麦やトウモロコシなどの原材料と原油高に伴う物流コストの上昇を受けて、10月からビールが値上げされることとなりました。アサヒ、キリン、サッポロ、サントリーの大手4社では店頭価格で6~10%ほどの値上げ。ビール以外にも、発泡酒、第三のビール、チューハイ、サワー、ウイスキーなども値上げされることとなっています。
今回の値上げは物流コストの上昇によるものですが、来年10月には酒税の見直しを理由とする価格改定がすでに決まっています。酒税の見直しは2018年税制改正に盛り込まれ、18年、20年、23年、26年の4回にわけてビールや発泡酒、ワイン、日本酒などの税率を見直すという内容。来年10月に3回目が行われる予定です。発泡酒、第3のビール、チューハイ、ワインが値上がりとなり、ビールと日本酒が値下がりします。
もともと舶来の高級品として高い税率がかけられていたビールですが、それでは売れないと考えた酒造メーカーがビールの定義に当てはまらない発泡酒を生み出して安く売り出したのが1990年代のこと。その後、発泡酒も増税され、メーカーがさらに発泡酒にも当てはまらない第3のビールを生み出しましたが、その結果、国内ビールメーカーが国際競争力を失ったことなどを理由に税制の簡素化を求める声が高まり、税率の見直しに至りました。
<情報提供:エヌピー通信社>