サイバー攻撃や情報漏えいといったサイバーセキュリティのリスクをめぐり、企業の9割が脅威を認識し、8割が対処可能な人材の確保に課題を抱えていることが日本能率協会の調べで分かりました。
調査は日本能率協会の法人会員などの経営者から回答を得たもの。サイバーセキュリティのリスクの高まりについて、「大きな脅威である」との回答は41.0%、「脅威である」は34.8%、「やや脅威である」は13.9%となっていて、9割近くの企業が脅威を感じているという結果でした。
企業規模別にみてみると、大企業で95.9%、中堅企業で89.5%、中小企業で84.7%が脅威を感じているとしていて、企業規模にかかわらずおおむね危機意識が高いことが示されています。
リスク対策を講じる上での課題として最も多く挙げられたのが「サイバーセキュリティ対策に精通している人材の確保」で78.8%。2017年に経産省が改定した「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」においても、サイバーセキュリティに対処可能な人材の育成が重要項目として挙げられていて、依然として人材確保が課題となっていることが浮き彫りとなりました。「一般社員の理解・協力」(75.4%)、「取引先を含めたサプライチェーン全体におけるリスクの特定」(73.5%)と続きます。
デジタル化が進むなか企業のサイバーセキュリティのリスクは年々増しています。21年度版の警察白書では、20年のサイバー犯罪の摘発件数が過去最多を更新し、なかでも企業から盗み出した機密情報と引き換えに金銭を要求する「身代金要求型ウイルス」が目立っていることが指摘されています。
<情報提供:エヌピー通信社>