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税務トピックス 2021月02月9日

奨学金の代理返済で節税効果

学生時代に借りた奨学金を本人に代わって勤務先企業が返済できる新制度を、日本学生支援機構が4月にスタートさせます。代理返済をした企業にとっては、援助した金額を損金に算入して節税できるほか、同機構のウェブサイトで社名を公表することで社会貢献のPRにもつながります。

 多額の返済負担が社会人となってからの生活を圧迫するケースは珍しくありません。機構の調査によれば、奨学金を返済している社会人は現在450万人いて、そのうち5人に1人が返済を滞納したことがあるそうです。延滞した理由は「家計の収入が減った」が67.1%で最も多く、その後も延滞を継続してしまう理由は「本人の低所得」が64%と群を抜いていました。返したくても返す余裕がないという若者は多い状況です。

 奨学金の返済苦が社会問題化していることを受け給与に上乗せする形で返済を支援する企業も増えつつあります。しかしこのやり方では、会社側は支援分を給与として損金に算入できますが、支援を受けた本人は所得税の負担が増えてしまいます。

 今回、機構が打ち出した制度では、企業が機構に直接返済をできるようにするというものです。従来のやり方に比べて、本人の給与とならないため所得税が非課税となる点が特徴。また会社にとっては代理返済した分が損金となるため、法人税の節税になることに加え、制度に登録した企業は機構のホームページで公表されるため、社会貢献のPRになり、優秀な人材確保につながるなどのメリットがあります。そして何より、社員本人の返済不安を解消することで業務に与えるポジティブな影響が一番の恩恵かもしれません。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2021月02月9日

《コラム》民泊用建物の仕入税額控除

◆ 専門誌の気になる記事

税理士業界の専門誌に、国税庁消費税課課長補佐、税務大学校研究部教授等々を歴任した人が、民泊事業に係る消費税について、次のように書いていました。
民泊用建物は「居住用賃貸建物」に該当し、民泊事業は「住宅宿泊事業」なので、住宅の貸付けに該当しないから消費税の課税対象になるものの、令和2年10月1日以後取得するものは仕入税額控除の対象にならず、さらに、第3年度の末日までその建物を消費税の課税対象である民泊用に供していたとしても、課税賃貸割合に基づく調整控除の対象にはならない、と。

 

◆ 令和2年10月以後取得の仕入税額控除

居住用賃貸建物に係る仕入税額について、購入後に課税売上割合が著しく変動する場合、購入時の仕入税額控除の後、第3年度に調整計算を行うという制度から、物件購入期での仕入税額控除を不可とし、第3年度の課税期間の末日において課税賃貸割合に応ずる消費税額を算定し、その期の仕入消費税額とするという制度になりました。

 

◆ 物件を買い民泊に供して3年

① 民泊事業を、他人に有料で住宅を貸す行為と解すると、民泊専用住宅を購入後、課税事業者として継続して民泊用に供した3年経過後の課税賃貸割合は100%です。

② 民泊事業とは、個人で言えば事業所得になる行為で、不動産所得となる行為ではないので、不動産賃貸事業に該当しないことになり、従って3年経過後の課税賃貸割合は0%です。

冒頭の専門誌の筆者は ② に該当するとして、3年経過後の仕入税額控除を否定しているわけです。

 

◆ 3年後ではなく物件購入年で控除では

冒頭の筆者は、また、民泊用建物は「居住用賃貸建物」だから物件購入年でも仕入税額控除不可としています。

しかし、法令では、建物の構造・設備で居住用賃貸住宅非該当が明示出来れば、仕入税額控除は可としています。

もし、税理士がマンションを購入して、様々な必要な設備を整えて税理士事務所として利用する場合、物件購入の仕入税額控除がそれで可であるのならば、民泊利用でも固有な設備の設置が必要なので、同じく仕入税額控除可となりそうに思われます。

税務トピックス 2021月02月2日

(前編)配偶者控除の適用を受ける配偶者の所得金額の範囲に注意!

原則、配偶者控除は、配偶者に所得がある場合でも、配偶者の年間の合計所得金額が48万円以下(2019年分以前は38万円以下)であれば受けられます。
 ただし、2018年分以降は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える年については、配偶者控除は受けられませんので、該当されます方はご注意ください。

 配偶者の所得が給与所得だけの場合には、その年の給与収入が103万円以下であれば、給与所得控除額が55万円ですので、これを差し引くと、合計所得金額が48万円以下となり、配偶者控除が受けられます。
 例えば、給与収入が100万円の場合には、「給与所得=給与収入-給与所得控除=100万円-55万円=45万円」となり、この場合、合計所得金額は48万円以下となりますので、配偶者控除が受けられます。
 また、配偶者に給与所得以外に、不動産所得、一時所得、譲渡所得などがある場合でも、年間の合計所得金額が48万円以下(2019年分までは38万円以下)であれば、配偶者控除が受けられます。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、令和2年12月7日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

税務トピックス 2021月02月2日

(後編)配偶者控除の適用を受ける配偶者の所得金額の範囲に注意!

(前編からのつづき)

 例えば、給与収入90万円、不動産所得10万円の場合には、「合計所得金額=給与所得の金額+不動産所得の金額=35万円(90万円-55万円)+10万円=45万円」となり、合計所得金額は48万円以下となりますので、配偶者控除が受けられます。

 注意点として、非課税所得や次の①~⑤のような所得は配偶者控除が受けられるかどうかを判定する場合の合計所得金額から除かれますので、該当されます方はご確認ください。
①特定公社債等の利子や上場株式等の配当、少額配当など確定申告不要制度の対象となるもので、確定申告をしないことを選択したもの
②特定口座の源泉徴収選択口座内の株式等の譲渡による所得で、確定申告をしないことを選択したもの
③源泉分離課税とされる預貯金や一般公社債等の利子など
④源泉分離課税とされる抵当証券の利息や一時払養老保険(保険期間等が5年以下のものや保険期間等が5年超で5年以内に解約されたもののうち一定のもの)の差益などの金融類似商品の収益
⑤源泉分離課税とされる一定の割引債の償還差益

(注意)
 上記の記載内容は、令和2年12月7日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

税務トピックス 2021月01月26日

(前編)2020年度税制改正:5G導入促進税制の適用開始!

2020年度税制改正において創設された5G(いわゆる第5世代移動通信システム)導入促進税制は、すでに2020年8月31日より適用が開始されておりますので、該当されます方はご確認ください。

 5G導入促進税制の適用期日は、「特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律」の施行日から2022年3月31日までとされておりましたが、同法の施行期日を2020年8月31日とする政令が8月25日に閣議決定されたことにより、8月28日に政令が公布されました。

 5G導入促進税制は、21世紀の基幹インフラとして、安全で信頼できる5Gの導入を促進し、5Gを活用して地域が抱える様々な社会課題の解決を図るとともに、我が国経済の国際競争力を強化するため、税制優遇措置が創設されました。

 同法においては、5G等の普及を図るため、課税の特例や中小企業信用保険法の特例等の支援措置を規定しております。
 課税の特例については、一定基準を満たすシステム導入計画の認定を受けることを要件に、租税特別措置法に定める課税の特例の適用があるとしております。

(注意)
 上記の記載内容は、令和2年12月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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