人口減少に伴い中小企業における人材確保が喫緊の課題となる中、中小企業における女性活躍が求められています。総務省「就業構造基本調査」に基づいて従業者規模別に雇用者の男女別の構成比をみると、規模の小さい事業者ほど女性の占める割合が高くなっており、女性が中小企業において重要な労働の担い手であることがわかります。また、総務省「労働力調査」に基づいてここ20年の女性の就業率をみると上昇傾向にあります。
「中小企業白書2017年版」では、中小企業における中核人材としての女性の活用状況について取りまとめています。これによると、職業の選択において女性では「勤務地」、「職場環境・人間関係」、「仕事と生活の両立」、「所定勤務時間・日数」、「残業時間」について妥協できないとする割合が高くなっています。その背景としては、女性においては家庭等の事情から時間や場所について相対的に制約があることがあげられます。
こうした女性側のニーズに対し、女性を中核人材として活用している中小企業においては、「職場環境・人間関係への配慮」、「時間外労働の削減・休暇制度の利用促進」、「勤務時間の弾力化」といった女性が重視する働きやすさにつながる職場環境の整備がなされています。
女性も含めた多様な人材の活用に向けては、柔軟な働き方ができる職場環境を整備すること、従業員の理解を進め適切なマネジメントを行うこと、従業員全員がお互いの業務を理解し、分担しあうために社内プロセスの見える化に取り組み標準化を進めることが求められるのです。(つづく)
(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)