法人県民税(法人税割)の標準税率に0.8%程度を上乗せして徴収する特例措置(超過課税)を実施している自治体で、超過課税の適用期間を延長し、実質的に恒久化する動きが広がっています。その多くが、2021年に特例措置を5年間延長しており、来年には期限切れを迎えるため。多くのケースでは9月の県議会定例会で適用期間の5年間延長を認める条例を可決。31年まで再延長する内容となっています。
法人県民税には「均等割」と「法人税割」があり、①県内に事務所・事業所がある法人は均等割と法人税割を②県内に事務所・事業所はないが寮・宿泊所・クラブなどがある法人は均等割を③法人課税信託の引き受けを行うことにより法人税を課される個人で、県内に事務所または事業所を有するものは法人税割を――それぞれ納付。法人県民税の「均等割」は資本金の大きさなどによる法人区分ごとに税額が定められており、「法人税割」は法人税額に一律の税率を乗じて算出します。
「超過課税」とは、地方税法で定められた標準税率を超える税率で課税すること。多くの自治体では、1975年に「法人の県民税の特例に関する条例」などといった名称で特例措置を制定していて、おおむね5年に1度のペースで法人税割の標準税率に0.8%程度上乗せする超過課税の適用期間延長を半世紀以上繰り返しています。
今回、さらに5年間の再延長を決めた自治体では、超過課税の状態が55年以上続くことが確定したといえます。
<情報提供:エヌピー通信社>