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コラム 2018月04月3日

ダイレクト納付とは

 ダイレクト納付とは、事前に税務署に届出をしておけば、e-Taxを利用して電子申告・徴収高計算書データの送信又は納付情報登録依頼をした後に、届出をした預貯金口座からの振替で、即時又は指定期日に納付できる便利な電子納税の納付手段をいいます。

 これまでのダイレクト納付は、一つの預貯金口座しか登録できませんでしたが、すでに2018年1月4日から、預貯金口座ごとにダイレクト納付利用届出書を提出することで、ダイレクト納付の際に、利用する預貯金口座を選択することができるようになりました。
 徴収高計算書データの送信に電子証明書やICカードリーダライタは不要で、ダイレクト納付も電子証明書などは不要となります。

 これにより、例えば、法人税がA銀行、源泉所得税がB銀行など、税金の種類別に異なる預貯金口座を使用したダイレクト納付が利用できるようになります。
 同一金融機関における複数の預貯金口座で使い分けることも可能ですが、複数の口座利用不可の金融機関もあるようですのでご注意ください。
 
また、すでにダイレクト納付を利用しているケースでは、これまで利用している預貯金口座を継続して利用できますので、新たに利用しようとする預貯金口座を記載したダイレクト納付利用届出書を事前に税務署に提出する必要があります。

 電子納税については、ダイレクト納付のほか、ペイジーに対応した金融機関を利用すれば、インターネットバンキングやモバイルバイキング、またはATMを利用して電子納税ができます。
 こちらもダイレクト納付同様、電子証明書等は不要です。
 インターネットバンキング等による電子納税が利用可能な金融機関については、国税庁HPにてご確認ください。
 なお、電子納税は、国税(内国税)に関する全ての税目を対象としておりますので、中間申告(予定申告)や予定納税についても利用可能です。

 また、本税に加えて、附帯税(加算税、延滞税など)にも電子納税ができますが、特定納税専用手続きを選択した場合は、申告所得税、法人税、地方法人税、消費税及び地方消費税、申告所得税及び復興特別所得税、復興特別法人税のみの電子納税が可能となりますので、あわせてご確認ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年1月19日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

コラム 2018月04月3日

《コラム》同一労働・同一賃金とは

◆同一労働・同一賃金ガイドライン案
 労働契約法第20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)に「同一の使用者と労働契約を締結している、有期雇用労働者と無期雇用労働者との間で期間の定めがあることにより不合理に労働条件を相違させることを禁止する」とされています。最近耳にするこの事項は同じ条件で働く有期と無期の労働者の処遇について示されています。その中で労働条件が不合理かどうかとは次のようなことを言っています。
①職務内容の仕事と担っている責任度合い
②人材活用の仕組み 
転勤の有無、範囲、職務変更の有無、範囲、将来に向かってのキャリアの範囲
 また、通勤手当、食堂の利用、安全管理等についての労働条件を相違させる事は特段の理由がない限り合理的とは認められないとしています。

◆労使で勤務体系を考える論議望まれる
 同一労働・同一賃金のガイドライン案は正規か非正規かと言う雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し両者の不合理な待遇差の解消を目指そうとするものです。これを解消するには各企業において職務や能力と賃金の処遇体系全体を話し合い、確認する事が肝要としています。

◆待遇差で問題となる例
①基本給について
・無期雇用フルタイム労働者Aは有期雇用労働者Bより多くの職務経験を有する事を理由としてAにより多くの賃金を支給しているがAの職業体験は現在の業務と無関係
・基本給の一部を業績・成果で支給していて、無期雇用者が販売目標を達成した場合支給しているが、パート労働者が無期フルタイム労働者の販売目標に達しない場合には支給していない(労働時間が少ない)
・勤続年数に応じて支給しているが有期フルタイム労働者には通算の勤続年数は考慮していない
②賞与について
・会社業績の貢献度に応じた支給をしている会社が無期フルタイム労働者には職務内容・貢献度にかかわらず全員支給しているが有期雇用労働者やパートには支給しない
 これからは正社員だから、有期雇用者だからと言った理由だけで不合理な制度では労働者は不満を感じてしまうかもしれません。

コラム 2018月03月27日

【時事解説】仮想通貨による資金調達と可能性

最近、ビットコインなどの仮想通貨に注目が集まっています。昨年末、仮想通貨の価格が暴騰し、億単位の利益を得た投資家が続出しました。そのため、投機的な商品として話題になっています。
 実のところ、仮想通貨は投資だけでなく、企業の資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)の手段としても活用が進んでいます。ICOとは、どのようにして資金を集める方法なのでしょうか。
 資金調達といえば、IPO(新規公開株、株式上場)が手段の一つとしてよく知られています。ICOの仕組みはIPOと共通点が多くあります。IPOの場合、企業は株式を発行し、投資家に株式を買ってもらい資金を集めます。ICOは株式の代わりに、トークンとよばれるデジタル権利書を発行します。企業は投資家に事業内容などを説明し、賛同する投資家はトークンの代金として仮想通貨を払い込みます。資金として、現金ではなく、仮想通貨を払い込んでもらうところに特徴があります。

