では、中小企業を支える支援機関の課題にはどのようなものがあるのでしょうか。そこで、中小企業庁編「中小企業白書2024年版」において、中小企業支援機関を対象として実施したアンケート調査の結果に沿って、中小企業支援機関が抱える課題についてみていきましょう。
支援機関が事業者に対して支援を行う際の課題について回答割合の高い順にみると、「支援人員の不足(61.9%)」、「支援ノウハウ・知見の不足(56.6%)」を課題として挙げる割合が高くなっています。
次に、事業者が抱える経営課題全般に対する支援(相談)を行う相談員の過不足状況についてみると、支援機関全体としては、半数以上の59.0%が「不足」と回答しています。支援機関属性別に「不足」と回答する割合の高い順にみると、「金融機関(81.1%)」、「商工会・商工会議所(62.3%)」、「税・法務関係士業(57.5%)」の順となっており、「不足」と回答する割合が高くなっており、これらの支援機関において特に人手不足が実感されている様子がうかがえます。
さらに支援機関に対して、2019年と比較した相談内容のジャンルの変化に対する認識について確認したところ、支援機関全体としては、「相談内容のジャンルが広がった」と回答する割合が8割を超えており、事業者から支援機関に寄せられる相談内容が多様化していると感じる支援機関が多い様子がうかがえます。
このように、支援機関は人手不足や支援ノウハウの不足といった課題を抱えており、相談員が不足する傾向にある一方で、事業者から寄せられる相談内容のジャンルが広がる状況がうかがえるのです。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)