平成28年度に新たに発生した国税の滞納額は6221億円で、前年より1割弱減少しました。年度末時点の滞納額の残高は8971億円となり、18年連続で減少しています。国税庁は滞納残高が減り続けている理由として、滞納の未然防止やコールセンターを活用した催告の効果などを挙げています。
税目別に見ると、消費税は5%から8%に増税されてから新規滞納が急増していましたが、今回は3年ぶりに減少に転じました。とはいえ28年度の新規滞納額は3758億円で、全滞納の6割を占めています。
所得税、法人税、相続税、消費税のすべてで、滞納を解消させた「整理済額」が新規発生額を上回りました。28年度中に整理済となった滞納額は7024億円に上っています。滞納整理が進んだ理由として国税庁は「大口・悪質事案や処理困難事案に対して厳正・的確な滞納整理を実施」したと説明しています。
また、今年6月に国税庁が発表した「国税庁レポート2017」によれば、滞納整理がスムーズに進んだ要因には、差し押さえ財産のインターネット公売の活用があるようです。28年度にも4回の公売が実施され、高級車や宝飾品、不動産など400物件を売却した結果、約5億円が徴収されています。レポートでは「ネット公売は利便性が高く、より多くの参加者を募ることができるため、差し押さえた財産の高価・有利な売却に役立っています」として、公売の有効性を誇っています。
<情報提供:エヌピー通信社> |