 ICOは、米国では盛んに行われています。日本では端緒についたばかりですが、すでに109億円を調達した企業も出ています。なにより、ICOのメリットは、IPOと比べて審査が簡便なので、手軽に実施できる点にあります。IPOよりも早く資金を調達できることが魅力です。
 投資家のメリットはトークンが仮想通貨の取引所に上場されれば、新たな仮想通貨として取引できます。加えて、トークンは株式と同じように売買時の価格(株式でいえば株価のようなもの)がつきますが、価格が上昇すれば、株式と同じように、売却による差益を得ることができます。

 とはいえ、リスクも多くあります。投資先のプロジェクトが失敗すれば、株式と同じように投資家は損失を被ります。しかも、株式と違い、議決権がないので、投資対象の企業が破綻しても、残余財産を受け取ることができません。

 もう一つの懸念は、仮想通貨の価格が安定しないことです。仮想通貨は多数の種類がありますが、もっとも有名なビットコインは、昨年12月に約240万円程度の価格をつけました。しかし、2018年1月、価格が大幅に下がり、100万円を割れたこともあります。企業は仮想通貨で資金を集めても、仮想通貨の価値が下がると、せっかく集めたお金の価値が下がってしまいます。
 また法が整っていないため、詐欺まがいの案件が生じていることもあげられます。
 このほか、大きな懸念は、中国や韓国など、ICOによる資金調達を禁止する国が出ていることです。その一方で、スイスなど、規制を緩めICOを容認する国もあります。また、米国やカナダなど、ICOについて育成の姿勢をみせる国もあります。日本は禁止の姿勢はみせておらず、法整備を進めている段階にあります。リスクは多いもののメリットも多いICO。今後に注目です。(了)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)

コラム 2018月03月27日

《コラム》無期転換申込権発生に備えての対応

◆無期転換申込権とは
 今年の4月より無期転換制度が始まります。この法は従前には無かった新しい制度であり企業に有期雇用労働者がいる場合、必要な手続を行う事が求められます。
 無期雇用転換制度とは労働契約法第18条(有期労働契約者の期間の定めのない労働契約への転換)に規定されています。
 「同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間が5年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了するまでの間に、当該満了日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の申込みをしたときは、使用者は申込みを承諾したものとみなす」と言うものです。つまり同一事業主の下、有期労働契約を更新していて5年を超えた時、本人が無期転換申し込みをしたら定年・再雇用までの継続勤務として扱うと言う事です。

◆目前に迫る開始期日と対応
 対象労働者は平成25年4月1日以降に有期雇用契約をし更新した方が、平成30年の4月1日以降通算5年を経過すると、無期転換申込権が発生、その日以降いつでも、申し込みができる状態になる訳です。
 具体的な対応としては、
(1)平成25年4月1日以降に有期雇用契約をした対象者に対し転換時期(通算5年を超えた日)を知らせる必要があります。
 その際、就労実態を調べ社内の仕事を整理区分し任せる仕事を考えます。また、無期雇用とは必ずしも正社員と同一労働条件を指すものではないので、今までと同じ待遇と言う場合もあるでしょう。
(2)無期転換雇用者就業規則の定めをする
(3)高年齢者や再雇用者の対応  
 有期特措法の適用で定年後の継続雇用の方の無期雇用の適用除外認定手続きを取る。

◆今後の会社の方針を検討する
 有期雇用労働者を5年以上続けて雇い入れている企業は、今後どのような方法を採るかを考える必要があります。
(1)正社員や多様な正社員への登用
(2)雇い入れ期間設定(通算5年未満)や勤務評価の上限設定。但し申込権発生直前の雇止めは慎重さが必要です。
(3)申し込みがあれば無期雇用にはするが労働条件は変えない
……等があります。

コラム 2018月03月20日

《コラム》個人情報の利用目的の変更

◆すべての事業者が個人情報保護法の対象に
 平成27年9月3日に成立した改正個人情報保護法が、平成29年5月30日から全面的に施行され、すべての事業者が個人情報取扱事業者として同法の適用を受けることになりました。
 個人情報取扱事業者は、個人情報の利用目的を特定したうえで、個人情報を取得した際に、これを公表または本人に通知しなければならないとされています。
 しかし、本人に通知していた利用目的に漏れがあったり、事業の拡大により利用目的の追加が生じることも考えられます。その場合はどのように対応すればよいのでしょうか。

◆利用目的の変更が認められる範囲
 まず、一旦通知した個人情報の利用目的を一方的に事業者が変更できるとすれば、事前に利用目的を通知しなければならないとした趣旨を没却することになります。そこで、原則として、本人の同意がなければ利用目的を変更することはできません。本人の同意を得る手続は、事業者にとって非常に負担の大きいものとなります。
 もっとも、例外的に、「変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲」については、変更後の利用目的を本人に対して通知するか、公表することにより、個人情報を利用することができるとされています。
 例えば、フィットネス事業者における「顧客の食事メニューの指導」と「当該食事メニューに関する食品販売」という利用目的は、関連性を有するものとして認められると考えられています。

◆目的外利用に対する制裁とは
 では、本人の同意を得ずに利用目的を変更した場合など、本人に通知していた目的の範囲外で個人情報を利用した場合はどうなるのでしょうか。 
 個人情報保護法では、法令に基づく場合(例:裁判官の令状による場合)など目的外利用が認められる例外事項が列挙されています。しかし、これらに該当しない場合には同法違反の行為となりますので、個人情報保護委員会という組織より、指導・助言、勧告・命令などを受ける可能性があります。また、これらの監督に従わなかった場合には、罰則が設けられています。

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