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税務トピックス 2022月08月16日

続く東京国税局の不祥事

 不祥事続きの東京国税局で、またもや職員の不正が明らかになりました。職員が業務でつながりを得たルートを通して日本酒を転売し、個人的に利益を得ていたそうです。東京局では最近になって給付金の不正受給をはじめとする不祥事が続いて発覚し、トップが異例の厳重注意を受けたばかりでした。

 一部報道によれば、今回減給の懲戒処分を受けたのは、都内の税務署に勤務する60歳の特別国税調査官。2012年以降、業務で関わりのあった酒販協同組合から日本酒を小売価格より安く手に入れ、同僚などに転売して約13万円の利益を得ていたとのことです。さらに勤務場所に近い実家から通勤することで交通費をごまかし、約30万円の通勤手当を不正に受給していたことも分かりました。職員はすでに辞職しています。

 東京国税局では6月、横浜市の鶴見税務署の職員が新型コロナの国の持続化給付金をだまし取ったグループの1人として逮捕・起訴されました。また税務相談室の職員が妻の顔をなぐって大けがをさせた疑いなどで逮捕され、JRの車内で痴漢をした疑いで千葉市の千葉東税務署の職員も逮捕されています。

 これらの続発する不祥事を受け、日本酒の転売が発覚する前の6月下旬には、局長が厳重注意の処分を受けています。同局は「綱紀の厳正な維持を徹底する」とのコメントを発表していました。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2022月08月16日

《コラム》令和4年10月改正 キャリアアップ助成金

◆正社員化コースに大きな変更点があります
 この助成金は9年前に創設された助成金です。今まで正社員化コースを申請していた企業が昨年までと同様に支給申請しても審査で通らず、不支給となる事態が発生しそうです。十分ご注意ください。

◆令和4年10月1日以降の転換に適用
①大きな変更点は、転換対象となる正社員の条件が厳しくなります。
・現行……同一の事業所内の正社員に適用される就業規則が適用されている社員
・改正後……上記社員のうち「賞与又は退職金の制度」かつ昇給が適用されている社員
 今までは、正社員に転換した後の労働条件通知書で「賞与」「昇給」が「有」となっていなくても助成金は支給されていました。
 しかし令和4年10月1日以降に転換される正社員については「賞与又は退職金」かつ「昇給」が労働条件通知書で「有」になっていないと助成金は支給されません。就業規則にもいつ支給するのか明示されている必要があります。
 「賞与」と「退職金」の両方ない会社が「退職金を新設するのは資金繰り上難しいと思われますので、「賞与」「昇給」の組み合わせを選択される企業が多いと予想されます。

②非正規雇用社員の定義が変更されます。
・現行……6か月以上雇用している有期又は無期雇用社員
・改正後……賃金の額又は計算方法が「正社員と異なる雇用区分の就業規則」の適用を6か月以上受けて雇用している有期又は無期雇用社員
 今までは非正規社員の定義があいまいであったので、転換前6か月の有期雇用社員又は無期雇用社員の間に「正社員とは異なる雇用区分」の就業規則等が適用されていることが転換の条件になりました。したがって令和4年10月1日以降に正社員に転換する場合、令和4年4月1日から「正社員と異なる雇用区分の就業規則」の適用を受けている必要があります。ここを正社員と同じ雇用区分の就業規則を適用すると不支給になる可能性があります。対策として正社員用と別に非正規社員用の就業規則を作成しそれが正社員とは異なる雇用区分であるとしておくことです。もちろん2つに分けるだけでなく両者の違いが判る賃金体系にする等の変更が必要になります。

税務トピックス 2022月08月9日

(前編)死亡後3年以内に支給が確定した退職金は相続税の課税対象

被相続人の死亡によって、被相続人に支給されるべきだった退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与を受け取る場合で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続財産とみなされて相続税の課税対象となります。
 退職手当金等とは、受け取る名目にかかわらず実質的に被相続人の退職手当金等として支給される金品をいい、現物で支給された場合も含まれますのでご注意ください。

