では、中小企業はどのような採用に向けた取組みを行っているのでしょうか。そこで、中小企業庁編「中小企業白書2024年版」において、中小企業を対象に実施したアンケートに基づいて、採用に向けた取組みについてみていきましょう。
まずインターンシップの実施状況についてみると、インターンシップを実施したことがある中小企業は3割程度存在していることがわかります。
次にインターンシップを実施したことがある企業がインターンシップの実施で得られた効果について回答割合の高い順にみると、「学生の意見を知ることができた(46.8%)」、「自社に合う人材の採用につながった(29.7%)」となっています。このことからインターンシップの実施は、実際の新卒採用に一定程度の効果があるととともに、すぐに新卒採用につながらなくとも学生の意見を知ることによって、今後の応募や採用につながっていく可能性もあると考えられます。
また、採用面接で自社から伝えている内容についてみると、「給与体系(82.7%)」、「休暇制度・福利厚生(81.6%)」、「期待する専門性・役割(69.6%)」、「自社の強み(67.1%)」などの順となっています。
採用面接の場で伝えている内容と伝え方について、アンケートの選択肢の項目以外で自由回答があったものをテキスト分析した結果をみると、「職場」、「環境」、「(勤務、労働、残業、就業)時間」など、職場環境の状況に関する単語の出現頻度が高くなっています。
さらに職場環境の整備への取組み状況別に、従業員数の変動状況をみると、職場環境の整備に向けた取組みに積極的であるほど、従業員数が「増加」していると回答する割合が高くなっています。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)