2023年分の確定申告で、個人事業者による消費税の申告件数が前年比86.9%増の約197万2千件となったことが分かりました。国税庁が発表しました。消費税のインボイス制度が23年10月に導入されたことで大幅増につながりました。
国税庁はこのほど、23年分の所得税・消費税・贈与税の確定申告の状況を発表しました。個人事業者による消費税の申告件数は前年の約105万5千件から約91万7千件増えた約197万2千件(前年比86.9%増)で大幅に増加しましたが、その申告納税額は6850億円(同9.1%増)にとどまりました。「件数激増、税収微増」はインボイス制度導入時から予測されていたことではありますが、実際に税務署の処理業務量はほぼ倍増したものの、税収の伸びはわずか1割にも届きませんでした。
23年中にインボイス発行事業者となったのは197万6千人で、そのうち期限内の申告者数は174万4千人。また、免税事業者からインボイス発行事業者となったのは104万8千人で、そのうち期限内の申告者数は87万5千人。免税事業者から課税事業者になった人を対象に、その納付税額を「売上げに係る消費税額の2割とする」特例、いわゆる〝2割特例〟を適用した申告者数は73万4千人で、83.9%がこの特例を適用して申告した計算となります。
<情報提供:エヌピー通信社>