お知らせ/トピックスTOPICS

税務トピックス 2021月01月19日

馬券訴訟、高裁で納税者が逆転敗訴

馬券の払戻金の所得区分を巡る争いで東京高等裁判所は11月、「雑所得」として経費に算入できるとした一審の判決を取り消し、国が主張していた「一時所得」に該当するとの判断を下しました。一時所得では外れ馬券の購入費は経費として控除できず、当たり馬券の払戻金のほぼ全額が課税対象となります。

 今回の裁判で東京高裁は、払戻金が雑所得に該当するには「営利を目的とする継続的行為から生じた所得」であるべきとの最高裁判例を前提に、納税者が馬券を購入するにあたって継続性や営利性があるか否かで判断するべきとしました。そこから今回の裁判事例では馬券購入に回収率が100%を超えることが期待できるような独自のノウハウは認められず、ある程度の期間にわたって継続して利益が上がると客観的には言えないことから、国の主張する一時所得に当たると結論付けました。

 競馬を含むギャンブルの配当金は従来、一時所得として処理するのが通例でしたが、2015年に大阪府の男性が起こした裁判で納税者が勝訴したことで流れが変わりました。争いが最高裁までもつれた結果、「偶発性に左右される一般の馬券購入と異なり、ソフトを使用して継続的に馬券を購入することによって個別のレースの当たり外れの偶然性を抑えている」として、払戻金は雑所得と認定されています。

 その後、自動購入ソフトを使わずレースごとに結果を予想していた別の男性も最高裁で雑所得認定を勝ち取り、国税庁は新たな通達を提示。網羅性や金額の規模性、継続性、営利性などをすべて備えていれば、自動購入ソフトを利用していなくても、外れ馬券を経費にできることとなりました。ただ、その判断で納税者と税務署の見解が異なることも多く、いまだにトラブルは続いている状況です。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2021月01月12日

【時事解説】VUCA時代のリーダーシップとは その2

コロナ禍では世界が一変し、新たな常識が生まれました。そんな先の見えない今、「VUCA(ブーカ)」というキーワードが注目されています。これは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(多義性)」の頭文字を連結した言葉です。

 VUCAの時代に適したリーダーシップのスタイルとはどのようなものでしょうか。ハーバード・ビジネススクールのリンダ・ヒル教授が提唱する「羊飼い型リーダーシップ」はVUCAの時代に適したリーダーシップの姿だと言えます。

 具体的な特徴を説明しましょう。羊は羊毛や食肉として用いられます。羊を飼育する際、羊飼いは群れを野原に連れ、草を食べさせなければなりません。ときには、オオカミなどの敵から羊を守り、あるいは迷子になったものがいれば探して群れに戻すことが必要になります。

 羊飼いは群れの最後方に位置するのが特徴です。先頭は別の人が立つ形をとります。たとえば、移動の際、橋がかかっていない川に直面したなら、橋を架けることを得意とする人が先頭をとります。新規の野原に向かうときは、道に詳しい人が先頭に変わります。時には、牧羊犬を走らせ、羊を目的地に誘導するときもあります。このように、状況次第で先頭が次々と変わっていきます。

 リーダーが先頭に立っていると、前はよく見えますが、自分よりも後方に位置する景色は見えにくいものです。環境の変化をいち早く察知し、状況を的確に把握したうえで場面に適した人材を据えるには、リーダーは後方にいたほうが都合がよいのです。このように、VUCAの時代では、必要とされる能力も変わります。何が重要なのか、意識をしながら、対応していくことが必要です。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

コラム 2021月01月12日

【時事解説】VUCA時代のリーダーシップとは その1

最近、「VUCA(ブーカ)」というキーワードが注目されています。これは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(多義性)」の頭文字を連結した言葉です。もともとは軍事用語として用いられていました。この言葉が生まれた背景には、アルカイダのような非国家が前面に出たことで、過去の常識は通用しなくなったことが一つとしてあります。その後、世の中は落ち着きを取り戻したものの、コロナ禍で再び不確実性が高まり、VUCAが注目されたのです。

 コロナ禍では常識が覆され、世界が一変しました。先の見えない現在、まさにVUCAの時代です。VUCAの時代では、これまでの基準が変わり、良いとされていたものが必ずしも良いとは限らなくなっています。

 一例を挙げると、リーダーシップのあるべき姿がそうです。従来、リーダーシップというと、カリスマ性を備え、先頭に立って部下を率いるタイプがもてはやされる傾向がありました。ただ、VUCAの時代では、変動性や不確実性が高くなったため、リーダーの要素としては、いかに迅速に変化へ対応できるかといった能力がより重要になっています。

