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コラム 2018月03月20日

《コラム》健康保険の被扶養者が収入増で外れるとき

◆健康保険の被扶養者とは
 健康保険の扶養家族となる被扶養者とは被保険者の収入により生計を維持している人を言い、被扶養者の直系尊属、配偶者(事実婚を含む)、子、孫、弟妹、兄姉、および被保険者と同居している三親等以内の親族や事実婚の配偶者の父母、子も対象です。
 生計を維持しているとは被保険者の収入により生活していることで、その基準としては年間収入が130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)である事です。

◆配偶者控除の改正でどうなる?
 所得税法の改正で平成30年分の所得から配偶者控除が引き上げられることになりました。これにより給与所得だけの配偶者の場合、従来は収入が「103万円」まで配偶者控除が適用されていましたが「150万円」まで拡大されます。
 健康保険の被扶養者でパートで働く配偶者は税制メリットを受けるので働く時間を増やして収入を増やそうと考える場合もあるでしょう。しかし健康保険上の被扶養者の収入要件の変更はないので、年収が130万円未満でないと被扶養者でなくなってしまいます。勤務する会社の健康保険・厚生年金保険に加入するか、自ら国民健保や国民年金に加入することになります。

◆健保の被扶養者を外れる時
 収入が増えて被扶養者でなくなる時期はいつの時点なのでしょうか。税法上の配偶者控除対象者は1月から12月の1年間の所得を見ますが、健康保険の被扶養者の認定は今後1年間の収入額の見込み額で判断します。したがってパートやアルバイトの給与収入だけであれば過去1年分の給与の合計が130万円以上となった時点で被扶養者から外れるのではなく、これから1年間で130万円以上が見込まれるようになった時点で被扶養者でなくなります。この場合の給与収入には通勤手当も含まれます。
 具体的には目安ではありますが1か月の収入が108,333円(130万円÷12か月)を常に超していれば、超えることがはっきりした時点で外す手続きをとることになります。
 雇用契約の変更による勤務日数や時間の増加で130万円を超えると見込まれたときは、その契約開始日が被扶養者でなくなる日となります。

お知らせ 2018月03月13日

《コラム》財産調査と納税通知書

◆相続と財産調査
 誰かが亡くなり相続が発生したときや遺言を作成するときなど、「相続」を考える際には財産の調査をしなければなりません。預貯金や不動産、株、保険など財産はさまざまですが、今回は不動産の調査方法について考えます。

◆不動産の財産調査方法
 どのような不動産を持っていたのかを調べる際は、たとえば次のような資料が参考になります。
①固定資産税の納税通知書(課税明細書)
②登記済証(権利証)・登記識別情報
③名寄帳
 このうち、①②は自宅にあるもの、③は市区町村役場で取れるものです。多くの場合、不動産には固定資産税がかかりますので、毎年市区町村役場から送付される①固定資産税の納税通知書は比較的目にすることが多く、不動産を特定する足掛かりになります。

◆納税通知書の注意点
 ここで注意したいのが、この納税通知書に載るのはあくまで「課税されている不動産」だけであるということです。認識している不動産が自宅の土地と建物しかない場合、納税通知書だけを確認すればよいと考えがちですが、そうすると課税対象ではない道路などを見落としてしまうことがあります。せっかく遺言で相続の準備をしたり、遺産分割を取りまとめて協議書を作成しても、一部の非課税不動産を見落として作成してしまうと、相続紛争の原因になったり、相続した不動産を売却するのが難しくなったりすることもあるため、注意が必要です。

◆財産調査は慎重に
 ②はいわゆる不動産の権利証のことですが、これも紛失している場合には不動産を特定することができません。そこで登場するのが③の名寄帳(なよせちょう)です。これは、市区町村役場にある所有者ごとの不動産を、非課税不動産も含めて一覧にしたもので、自治体により「資産明細」「課税台帳の写し」など呼び方はさまざまです。現在の住所地や過去住んでいた場所、本籍地など、可能性のある市区町村役場で名寄帳を取ることで、所有していた不動産を確認することができます。少し手間ではありますが、財産の調査は慎重に行うことが肝要です。

お知らせ 2018月03月13日

《コラム》AI革命と雇用

昨年ころから実用化され始めたAI(人工知能)技術は、ブームとなっていきそうな勢いです。日増しに報道や出版物も増えていますが、AIが発達すると雇用との関係は今後どうなっていくのでしょうか。

