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コラム 2025月08月5日

《コラム》名寄帳から始まる土地の調査

 相続の際、固定資産税課税明細書に記載の土地・建物が相続財産だと思っていたら、あとで思わぬ土地が出てきて戸惑うことがあります。

◆名寄帳で所有土地を確認
 固定資産税課税明細書に記載がない土地は、固定資産税がかからない非課税の土地です。多くは私道や公衆用道路です。
 非課税の土地の調査は、市区町村の資産税課などの窓口で名寄帳(固定資産課税台帳の土地・建物を所有者ごとに表示したもの)を取得することにより、相続のあった年の1月1日時点で登記されている被相続人名義の土地を確認することができます。
 ただし、その年、1月1日より後に取得した土地は表示されません。また、他の市区町村にある土地も表示されません。もし、被相続人の居宅や貸金庫に覚えのない売買契約書や登記済証があれば、その地番を手掛かりに現在の登記名義人が誰かを確認することで相続財産となるかが判明します。既に譲渡済みの場合もあります。

◆利用価値のない土地の処分
 非課税の宅地は、被相続人の所有する建物への通路として利用しているような場合を除き、財産上の価値はほとんど見込めず、相続では望まれない財産となることが多いと思われます。
 そのような土地も相続人の誰かが引き継がなければなりません。しかし、相続人が共有で相続することは将来の処分を更に困難にしてしまうので、お勧めできません。そのような場合は隣地の地権者に買い取ってもらうか、隣地の地権者の所有土地と共同で売却するなどの方法を検討することになるものと思われます。

◆土地区画整理事業で道路に提供される場合
 土地区画整理事業が施行中の地区において、公衆用道路として使用されている私道が換地処分後、市区町村に道路用地として譲渡される予定の場合、相続開始時は事業完了前のため、登記簿上、被相続人名義の土地のままとなっていることがあります。
 このような土地には換地が定められず、換地不交付申出により、市区町村から交付される清算金は譲渡所得の対象となります。この場合、優良住宅地の造成等のために国等に土地等を譲渡する場合の長期譲渡所得の課税の特例が適用され、2,000万円以下の長期譲渡所得金額についての税率は、所得税10%、住民税4%(通常は所得税15%、住民税5%)に軽減されます。

コラム 2025月07月29日

《コラム》具体的な資料と説明の準備を!棚卸資産の評価損

◆季節商品(シーズナル商品)とは?
 特定の季節に売れる商品のことを季節商品(シーズナル商品)といいます。例えば、夏には、クーラーや水着が売れ、冬には、暖房機器や防寒着が売れます。新生活が始まる時期には、キッチン用品やインテリア、生活家電が売れます。このような商品は、需要が短期間に集中するため、時機を掴めば、大きな利益を得ることができます。一方で、売れ残れば、不良在庫を抱え、商品も「流行遅れ」となり売れなくなります。

◆税務上棚卸資産の評価損が認められる場合
 法人税法では、資産の評価損は原則として、認められていません。ただし、時価が50%以上下落しており、一定の事実(物損等の事実)がある場合には、損金経理を要件に、時価までの評価損が認められています。棚卸資産の場合には、次の事実がある場合に、評価損の計上が認められます。
① 災害により著しく損傷したこと
② 著しく陳腐化したこと
③ ①又は②に準ずる特別な事実
 ③は、破損、型崩れ、たなざらし、品質劣化により通常の方法により販売ができないケースが当たります。単なる物価変動、過剰在庫、建値の変更による価格低下は、該当しません。時価が今後回復しないというレベルの状態であることが求められます。はやらなくなった、機種がモデルチェンジをしたというだけでは、認められません。

◆具体的な資料と説明の準備が必要
 そのため、通常の価額や方法で販売できないとする根拠となる具体的な資料と合理的な説明を準備しておく必要があります。
<陳腐化が生じている場合>
 商品の売れ残りについては、過去の売れ残り商品の販売実績などが根拠資料となります。形式・性能・品質等が優れた新製品が発売されたことによる陳腐化の場合、新製品発売後の旧製品の過去の販売実績、値下げした場合の自社の販売計画、チラシ・HPの印刷・カタログ等を保存しておきます。
<品質劣化等の場合>
 写真を撮り、報告書を作成するなど、期末時点の物理的な劣化等の状況を、後から確認できるようにしておきます。
<時価の算定根拠>
 販売店の価格表や他社の価格動向がわかるもの(チラシ・HPの印刷等)で、時価に合理性、客観性があることを示しましょう。

コラム 2025月07月29日

《コラム》暦年贈与信託による生前贈与

 生前贈与は相続財産を減らせることに加え、子や孫の若い世代に相続前から財産を有効に活かしてもらうことができます。

◆生前贈与加算期間は7年以内に延長
 暦年贈与は毎年110万円まで基礎控除を受けられます。令和6年1月1日以後の贈与について相続税の課税価格に加算される生前贈与は、相続開始前7年以内(改正前は3年以内)の贈与となりました。ただし、令和8年12月31日までの贈与の加算対象期間は3年間に据え置かれ、以後、毎年1年ずつ延長されて、令和13年1月1日の贈与から7年間となります。
 また、延長された4年間に贈与により取得した財産の価額について、総額100万円まで加算対象外となります。

