国税庁はこのほど、2024年度の租税滞納状況を発表しました。新規発生滞納額は9925億円で、1兆円の大台を目前とした水準にまで増加しています。金額としては前年度比1928億円(24.1%)増加。滞納発生割合は全体の1.2%で、国税のほぼ99%が期限内に納付されています。整理済額は9488億円で、前年度比1818億円(23.7%)増加。滞納残高は前年度比4.7%増の9714億円で5年連続の増加となりました。
24年度の徴収決定済額(申告などにより課税されたものの額)は81兆1544億円で、これに占める新規発生滞納額の割合、いわゆる「滞納発生割合」はわずか1.2%に止まりました。滞納発生割合は14年度以降、1%前後の低い水準で推移しており、国税のほぼ99%が期限内に納付されています。
24年度の新規発生滞納額は前年度比24.1%増の9925億円で、89年度以降最も少なかった13年度の5477億円と比べると11年間で約1.8倍に増えているものの、ピークだった92年度の1兆8903億円と比較すれば約5割にまで減少しました。
23年度から繰り越した滞納残高は9276億円、24年度中の整理済額は前年度比23.7%増の9714億円で、年度末時点での滞納残高は同4.7%増の9714億円となりました。滞納残高は、98年度の2兆8149億円をピークに減少を続け、19年度には7554億円にまで減っています。しかし、翌20年度には22年ぶりに増加へと転じ、24年度まで5年連続で増え続けています。
税目別の滞納残高は、所得税が前年度比0.6%増の3837億円、法人税が同6.8%増の1318億円、消費税が同10.5%増の3956億円と、軒並み増加傾向を示す一方で、相続税は同10.8%減となっています。他の税目では整理済額が新規発生滞納額を下回り、滞納残高を積み増す結果となりましたが、相続税の徴収・納付は順調に進み滞納残高を減らしました。
<情報提供:エヌピー通信社>