新型コロナウイルス対策の「ゼロゼロ融資」にかかる中小企業の返済苦を軽減するため、政府は新たな資金繰り支援制度「コロナ借換保証」を1月にスタートさせました。金融機関による継続的な伴走支援を受けることを条件に、借入時の信用保証料を大幅に引き下げます。
コロナ禍での中小企業の資金繰りを支えてきた実質無利子・無担保のゼロゼロ融資は昨年9月末に終了しました。日本政策金融公庫だけでも100万件弱、約16兆円を融資していて、融資実績は1年でリーマンショック後2年間を上回りました。ゼロゼロ融資が功を奏し、21年の倒産件数は6030件と、増えるどころか過去50年で最も少ない歴史的低水準にとどまりました。
今後問題となるのが、ゼロゼロ融資の返済苦です。政府によると、民間金融機関のゼロゼロ融資の返済開始時期が今年7月から来年4月に集中するそうです。中小企業に保証を提供する全国信用保証協会連合会のデータでも、融資返済が不可能な企業に代わって協会が肩代わりする「代位弁済」は増加の一途をたどっていることが判明しています。
そこで国は、資金繰り支援策として新たな借り換え制度を創設しました。100%保証の融資は借り換え後も保証を維持。また補助前は0.85%程度に設定されているゼロゼロ融資の保証料については、原則として0.2%まで引き下げます。保証の対象期間は10年以内とし、借り換えた場合の元本の返済は最長5年間猶予します。保証限度額は、民間金融機関のゼロゼロ融資の上限額である6千万円を上回る1億円となります。なお借り換え制度を利用する条件として、金融機関と連携して経営計画書を作成することや、売り上げが5%以上減少したことなどが求められています。
<情報提供:エヌピー通信社>