◆労働者の半数が機械に仕事を奪われる?
 2016年に発行されたリクルートワークス研究所の機関誌「Works」No.137に「同僚は、人工知能」というAIと雇用についての記事が掲載され話題を呼びました。それによると日本では今後、労働人口の49%がAIやロボットにより代替される可能性が高いと言っています。労働者の半数が仕事を失うとなるとは驚きです。そのような未来が来るとすると企業では何が起こるのでしょうか。

◆仕事が減ったら配置転換で乗り越えてきた
 日本の労働の歴史では1980年代のME革命や1990年代のIT革命の際も業務が一新され、従前の雇用は大量に失われました。しかしMEやITに従事する新たな雇用が創出されたので日本型終身雇用に守られた労働者の再配置(社内配転等)がなされ、大量の失業者が発生する結果にはならなかったという事です。
 但しAI、ロボット技術との違いは、
①技術の発達速度の速さ
②雇用創出にはそれほどつながらない
等が言われており、懸念されています。

◆今後の時代に備えた雇用を考える
 労働法が現在の内容である限り企業はたとえAIによって自社の職務が削減されても社員の雇用を守るための努力は必要になるでしょう。それなしには整理解雇が有効になることはないかもしれません。
 もちろんAIが導入されても絶対雇用維持しなければならないと言う事にはならないでしょう。ここはAIと共存する為の知恵や工夫が必要となってくるのでしょう。
 前述の「Works」No.137でも生産性向上等、新しい働き方の提案がなされています。
 来るべき時代を意識しておく必要があると言う事でしょう。

お知らせ 2018月03月6日

大阪市の固定資産税規定に違法認定

提供:エヌピー通信社

 大阪市が独自に定める固定資産税の計算ルールを巡り、大阪地裁は計算方法の一部を違法と認定し、取りすぎていた税額を返還するよう命じる判決を下しました。同じルールに沿って税額を計算された建物は市内に無数にあるとみられ、今後同様の返還請求が多く起こされることも予想されます。

 大阪市を訴えていたのは、市内に賃貸マンションを所有する納税者2人。それぞれ1999年からの16年分、94年からの21年分の固定資産税額が過大徴収に当たるとして、返還を求めていました。

 固定資産税の税額を計算する基礎となる評価額は、原則として国が規定した「固定資産評価基準」が用いられます。しかし同税が地方税であることから、実際の運用には自治体ごとのローカルルールが用いられることも珍しくなく、大阪市も1979年から、建物の基礎工事で使われるくいの長さや太さに応じた独自の補正率を採用していました。

 裁判長は、大阪市の独自の計算ルールについて「合理的な根拠がない」として、計算方法の一部を地方税法に反すると認定。原告の求めに応じて過徴収した税額の全額返還を命じた上で、一部については国家賠償法の時効である20年を超えるとして訴えを退けました。

 自治体が定めた固定資産税の規定を巡っては、札幌市でも、同じマンション内にある住宅部分と事務所部分で異なる算定方法を用いたローカルルールが適正かどうかを争う裁判が起こされています。一審では納税者の主張が認められましたが、控訴審では逆転し、市の計算方法は適法との判断が示されています。

 固定資産税は自治体が税額を算定して納付書を送付する「賦課課税方式」を採用していますが、近年になって過徴収が全国で発覚したことから、自身に課された税額を改めて確認する納税者が増えています。長年にわたって運用されてきた自治体の独自ルールに疑問を提起する動きは今後も増えそうです。
<情報提供:エヌピー通信社>

お知らせ 2018月03月6日

紙申告に10万円のペナルティー

提供:エヌピー通信社

 2018年度の税制改正大綱には、事業者の電子申告にかかる見直しが盛り込まれています。

 一つ目は、資本金1億円超の大企業に限り、2020年から法人税や消費税などの電子申告を義務付けるというもの。大企業は独自の経理システムを導入していることが多く、中小に比べても電子化が進んでいません。完全義務化によって、一気に税務申告の電子化を推し進めたい狙いがあります。

 二つ目は、自営業者や個人事業主が税務申告の際に電子申告を使えば、青色申告者に認められる「青色申告特別控除」の控除枠を紙申告の人と比べて10万円上乗せするというもの。大企業への義務化と同じ20年から導入します。

 ただし、税制改正では、青色申告特別控除の控除額を現行の65万円から55万円に一律10万円引き下げることとしています。前述のように電子申告をした人に限っては10万円を上乗せできるわけですが、実態としては電子申告の人は従来通りの65万円を控除でき、紙申告の人は現行より10万円控除枠が縮小するということになります。電子申告者へのボーナスというよりは、紙での申告を続ける人に対する10万円のペナルティーの意味合いが強い見直しと言えます。
<情報提供:エヌピー通信社>

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