中小企業において外国人雇用への関心が高まっています。日本政策金融公庫総合研究所は、2016年8~9月に同公庫の融資先に対して実施した「外国人材の活用に関するアンケート(回答企業数3,924社)」に基づき中小企業における外国人労働者の現状を整理しています。
同アンケートによると、外国人を雇用する企業の割合は回答企業全体で13.3%を占めています。業種別にみると「飲食店・宿泊業(25.5%)」、「製造業(24.3%)」の順に高くなっており、従業員規模が大きくなるほど割合が高くなっています。
外国人従業員がいる企業についてその雇用形態をみると、「正社員」として雇用する企業の割合が58.7%と最も高く、以下「非正社員(39.0%)」、「技能実習生(21.0%)」の順となっています。国籍別にみると「中国」が38.0%と最も割合が高く、以下「ベトナム(18.0%)」、「フィリピン(7.7%)」の順となっています。
外国人を雇用する理由をみると、「日本人だけでは人手が足りないから」が28.0%と最も高い割合を占める一方で、「外国人ならではの能力が必要だから」と回答した割合も23.3%あるなど、必ずしも人手不足だけが外国人を雇用する理由ではないことがわかります。さらに外国人を雇用する理由を従業員の雇用形態別にみると、「非正社員」と「技能実習生」についてはどちらも「日本人だけでは人手が足りないから」が4割を超える一方で、「正社員」について「外国人ならではの能力が必要だから」が35.9%と最も割合を占めています。
このように中小企業における外国人雇用においては人手不足への対応だけでなく、外国人ならではの能力を活用しつつ、企業の成長や国際化を支える存在としても重要なのです。(つづく)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)