◆暦年贈与信託を生前贈与に活用
 暦年贈与に信託銀行が扱う暦年贈与信託を利用することもできます。贈与者は金銭信託で委託者兼受益者となり、信託銀行は受託者となって、毎年、贈与を受ける親族、贈与時期、贈与金額を決めると信託銀行が贈与の手続きを贈与者、受贈者に取り次いでくれます。贈与者はあらかじめ贈与したい複数の親族を候補者として選定しておき、普段は信託財産として運用益を受益者として享受し、贈与のときは、毎年、候補者の中から贈与したい相手の親族を選び、贈与したい金額を決めます。信託銀行は書面で贈与者と受贈者の意思の合致を確認した後、信託財産から贈与する金額を送金します。
 贈与税は基礎控除額110万円を控除した額に課されます。信託銀行の取扱商品によっては、贈与者が受益者のまま贈与するもの、贈与時に受益者を受贈者に変更して贈与とするものもあるようです。

◆連年贈与、定額贈与には注意!
 暦年贈与で毎年、定額の贈与を継続した場合、贈与額の合計額について課税リスクが生じます。国税庁は、例示として毎年100万円ずつ10年間の贈与があらかじめ当事者間で約束があり、贈与が定期金給付契約の締結によるものとされた場合、契約した年に贈与額全体について贈与税を課すとしています。暦年贈与信託では、毎年、受贈者を候補者から選定し、贈与の有無、贈与額を決めることができますが、贈与の際は贈与課税について注意が必要です。
 また、贈与には子や孫に資産を早期に移転することで、その生活スタイルを贈与に依存させてしまう側面もあることにも留意しましょう。

コラム 2025月07月22日

《コラム》相続があった場合のインボイス登録

◆相続で事業を引き継いだ場合の消費税
 相続により亡くなられた方の個人事業を承継する場合には、相続税や所得税ばかりでなく、消費税にも気を付けなければなりません。消費税の免税事業者である相続人(子)が、相続により被相続人(親)の事業を承継したときに、親の前々年の課税売上高が1,000万円を超えていると、相続があった日の翌日から12月31日までの間の、子の消費税の納税義務は免除されません。
 その他にも、父が提出した消費税の届出(課税事業者の選択、簡易課税や課税期間の短縮の特例)の効力は、子には及びません。子が新たに届出書を提出しなければなりませんので、どういう手続きが必要なのか、チェックが必要となります。

◆インボイス発行事業者が死亡したとき
 インボイス発行事業者である親が死亡した場合、子は「適格請求書発行事業者の死亡届出書」を提出する必要があります。
 インボイス発行事業者である親が死亡し、インボイス発行事業者でない子がその事業を承継した場合、親から承継した事業のインボイスが交付できないとなると、困ったことになります。そのため、「みなし登録期間」内は、その子をインボイス発行事業者とみなすとされ、この期間内は、子は親の登録番号を記載したインボイスを発行することができます。
〈みなし登録期間〉
 相続があった日の翌日から次のいずれか早い日までの期間をいいます。
① 相続人(子)がインボイス登録を受けた日の前日
② 被相続人(親)が亡くなった日の翌日から4月を経過する日

◆死亡届出書の記載と子本人の登録が必要
 この取扱いの適用を受けるには、「適格請求書発行事業者の死亡届出書」に相続により事業を承継した旨を記載する必要があります。また、子が「みなし登録期間」後もインボイス発行事業者となりたいときは、「みなし登録期間」中に、子本人の「適格請求書発行事業者の申請届出書」を提出し、自ら登録を受ける必要があります。なお、登録通知が「みなし登録期間」終了後に届いた場合には、通知が届いた日まで「みなし登録期間」が延長されます。

税務トピックス 2025月07月22日

相続土地国庫帰属制度の利用件数

 法務省が公表した2024年度の「相続土地国庫帰属制度の運用状況」によると、23年4月27日の制度開始から今年3月末までの累計申請件数は3580件で、このうち国に帰属されたのは1486件でした。運用初年度の24年3月末時点での申請件数は約11カ月間で1905件でしたが、2年度目となる25年3月末時点での申請件数は1675件にとどまっています。

 法務省がこのほど公表した4月末時点の累計申請件数(速報値)は3732件で、1カ月の申請件数は152件。このままのペースで推移すれば年間1800件前後の申請が見込まれるものの、制度の利用は思いのほか進んでいないといえます。
 法務省が公表した最新(4月末時点)の累計申請件数3732件を地目ごとの内訳でみると、「田・畑」が1431件で全体の38%を占めています。「宅地」が1302件で35%、「山林」が582件で16%、「その他」が417件で11%となっています。
 国に帰属された件数は1586件。却下された件数は58件、不承認となった件数は54件、申請を取り下げた件数は604件でした。

 申請件数が思いのほか伸びていない理由としては、申請時の必要書類が多いこと、引き取り要件が多岐にわたることなどが挙げられます。申請の際には一筆当たり1万4千円の審査手数料が必要で、申請を取り下げた場合でも返還されず、再申請のたびに費用がかかります。国に帰属されたケースでも10年分の土地管理費相当額の負担金が必要。また、審査に時間がかかることも申請件数が伸びない要因だとされています。申請を受理する各地の法務局では審査に要する標準的な期間を「約8カ月」としています。
 法律の附則には、施行5年後に制度の見直しを検討すると明記されています。少子高齢社会の進展による相続の増加で、今後も制度の対象となる土地は増え続けます。そうした状況にもかかわらず申請件数が伸びないのは、制度が使いにくいものだからだといえます。国は28年の法改正に向けて、要件緩和や負担金減額などの検討に着手するべきでしょう。

<情報提供:エヌピー通信社>

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