中国税理士会調査研究部はこのほど、会員税理士を対象に実施した税務調査に関するアンケートの結果を公表しました。それによると、実地調査が1日で終わったと回答した割合は全体の10.4%にとどまっています。その一方で、10日以上の長期間におよんだ割合は12.5%に上りました。アンケートは「法人税」「所得税」「資産税」の3税目についての調査を対象に集計したもの。
全体のうち、実地調査が1日で終わった割合は10.4%、2~3日は41.9%、4~5日は24.5%、6~9日は10.7%、10日以上は12.5%でした。それぞれの割合を合算すると、全体の7割弱は「2~5日」で調査が終了しており、8割弱が「2~9日」で終了、9割弱が「10日未満」で終了している計算となります。しかし、1日で終わる割合よりも、10日以上かかる割合が上回っており、全体的にみても税務調査が長引くケースが増えているといえます。
税目別では資産税の実地調査が比較的短く、1日が35.0%、2~3日が40.4%などとなっています。その一方で、法人税の実地調査は長期化しやすい傾向にあり、1日で済んだケースはわずか4.1%。6~9日が12.3%、10日以上が14.6%となっています。
全調査に占める申告是認割合は28.6%でしたが、事前通知なしの調査だけに絞ると是認率は19.0%にとどまります。重加算税の適用割合は全調査のうち17.1%で、修正申告があった納税者を対象とした適用割合は23.8%。重加算税を適用された税務調査のうち6.2%で税理士が「不満」を持っていたそうです。
3税目全体の調査件数は2072件。このうち、納税者本人ではなく取引先などの関係者を対象とした「反面調査」が行われたケースは252件でした。税務調査に対する税理士の主な意見では、「調査期間が長い」(326件)、「調査官の資質」(203件)、「資料の収集(電子データ含む)」(51件)、「反面調査」(48件)、「確定申告期間中の調査」(43件)などが問題点として挙がったほか、「修正申告の勧奨」(22件)、「税理士を誹謗中傷、軽視」(11件)などを指摘する声もありました。
<情報提供:エヌピー通信社>