◆予定される上限時間
先に政府から発表された働き方改革の一環として「時間外労働の上限規制」が注目を集めています。現在は時間外労働協定届の「特別条項付き三六協定」を労使間で締結する事で、繁忙期に上限の無い残業をさせる事も可能です。上限規制の改革案では「たとえ労使協定を締結していても残業時間は年間720時間を上回る事ができない」とされ、但し繁忙期には月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以下の上限時間が設けられる事となりそうです。
◆残業の時間規制から外れる?休日出勤
上記の時間外労働の上限720時間には抜け道があると指摘されています。それは休日に働いた時間はこの上限時間には含まれないという事です。未定の部分もありますが休日出勤の労働時間規制は企業努力とされる事もありそうです。その場合平日の就業時間内に業務を終えなかった従業員が自主的に休日出勤をするかもしれません。
◆休日出勤させないような取り組み
会社が命じていない休日に勝手に出勤した人が1週に1日又は4週に4日以上の休日を取らないと過労のリスクも高まります。トラブルが発生してから「従業員が勝手に休日出勤していた」と言ったところで会社が黙認していたとみなされる事もあります。このような事が起きないように事前申請を出させる許可制にしたり、振替え休日を決めておく等、労務管理には気をつけたいものです。上司の命令を無視して休日出勤を繰り返すならば、人事考課などでも厳しく対処する位の事が必要なのかもしれません。
◆長時間労働の指摘は避けたい
労働基準監督署の労働時間調査は最近は小規模な事業所であっても入る事があります。是正が必要と指摘されれば働き方や賃金の支払い方の見直しをせざるを得ません。是正をしない場合は公共事業の入札でも不利になりますし、万一インターネット上で悪い評判がたったりしたら企業イメージが損なわれてしまう事があるかもしれません。採用活動にも影響が出てきます。
むしろインターネットでは積極的な労働時間管理の取り組みを行っている企業であることをアピールする場として取り組む事が採用にもプラスになるでしょう。
|