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税務トピックス 2020月09月8日

(前編)社宅貸与が給与課税されない基準とは!?

実務上、会社が社員に対して社宅や寮などを貸与する場合には、使用人から1ヵ月当たり一定額の家賃(賃貸料相当額)以上を受け取っていれば給与として課税されません。
ここでいう賃貸料相当額とは、①から③の合計額をいいます。
①(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
②12円×(その建物の総床面積(平方メートル))/3.3(平方メートル)
③(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
使用人に無償で貸与する場合には、この賃貸料相当額が経済的利益の供与として給与として課税されます。

また、使用人から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合には、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額が給与として課税されます。
ただし、使用人から受け取っている家賃が、賃貸料相当額の50%以上であれば、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額は給与として課税されません。
例えば、賃貸料相当額が6万円の社宅を使用人に貸与した場合、使用人から2万円の家賃を受け取る場合、賃貸料相当額である6万円と2万円の差額4万円が給与課税されます。

(後編へつづく)

(注意)
上記の記載内容は、令和2年7月13日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

税務トピックス 2020月09月8日

(後編)社宅貸与が給与課税されない基準とは!?

(前編からのつづき)

しかし、使用人から3万円の家賃を受け取る場合、3万円は賃貸料相当額である6万円の50%以上ですので、賃貸料相当額である6万円と3万円の差額3万円は給与課税されません。
また、会社などが所有している社宅や寮などを貸与する場合に限らず、他から借りて貸与する場合も、上記の①から③を合計した金額が賃貸料相当額となります。

したがいまして、他から借り受けた社宅や寮などを貸す場合にも、貸主等から固定資産税の課税標準額などを確認する必要があります。
現金で支給される住宅手当や入居者が直接契約している場合の家賃負担は、社宅の貸与とは認められませんので、給与課税されます。

なお、従業員に対して社宅や寮等を無償で提供している場合でも、その社宅や寮等が、その職務の遂行上やむを得ない必要に基づき会社がその人の居住する場所として指定したものであるときは、その使用人がその社宅や寮等の貸与を受けることによる経済的利益については、給与課税されません。
上記は、看護師や守衛など、仕事を行う上で勤務場所を離れて住むことが困難な使用人に対する社宅や寮の無償貸与などが該当します。

(注意)
上記の記載内容は、令和2年7月13日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

お知らせ 2020月09月1日

【時事解説】第三者承継支援総合パッケージについて その1

経済産業省は、後継者不在の中小企業に対して、第三者による事業承継を総合的に支援するため、2019年12月に「第三者承継支援総合パッケージ」を策定しました。
これは、後継者未定の中小企業について、これまでの対策では不十分な点があったため、黒字廃業の可能性のある中小企業の技術・雇用等の経営資源を次世代の意欲ある経営者に承継・集約することを目的に取りまとめられたものです。
とくに親族外の第三者による承継を推進するうえで、中小企業のM&Aの件数が、潜在的な後継者不在の中小企業の数と比較して不十分となっており、その背景として以下の3点があげられます。

一つ目の課題として、マッチング前の段階において、中小M&A市場の売り手と買い手の割合が1対9程度となっているなど売り案件が圧倒的に少数である点があげられます。経営者にとって第三者承継が身近でなく、他者へ「売る」ことへの抵抗感が根強いことや、仲介手数料や仲介業者などのM&Aに関する情報が不十分なため、売りを躊躇することが要因として考えられます。

二つ目の課題として、マッチング時の段階において、事業引継ぎ支援センターの成約率が約8%にとどまっているなどマッチングの成立が困難な点があげられます。個人保証の存在により承継を拒否したり、従業員も含め適切な相手が見つからなかったりすることが要因として考えられます。

三つ目の課題として、マッチング後の段階において、承継後の経営統合が困難な点があげられます。承継後の経営統合や事業戦略の再構築にコストを要することを懸念して、承継を躊躇することが要因としてあげられます。

これらの課題に対処するため、第三者承継支援総合パッケージでは政策の抜本強化が図られているのです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

お知らせ 2020月09月1日

【時事解説】第三者承継支援総合パッケージについて その2

では、第三者承継支援総合パッケージはどのような内容となっているのでしょうか。そこで同パッケージの概要についてみていきましょう。

第三者承継支援総合パッケージでは1年間で6万者、10年間で60万者の第三者承継の実現を目指しています。同パッケージは、①経営者の売却を促すためのルール整備や官民連携の取組、②マッチング時のボトルネック除去や登録事業者数の抜本増加、③マッチング後の各種コスト軽減の三つの柱から成り立っています。

一つ目の柱である経営者の売却を促すためのルール整備や官民連携の取組においては、「事業引継ぎガイドライン」を改訂し経営者が適正な仲介業者・手数料水準を見極めるための指針を整備することで第三者承継を経営者の身近な選択肢とすることや、事業引継ぎ支援センターの無料相談体制を抜本強化し、経営者が気軽に相談できる第三者承継の駆け込み寺とすることなどが主な施策として掲げられています。

二つ目の柱であるマッチング時のボトルネック除去や登録事業者数の抜本増加においては、「経営者保証ガイドライン」の特則策定により個人保証の二重取りを原則禁止とすることや、「事業引継ぎ支援データベース」を民間事業者にも開放し、スマホのアプリを活用したマッチングなど簡便なしくみを提供することなどが主な施策として掲げられています。

三つ目の柱であるマッチング後の各種コスト軽減については、新社長就任に向けた後継者の教育支援や、事業の選択と集中を促す補助金の創設をはじめ、予算・税・金融支援を充実させることが掲げられています。

以上の取組を通して、親族外の第三者による承継を後押しすることが期待されているのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

税務トピックス 2020月08月25日

(後編)新型コロナウィルス感染症の影響により賃料を減額した場合の取扱い

(前編からのつづき)

それによりますと、事業者が賃貸借契約を締結している取引先等に対して賃料の減額を行った場合、減額したことに合理的な理由がなければ、差額については、原則として、相手方に対して寄附金を支出したものとして税務上、取り扱われると指摘しております。
しかし、上記の賃料の減額が、例えば、以下の条件を満たすものであれば、実質的には取引先等との取引条件の変更と考えられるので、その減額した差額は、寄附金として取り扱われることはないと説明しておりますので、該当されます方はご確認ください。

①取引先等において、新型コロナウイルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと又は困難となるおそれが明らかであること
②不動産貸付業者が行う賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること
③賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいう)内に行われたものであること

(注意)
上記の記載内容は、令和2年7月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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