確定申告をする人がコロナ禍で密を避けようとした結果、電子申告が急激に普及拡大していることが明らかになりました。コロナ前の2019年からの推移をみると自宅から電子申告をした人は5倍超に増え、スマホ申告は申告環境が整ったこともあって4年で200倍以上に増加しています。
国税庁が公表した2022年分の所得税・贈与税等の確定申告の状況によれば、確定申告をしたのは2295万人で前年から0.4%微増しました。特筆すべきは、e-Taxを利用する人の増加。国税庁によれば、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーや会計ソフトなどで自宅から申告をした人は592万人で、前年から約1.3倍、コロナ禍前の18年からは約5倍に増加しています。かつては税務署などの会場まで行って職員のサポートを受けながら申告をする人が多かったのですが、昨年に両者の割合は逆転し、1年でその差は約2倍にまで拡大しました。
さらにパソコンではなくスマートフォンから申告をする人の増加も著しい状況となっています。22年分にスマホ申告をしたのは249万人で、前年比1.6倍、4年前に比べると200倍以上に増えています。スマホ申告を巡る納税環境は年々向上していて、それに併せてコロナ禍で自宅から申告したいと考える人が増えたことが背景にあるとみられます。
スマホ申告の普及の一因となっているのが、マイナンバー制度。最大2万円分のポイントを還元するキャンペーンもあり、マイナンバーカードの普及率は急増しました。そのマイナンバーカードを使って確定申告をした人は387万人に上り、前年から1.8倍増。マイナンバーカードとスマホを組み合わせて申告した人は179万人で、こちらは前年比2倍、4年前に比べると約30倍に激増しました。また各種控除証明書をマイナポータル経由で取得した人も増え、こちらは132万人と前年比4倍に伸びています。
<情報提供:エヌピー通信社>