国税庁はこのほど、2023年度の租税滞納状況を発表しました。滞納発生割合は全体のわずか1%で、国税の99%が期限内に納付されています。新規発生滞納額は約8千億円でピーク時(92年度)のほぼ4割にまで減少。滞納残高は前年度比3.7%増の9276億円で4年連続の増加となりました。
23年度の徴収決定済額(申告などにより課税されたものの額)は79兆6531億円で、これに占める新規発生滞納額の割合、いわゆる「滞納発生割合」はわずか1%にとどまりました。滞納発生割合は14年度以降、1%前後の低い水準で推移しており、国税の99%が期限内に納付されています。
23年度の新規発生滞納額は前年度比11.1%増の7997億円で、89年度以降で最も少なかった13年度の5477億円と比べると10年間で約1.5倍に増えているものの、ピークだった92年度の1兆8903億円と比較すれば約4割にまで減少しました。
22年度から繰り越した滞納残高は8949億円、23年度中の整理済額は前年度比8%増の7670億円で、年度末時点での滞納残高は同3.7%増の9276億円となりました。滞納残高は、98年度の2兆8149億円をピークに減少を続け、19年度には7554億円にまで減りました。しかし、翌20年度には22年ぶりに増加へと転じ、23年度まで4年連続で増え続けています。
税目別の滞納残高は、所得税が前年度比4.3%増の3815億円、相続税が同6.1%増の560億円、消費税が5%増の3580億円と、軒並み増加傾向を示す一方で、法人税は同2.7%減の1233億円となりました。他の税目では整理済額が新規発生滞納額を下回り、滞納残高を積み増す結果となりましたが、法人税の徴収・納付は順調に進み滞納残高を減らしています。
<情報提供:エヌピー通信社>