そこで今度は、銀行の利上げ要請に対する企業の対応が問われます。自己資金が不足し、他の銀行からも調達できず、どうしてもその銀行から借りなければならない必要性が高ければ、その企業は銀行が提示した金利をそのまま飲むしかありません。一方、自己資金が豊富で、他の銀行からもっと有利な貸出条件の提示を受けていて、いざとなれば当該銀行からの借入金の返済も可能であれば、提示金利の引き下げが可能です。
このように、利上げ交渉を受ける企業側も、もし銀行に対峙する余力を持っているのであれば、銀行選別の機会とすることもできるはずです。自分の企業にふさわしい銀行を見極めようとするとき、以下のような視点がポイントになります。
先述した貸倒れリスクの見方は全行同一ではありません。無論、ベースとなる財務諸表に基づく定量分析は大差ないかもしれません。しかし、企業の将来性、技術力、従業員の勤勉性、経営者の経営能力や信用力といった定性的な見方は各行独自のものがあるはずです。銀行が自分の企業をどのように見ているかということは、銀行選別の重要な判断材料になります。
次に銀行が持つ能力を評価することも必要です。いうまでもなく、低利で貸出金を提供できる能力に加え、財務、税務、事業承継等に関するコンサル能力そして銀行の持つ情報提供力を含めた総合力を評価して銀行を選ぶべきでしょう。
また、これを機会に、これまで銀行有利に設定されていた担保や保証人等についての貸出条件の改訂を求めるといったことも考えてもいいかもしれません。
利上げ交渉は、銀行側の要求をどこまで受け入れるかという受け身の態度に終始するのではなく、自社の成長のために銀行をどのように役立たせるのかということを見直すいい機会だと前向きに捉えることもできるはずです。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)