください。
◆対象企業と要件の確認
この特例を利用できるのは青色申告書を提出する「中小企業者等」に該当する法人です(個人も青色中小事業者であれば利用可)。資本金額または出資金額が1億円以下の法人が基本となりますが、大法人の子会社等や通算法人、保険業法に規定する相互会社、投資法人、特定目的会社、適用除外事業者(過去3年間の平均所得金額が15億円を超える事業者)は対象外です。従業員数は中小企業者で400名以下、出資金等が1億円超の組合等では300名以下が要件となります。自社が確実に対象に該当するかは、税理士に確認のうえで購入の検討をお願いします。
◆経営者がいま行うべき行動
単価30万円以上40万円未満の備品・ソフトウェア・工具等の購入を検討している場合、一括費用計上が可能となりますから、年間合計300万円枠の管理と購入タイミングを確認し、投資計画の見直しに着手してください。税務申告の際には適用漏れのないよう、顧問税理士との早めの打ち合わせをお勧めします。
税務トピックス 2026月05月19日
国土交通省が今年1月1日時点の「公示地価」を発表しました。住宅地や商業地などを合わせた地価全体の全国平均は前年から2.8%上昇し、2022年から5年連続でプラスとなっています。公示地価は土地の取引価格の目安となるほか、固定資産税路線価の算定や公共事業用地買収時の取得価格の算定などで基準として利用されます。
住宅地、商業地、工業地を含む全用途の地価の全国平均は2.8%上昇し、前年の上昇率2.7%を上回りました。東京圏は5.7%、大阪圏は3.8%上昇。名古屋圏を含む3大都市圏では4.6%上昇しています。地方中枢4都市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)も4.5%上昇。ただ、名古屋圏と地方中枢4都市は前年に続き上昇率が縮小しています。
用途別にみると、住宅地の上昇率は前年と同様の2.1%。3大都市圏と地方中枢4都市ではともに3.5%上昇しました。最も伸びた地点はリゾート需要が高い長野県白馬村で、上昇率は33.0%。住宅地は31都道府県(前年30都道府県)で上昇しました。
商業地の上昇率の全国平均は4.3%で、3大都市圏が7.8%、地方中枢4都市が6.4%。なかでも上昇率が高かった地点は、次世代半導体の量産化を目指す「ラピダス」の工場建設が進む北海道千歳市で、44.1%の上昇を示しました。商業地は38都道府県(前年34都道府県)で上昇しています。
最高価額は住宅地、商業地ともに昨年と同地点。住宅地は「港区赤坂1丁目」が9年連続のトップで、1㎡当たりの価額は711万円(前年590万円)。商業地は「中央区銀座4丁目(山野楽器銀座本店)」が20年連続のトップで、1㎡当たりの価額は6710万円(同6050万円)でした。
<情報提供:エヌピー通信社>
税務トピックス 2026月05月19日
国税庁はこのほど、2024年度分の「会社標本調査」の結果を公表しました。利益計上法人数は前年度比3.3%増の119万1755社となり、4年連続の増加で過去最高となりました。一方、欠損法人数も同0.3%増の180万7925社と5年連続で増加。全法人に占める欠損法人の割合は60.3%で、減少傾向にはあるものの依然として5社のうち3社が赤字となっている状況です。
同調査は資本金階級別や業種別に法人企業の実態をサンプル調査したもの。租税収入の見積もり、税制改正、税務行政運営などの基礎資料とすることを目的に実施しています。1951年から毎年実施していて、今回が第75回目。約242万社をサンプルとして調査しました。
調査結果によると、営業収入金額は前年度比3.6%増の1822兆9016億円となり、4年連続の増加で過去最高となりました。所得金額は同11.2%増の102兆609億円。5年連続の増加で、こちらも過去最高です。
法人税額は同13.9%増の18兆6822億円で、前年度より2兆2845億円増加しました。所得税額控除は同50.3%減の1兆9274億円、外国税額控除は同6.3%増の1兆2808億円。金額ベースでは、所得税額控除が1兆9545億円の減少、外国税額控除が761億円の増加でした。国税当局によると、所得税額控除が大きく減少したのは、22年度税制改正で完全子会社などの一定の法人間の配当について所得税の源泉徴収が不要になったのが要因の一つとしています。
繰越欠損金の当期控除額は同4.1%減の10兆5157億円、翌期繰越額は同2.6%減の75兆4819億円でともに減少しました。交際費等の支出額は同5.5%増の4兆4139億円で3年連続の増加。寄附金の支出額は同15.2%減の1兆1618億円でした。
<情報提供:エヌピー通信社>
コラム 2026月05月12日
◆小規模個人事業者に新たに3割特例を適用
小規模事業者の消費税の事務負担に配慮して、その納付税額を売上に係る消費税額の2割とする制度(2割特例)は、令和8年9月30日を含む課税期間で終了します。
令和8年度税制改正では、小規模事業者のうち個人事業者に限り、納付税額を売上に係る消費税額の3割とする負担軽減がはかられます。令和9年分、令和10年分に適用されます。また、2割特例を適用していた個人事業者も令和9年分、令和10年分に3割特例を適用することができます。
◆個人事業者の簡易課税への移行手続き
簡易課税制度を選択する場合、原則として、その適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに簡易課税制度選択届出書の提出が必要です。
2割特例では、この届出手続きが緩和されています。すなわち、2割特例の適用期間終了後、翌課税期間に簡易課税制度に移行する場合、2割特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間中に、その課税期間から簡易課税の適用を受ける旨を記載した簡易課税制度選択届出書を提出すれば、その課税期間の初日の前日に届出書を提出したものとみなされ、その課税期間から簡易課税制度の適用が認められます。
3割特例では適用期間の終了後、その適用を受けた課税期間の翌課税期間に係る確定申告期限までに簡易課税制度選択届出書を提出すれば、その翌課税期間から簡易課税制度が適用されます。
令和11年から簡易課税に移行する個人事業者は、令和11年の確定申告期限である令和12年3月31日までに、令和11年から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した届出書を提出します。
◆法人の簡易課税への移行手続き
2割特例を受けている法人は、令和8年9月30日を含む課税期間をもって適用が終了します。令和8年度税制改正では、法人が簡易課税制度に移行する場合、令和8年10月1日以後に終了する課税期間から3割特例の場合と同様の措置が適用されます。すなわち、2割特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間の確定申告期限までに簡易課税制度選択届出書を提出すればよいことになります。たとえば12月決算法人は、令和9年12月期に係る確定申告期限である令和10年2月29日までに届出書を提出すれば、令和9年12月期から簡易課税制度を適用できます。
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