 死亡後3年以内に支給が確定したものとは、死亡退職で支給される金額が被相続人の死亡後3年以内に確定したものや、生前に退職していて、支給される金額が被相続人の死亡後3年以内に確定したものをいいます。
 相続人が受け取った退職手当金等はその全額が相続税の対象となるわけではなく、全ての相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれない)が取得した退職手当金等を合計した額が、非課税限度額以下の場合は課税されません。
 非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」により計算した額となります。
 法定相続人の数とは、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。

(後編へつづく)

(注意)
上記の記載内容は、令和4年7月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

税務トピックス 2022月08月9日

(後編)死亡後3年以内に支給が確定した退職金は相続税の課税対象

(前編からのつづき)

 法定相続人の中に養子がいる場合の法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までとなり、相続人以外の人が取得した退職手当金等には、非課税の適用はありません。
 全ての相続人が受け取った退職手当金等を合計した額が、非課税限度額を超えるときの超える部分の金額及び相続人以外の者が受け取った退職手当金等の金額が相続税の課税対象になります。

 相続人が受け取った退職手当金等のうち課税される退職手当金等の金額について、具体的な算式は、「その相続人が受け取った退職手当金等の額-(非課税限度額)×その相続人が受け取った退職手当金等の金額/全ての相続人が受け取った退職手当金等の合計額」となります。
 なお、死亡退職金は勤務先企業から源泉徴収されません。

 その理由は、通常の退職金の場合は従業員本人に直接支払いがされますので、所得税が課税されますが、死亡退職金は勤務していた人の遺族に対して支払われますので、相続税の課税対象となるためです。

(注意)
 上記の記載内容は、令和4年7月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

税務トピックス 2022月08月2日

税金の不服、認められるのは1割

国税の課税処分に対して異議を申し立てる手段である再調査請求、審査請求、国税訴訟について、納税者の訴えが各手続きによって一部でも認められた割合は1割強にとどまることが分かりました。一度決まった課税処分を覆すのは極めて困難であることが改めて示されたかたちです。

 税務署や国税局による処分になんらかの不満がある時、納税者はまず処分を行った税務署や国税局に対して「再調査の請求」を行い、結果に不服があれば第二段階の「国税不服審判所への審査請求」に進むという選択肢があります。または、税務署などへの再調査請求を飛ばして、直接審判所に審査請求を行うことも可能です。

 審判所でも処分が覆らなかった時に納税者が最後に取れる手段が、裁判所へ訴えを起こす「訴訟」です。裁判の結果、これまで通例として行われていた課税処分が不適当であると判示されることもあり、判決が全国の税務行政に大きな影響を与えます。

 国税庁がこのほど公表した最新のデータによれば、2021年度に再調査請求は1119件発生しました。一方、前年度分に発生した分も含めた再調査請求の処理件数は1198件で、そのうち、納税者の主張が認められたのは83件、割合にして6.9%にとどまりました。この割合はここ4年ほど10%台前半で推移していましたが、5年ぶりに1桁台に落ち込んでいます。

 次に国税不服審判所への審査請求は、21年度に2458件発生し、2282件が処理されました。16年の制度改正で、再調査請求を経ない審判所への申し立て件数は急増しましたが、そこから徐々にまた減少傾向にあります。そのうち納税者の主張が認められたのは297件で、割合は13.0%でした。他の再調査請求、国税訴訟よりはやや高い数字ともいえますが、認容割合は毎年10%前後で推移していることから考えても、個々のケースの積み上げにより今年はすこし上振れしただけと考えるべきかもしれません。

 最後に、納税者が当局の処分に異議を唱える最終段階である国税訴訟は、21年度に187件発生しています。一方、終結した訴訟は199件で、そのうち納税者の一部勝訴が6件、全面勝訴が7件ありました。両者を足しても、司法の場で納税者の主張が認められたのは6.5%にとどまっています。

<情報提供:エヌピー通信社>

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