 具体的に、どのようなリーダーが変化に対応しやすいのでしょうか。一つに、「羊飼い型リーダーシップ」があります。これは、ハーバード・ビジネススクールのリンダ・ヒル教授が提唱したリーダーのあるべき姿です。「羊飼い型」と銘打たれているように、リーダーは群れの後方に位置して、全体をつかさどります。後方にいる方が、全体がよく眺められ、変化への対応が迅速になります。これまでとは全く異なるリーダーのスタイルが危機を救うには適しているのです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

税務トピックス 2021月01月5日

【時事解説】中小企業成長促進法について その1

2020年10月1日に中小企業成長促進法が施行されました。この法律は、中小企業の廃業を防ぐとともに、中小企業が積極的に事業展開を行い、成長できる環境を整備するために必要な措置を講ずるものです。以下で同法の特徴についてみていきましょう。

 1点目の特徴として、経営者保証解除スキームの拡充による事業承継の促進があげられます。具体的には、経営承継円滑化法の認定企業が事業承継する際に、経営者保証を不要とする新たな信用保証制度(経営承継借換関連保証)が新設されました。事業承継時における経営者保証が大きな課題となるなか、2020年4月よりスタートした事業承継特別保証においては、一般枠の範囲内で事業承継時に経営者保証を不要とする信用保証制度が措置されました。今回の中小企業成長促進法の施行を受けて、上記に加え、一般枠ではカバーできない融資に対して、経営者保証を不要とする信用保証の特別枠(最大2.8億円)が法律上措置されています。

 2点目の特徴として、中堅企業への成長環境の整備があげられます。これは、中小企業が、増資や従業員増加により中小企業要件から外れても、地域経済牽引事業計画の実施期間(5年以内)は、中小企業とみなす措置を講じることで、中小企業向け支援を継続するものです。

 3点目の特徴として、海外展開支援の強化があげられます。これは、海外拠点の分散化の促進など、中小企業の海外展開にかかる取組みを一層支援するため、日本公庫によるクロスボーダーローンを措置し、資金調達手段の多様化を図るものです。

 このように中小企業成長促進法の下では、上記のような支援を通して、新型コロナ危機下での事業継続と雇用維持を後押ししているのです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

税務トピックス 2021月01月5日

【時事解説】中小企業成長促進法について その2

 2020年10月1日に中小企業成長促進法が施行されたことに伴い、中小企業目線での政策体系の整理が行われています。以下でその概要についてみていきましょう。

 中小企業の計画支援のスキームは、成長段階に応じた体系に簡素化されました。まず、基礎体力をつける段階の計画としては、中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」が位置づけられています。これは経営資源の有効活用により、経営の向上を図るものです。

 次に新分野進出を目指す段階の計画としては、中小企業等経営強化法に基づく「経営革新計画」が位置づけられています。これは新事業活動により経営の相当程度の向上を図るものです。新事業活動の定義に研究開発等が明示されるなど経営革新計画の定義見直しが行われたことを受けて、特定ものづくり基盤技術に関する研究開発等を行う特定研究開発等計画や、事業分野が異なる事業者の連携により新事業分野の開拓を行う異分野連携新事業分野開拓計画は廃止となり、経営革新計画への支援措置に包含されることとなりました。

 さらに地域全体の活力向上を目指す段階の計画としては、地域未来投資促進法に基づく「地域経済牽引事業計画」が位置づけられています。これは産業集積、観光資源、特産物など「地域の特性」を活かして、地域に対して相当の経済的効果を及ぼすものです。今回の政策体系の整理を受けて、地域の特産物など「地域資源」を活かして、新商品やサービスの開発・生産を行う地域産業資源活用事業計画は廃止となり、「地域経済牽引事業計画」による支援措置に包含されることとなりました。

 このように、類似の計画制度を統合し、中小企業の成長段階に応じた体系に簡素化されたのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

お問い合わせCONTACT

お気軽にご連絡ください。初回のご相談は無料です。

確定申告・相続税対策、起業・経営支援まで
大森駅より徒歩3分 品川区・大田区で税理士をお探しの方へ

〒140-0013 東京都品川区南大井6丁目26番1号 大森ベルポートA館9階
JR京浜東北・根岸線快速「大森駅」北口より徒歩3分/京浜急行線「大森海岸駅」より徒歩4分

03-5471-0751平日10:00~17:00 無料相談窓口