中小企業は、物価高騰・人手不足など様々な課題に直面していますが、経営資源の制約がある中で、中小企業が単独でこれらの課題に対応していくことは難しい可能性があります。そこで中小企業の経営課題解決を支援してきた支援機関の役割が、今後も引き続き重要となると考えられます。
中小企業庁編「中小企業白書2024年版」では、中小企業支援機関を対象としたアンケート及び事業者を対象としたアンケート調査に基づいて支援機関の現状と課題について分析しています。
まず、支援機関が最も力を入れている支援対象事業者の従業員規模についてみると、支援機関全体では、約6割が「5人以下」と回答しており、比較的規模が小さい企業を中心に支援を行っていることがわかります。
次に支援機関の顧客・会員の属する主な地域についてみると、支援機関全体では約6割が「同一市区町村」と回答しており、地域に根ざして中小企業を支援している支援機関が多いことがわかります。
さらに、小規模事業者における支援機関の活用状況についてみると、支援機関を「頻繁に活用している」、「ある程度活用している」と回答した事業者は、合計で8割以上となっています。次に支援機関の活用状況別に、事業者の年間売上高及び営業利益の見通しについてみると、支援機関を「活用している」事業者は、「活用していない」事業者よりも、年間売上高の見通しが「大幅に増加」または「増加」すると回答した割合が高い傾向にあるとともに、営業利益の見通しが「黒字」になる割合が高い傾向にあることがわかります。
このように、支援機関を活用することの効果が、支援対象事業者の業績面に現れている可能性が示唆されているのです。(つづく)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)