相続などをきっかけに誰も住まなくなったまま放置された空き家が、全国で増え続けています。総務省の調査によれば、2023年の国内の住宅総数に占める空き家の割合は13.8%で、7.3戸に1戸が空き家でした。こうした状況を問題視した国は昨年4月、不要な相続土地を国に引き渡せる制度を設けています。
総務省は5年ごとに行われる「住宅・土地統計調査」の最新結果(23年版)を公表しました。それによれば全国にある空き家の数は約900万戸に上り、前回調査からの5年間で約50万戸増加。30年前と比べると2倍に増えている計算です。
日本の総住宅戸数は約6502万戸で、空き家率は13.8%でした。空き家率は30年前には9.8%でしたが、20年前は12.2%、10年前には13.5%と、徐々にですが増加していて、5年ごとの調査のたびに過去最高を更新し続けています。
空き家のうち、賃貸用や売却用、別荘などに該当せず、使用目的のない物件は前回からおよそ37万戸増えて約385万戸。空き家全体に占める割合は42.8%となっています。同省統計局は、「単身高齢者世帯の増加に伴い、亡くなったり施設に移ったりして空き家になるケースが増えている」とみています。
都道府県別にみると空き家率が最も高かったのは和歌山県と徳島県(21.2%)。次いで山梨県(20.5%)。鹿児島県(20.4%)、高知県(20.3%)がこれに続きました。
空き家を減らすために国は昨年4月、不要な相続土地を一定の条件下で国に引き渡せる「相続土地国庫帰属制度」をスタート。法務省によれば、同制度が始まってからの約1年間で1905件の利用申請があり、248件が今年3月末までに国に引き取られています。
<情報提供:エヌピー通信社>