国税庁はこのほど、「消費税還付申告に関する国税当局の対応について」と題した文書をホームページに掲載しました。消費税還付申告には不正請求や誤りが多いとして、還付金の支払いの保留や証拠書類の提出依頼、さらには税務調査に発展する可能性があることを納税者に伝える内容となっています。
文書では、「消費税の仕組みを悪用し、実際に取引をしたように見せかけるなど、虚偽の内容で申告書を提出して、消費税の還付を不正に受けようとする事案も発生しています」などと報告。課税取引・非課税取引の区分や、固定資産の取得時期などで誤りが多いことも問題視しています。
そのうえで「各種情報に照らして必要があると認められる場合は、還付金の支払いをいったん保留」するとして、還付が遅れる可能性を明示しました。また、還付申告の原因を確認するため、行政指導で証拠書類の提出を依頼することもあるとしています。
例えば、還付申告の主な原因が輸出免税である場合には輸出許可通知書やインボイスなどの写し、設備投資である場合には契約書や請求書等の写しなど、取引実態の確認できる資料を求めるケースがあるとしています。さらに、「税務調査を実施する場合もあります」と記しました。
還付金の支払いの保留に関しては、相手方と連絡が取れないことなどにより取引実態の確認が困難である場合や、金銭授受の事実確認が困難である場合、さらに輸出などに関する証拠書類が適切に保管されていない場合などには、保留期間が長期にわたる可能性があるとしています。
<情報提供:エヌピー通信社>