国土交通省が今年1月1日時点での地価を公表しました。全用途の全国平均が3年連続で上昇し、上げ幅はバブルが崩壊した1992年以降で最高を記録。同省はコロナ禍でのマイナス局面から完全に脱したとみています。
住宅地、商業地、工業地などを含む全用途の全国平均はプラス2.3%でした。札幌、仙台、広島、福岡の地方中枢4都市を除いた地方圏では依然として下落地点の割合が39.8%あるものの、ほとんどの自治体では前年からのマイナスを縮小していることなどから、全国的に地価が回復傾向にあるといえます。
住宅地では、1.4%の伸びとなった前年から上昇幅を拡大し、2.0%のプラスとなりました。中でも地方中枢4都市は前年比7.0%増と、3大都市圏の2.8%をはるかに凌ぐ好調ぶりを継続しました。商業地でも都市部を中心に店舗需要が回復傾向にあり、堅調なオフィス需要やマンション用地需要などから地価の回復傾向がより進んでいます。全国平均は3.1%プラスで、前年の1.8%から大きく伸びました。工業地も前年比4.2%増と、前年を上回る上げ幅を示しています。
地価上昇率を見ると、全国1位が熊本県菊池郡大津町の33.2%、2位が熊本県菊池郡菊陽町の30.8%となっています。また住宅地、商業地それぞれのトップ10には北海道(住宅地7地点、商業地5地点)の地点が多く並びました。
一方、下落率ワーストは福島県いわき市の住宅地で、マイナス8.3%でした。石川県珠洲市の2地点も8%を超える下落率を示しましたが、これには今年元日に発生した能登半島地震による影響は反映されておらず、人口減少による過疎化が要因とみられます。
地価が最も高かったのは、18年連続で東京都中央区銀座の山野楽器本店。コロナ禍で2021~22年の価格は下落していましたが23年にプラスに転じ、今年はさらに上昇して1㎡当たり5570万円でした。
<情報提供:エヌピー通信社>