10月に登録受付が始まったインボイス制度の周知が全く進んでいません。企業間取引の電子化を手掛けるインフォマートによる調査で、インボイスが導入されるにあたっての対応を検討している事業者は全体の1割にとどまるという結果が出ました。インボイス制度への対応を怠ると仕入にかかった消費税の税額控除が受けられなくなる可能性があるため、事業者への早急な認知拡大が求められています。
調査結果によると、インボイス制度について「対応を検討している」とした割合は10.3%にとどまり、「よくわからない」が55.3%、「対応を検討していない」は34.4%に上りました。
インボイス制度を適用するための事前登録申請の受付は今年10月1日から始まっています。制度の開始は2023年10月で、それ以降は原則としてインボイス(適格請求書)発行事業者以外との取引では消費税の仕入税額控除を受けることができなくなります。
免税事業者は発行事業者として登録することができないことから、免税事業者と取引をしている企業は仕入で支払った消費税分だけ損することになります。そのため免税事業者が取引から排除される懸念があり、実施後6年間は仕入税額相当額の一定割合を控除可能とする経過措置が設けられていますが、29年10月からは100%控除不可となります。
都内の税理士の一人は「導入間際になってバタつく事業者が多発するのではないか」と混乱を懸念しています。
<情報提供:エヌピー通信社>