◆株主とは
株主総会を構成する株主は、会社の株式を購入することで会社に出資しているので会社の共同所有者と捉えられるでしょう。個々の株主は会社の所有者なので、配当や残余財産の分配を受ける権利を持つほかに、会社の経営に参画する権利も持ちます。ほとんどの場合、株主の人数は多く簡単には集まることができないので、株主総会は最低年1回開かれ、集中的に重要な意思決定を行います。株主総会を開くべき時期は基準日から3か月以内とされており、基準日は事業年度末とする会社が多いため、多くの会社はいわゆる決算日から3か月以内に開かれます。
日本では3月末決算の会社が多いことが、株主総会が6月下旬に集中する理由です。会計監査人に選任された公認会計士は株主総会で意見陳述を求められることもあるので、株主総会会場の裏手に待機しています。
◆株主総会の決議
その決議方法は多数決によりますが、議決権の過半数の賛成で決まる事項もあれば議題の重要度によって出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要なものもあります。原則的には1株について1議決権が与えられますが、議決権が与えられない代わりに配当や残余財産の分配を優先的に受けることができる優先株式等もあります。
◆少数株主の保護
株主総会の決議は資本多数決といって、1株1議決権に基づき、多く出資している者が多くの議決権を保有して行われますが、支配権を持たない少数株主の権利の保護のためにさまざまな規定が設けられています。
例えば、1株でも所有していれば定款や株主名簿、株主総会議事録、取締役会議事録等が閲覧でき、一定割合以上を保有すると会計帳簿の閲覧や株主総会の招集請求や取締役等の解任請求ができます。少数株主はこのような様さまざまな手段に訴えて、意見が違う場合は支配株主に対抗します。新聞報道等でしばしば目にする「物言う株主」は少数株主権の行使ができる一定数の株式を保有し、これらの手段を用いて支配株主や経営者に働きかけます。