70歳以上の高齢者が負担する医療費の上限を引き上げる内容などを盛り込んだ新たな高額療養費制度が、8月1日にスタートしました。病院で外来診療を受けた際の自己負担が、最大で従来の3割弱増えることになります。来年8月には所得に応じてさらに上限額が引き上げられることも予定され、高所得者の社会保障負担は増すばかりです。
高額療養費制度では、本人の年収に応じて3段階に自己負担の上限を定めていて、年収が約370万円以上あれば「現役並み」とみなされ、最も高い上限額が適用されます。70歳以上の人で、今年の7月までに診察を受けた分に関しては、外来診療1回当たりで4万4400円が上限です。
8月から始まった新たな仕組みでは、70歳以上で年収370万円以上の人について、1カ月当たりの外来診療の自己負担上限額を5万7600円とし、従来から約3割増額しました。また年収156万円以上370万円未満の人についても、従来に比べて2千円引き上げられて1万4千円となりました。
さらに、1年後の8月にも再度の引き上げが予定されています。来年の引き上げ時には、これまで年収370万円以上を一律に扱っていたところを、現役世代と同じ「370万円以上~770万円未満」、「770万円以上~1160万円未満」、「年収1160万円以上」の3段階に分け、上限額についても69歳以下と同額にすることが決まっています。これまで「現役並み」として扱っていたところを、言葉通り「現役」と同じ扱いに改めることになります。
<情報提供:エヌピー通信社> |