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税務トピックス 2024年3月5日

詐欺の被害 税金では救済されず

 毎年、確定申告の時期に増えるのが、税務署員を装って現金自動預払機(ATM)に現金を振り込ませる「振り込め詐欺」です。言うまでもなく、国税局や税務署が金融機関の口座を指定した上で税金の振り込みや還付金の支払いのためにATMの操作を求めることは絶対にありません。

 また電話だけでなくメールによる詐欺も増えているほか、振り込め詐欺の手口は複数人がそれぞれ税務署、警察、金融機関を装うなど巧妙さを増していて、見抜くのがますます難しくなっているそうです。「自分だけは大丈夫」などと自信を持たず、何事も疑ってかかる心構えが求められていると言えます。

 覚えておきたい知識として、本物の税務職員が税務調査や滞納整理を行う時には、必ず顔写真のある身分証明書を携帯しているということがあります。少しでも怪しいと思ったときには身分証明書の提示や、税務署への直接問い合わせによる確認をすべき。仮に本当に税務署からの連絡であったとしても、一度「顧問税理士に相談して折り返し連絡します」と答える習慣をつけておくことも、詐欺被害の防止には役立つはずです。

 もちろん振り込め詐欺の手口は税務署を名乗るものだけではありません。過去にあった事例では、長男を名乗る電話で「確定申告があって税務署に3千万円払わなければいけない」、「頭金が今日中に必要」などと伝えられた女性が、自宅まできた男に現金150万円を渡してしまったそうです。

 詐欺ばかりは、いかに税理士が有能であろうとも、納税者本人が気を付けていなければ防ぐことはできません。また詐欺の被害は盗難などと異なり、雑損控除などの税の救済手段も適用されないことにも注意が必要です。詐欺に引っ掛かったのは本人のミスだからという容赦のない理由です。

<情報提供:エヌピー通信社>

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