財務省はこのほど、2023事務年度(23年7月~24年6月)の「関税等脱税事件に係る犯則調査」の結果を公表しました。全国の税関が行った輸入品に対する関税および内国消費税(輸入貨物に課される消費税、酒税、たばこ税などの間接税)に係る犯則調査の結果をまとめたものです。
それによると、関税などの脱税事件に対して全国の税関が行った犯則調査の結果、検察官への告発や税関長による通告に至った処分件数は前事務年度比7%減の157件へと微減したものの、脱税額は同86%増の総額約4億円で大幅増となりました。
処分した事件のうち、金地金の密輸事件が同18%減の102件で、件数としては減少したものの事件全体の約6割を占めています。金地金の脱税額は総額約3億6千万円で、前事務年度の約2.1倍に急増しました。
金地金密輸事件の主な処分事例としては、航空機旅客が金地金約105kgを密輸し、消費税約8080万円を脱税した事案があったそうです。
また関税と内国消費税(消費税、酒税、たばこ税等)の輸入申告に対する「輸入事後調査」の結果も同時期に発表しました。同調査は、輸入貨物に掛けられる関税などが適正に納税申告されていたかどうかを通関後に確認するための税務調査。23年度に行われた調査は3576件で、申告漏れなどが発覚した輸入者の手続きは2678件。関税などの納付不足税額は約128億3千万円でした。
<情報提供:エヌピー通信社>