トンネルの天井板落下事故や道路陥没事故などを機に注目が集まるインフラの老朽化。リスクはこれまで幾度となく指摘されてきましたが、水道など、インフラの更新・管理・整備には多額の費用がかかる上、人材不足が壁となっています。ある上下水道局では下水道関連の職員が2018年度には61人いましたが、2023年度には56人に減りました。こうした課題を解決するため、官民で公共サービスを提供する「PPP」や、その手法のひとつである「PFI」に注目が集まっています。なかでも、PFIを活用する動きが増えています。
PFIとは、「民間資金を活用した社会資本整備」といって、公共事業を実施するための手法の一つです。Private-Finance-Initiative(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)の頭文字をとっています。民間の資金と経営能力・技術力(ノウハウ)を活用して、管理・整備などを行います。あくまで地方公共団体が発注者となるので、完全な民営化とは一線を画します。政府は「PFI」の対象事業を拡大する方針を掲げています。
実は、インフラ老朽化は米国・欧州などでも共通の課題になっています。ドイツのドレスデンの中心部では2024年、橋が100メートルにわたり崩落し、市民生活に大きな影響が出ました。日本が他の先進国に先駆けて、インフラ維持・更新のイノベーションを起こすことができれば、同様の課題を抱える国へ助けとなります。また、アジア諸国もいずれ同様にインフラ老朽化の課題にぶつかります。日本がインフラの老朽化対策を成功させることは、ノウハウは国内にとどまらず他国への展開の可能性もあり、新たなビジネスの機会にも繋がります。
まだ、各国とも試行錯誤の段階にあり、明確な成功への方程式は生まれていません。そのような今だからこそ、日本が他国に先駆け挑戦し、成功事例となることを望みたいところです。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)