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コラム 2020月08月4日
平成30年の民法改正で創設され本年4月1日から制度がスタートしている配偶者居住権等については、その権利設定期間中の権利放棄や合意解除は可能と解されるものの、民法では、終身性の一身専属権ゆえ「配偶者居住権は、譲渡することができない」と規定されています。
昨年の税制改正で相続税法に配偶者居住権等の評価規定が定められ、その上で、配偶者居住権等消滅に当たり対価がなければ、贈与課税の対象となる、と通達で明らかにされているところです。
本年改正では、収用や権利消滅で補償金や権利消滅の対価を受け取り、その結果、配偶者居住権等が消滅するときは、譲渡所得の計算をすることになりました。
収用による配偶者居住権等の権利消滅の直接の相手は収用機関で、権利消滅の対価は譲渡収入とみなすとのみなし譲渡の規定になっています。
また、収用に限らず、配偶者居住権等の権利消滅一般の場合の規定も作られ、自動的に譲渡所得の計算をするとされ、こちらについてはみなし譲渡の文言はありません。
みなし譲渡なら、民法の譲渡不可の規定と矛盾しないかもしれませんが、対価のある配偶者居住権の権利消滅につき無条件に譲渡所得計算をする、ということになると、配偶者居住権を譲渡性資産と認定するに等しく、民法との矛盾は明確です。
その上、収用では、借地権の場合と同じく、配偶者居住権者と所有者の両方が譲渡当事者となることを前提としていますが、税法は、収用以外の譲渡一般でも、そのようなケースが生じることを想定しているのかもしれません。
収用による権利消滅が譲渡で、土地建物所有者との合意や放棄による権利消滅も譲渡で、その他収用類似の権利消滅もみな譲渡だとすると、配偶者居住権は自ずと居住用の財産と認識されますので、居住用財産の3000万円控除、軽減税率、買換え特例の適用などについての手当が必要になってくるように思われます。
これらについて法改正を今年の4月1日以後に向けて何故に用意してないのか、不思議です。
税務トピックス 2020月08月4日
大手レコード会社「ユニバーサルミュージック」(東京)が組織再編に絡む約58億3850万円の課税処分の取り消しを求めた裁判で、東京高裁は処分を取り消した一審判決を支持し、国側の控訴を棄却しました。国は課税処分に際して、〝伝家の宝刀〟とも呼ばれる法人税法132条「同族会社の行為計算否認規定」を適用しましたが、一審に続き二審でも正当性を否定されたかたちです。
同社は2008年に行ったグループの組織再編において、前身の法人など3社の全株式を買収し、吸収合併する形で設立されました。問題となったのは、その際にグループの国外法人から借りた約866億円です。
同社は支払利息を損失として計上しましたが、東京国税局は「日本国内の音楽事業に実質的な変化がなく、一連の再編は所得を圧縮する目的で行われた租税回避だ」と指摘。損金算入を認めず、約181億2400万円の申告漏れがあったとして、計58億円超の追徴課税を決定していました。
同社の一連の行為は、税法になんら触れるものではありません。にもかかわらず申告漏れと認定されたのは、法人税法132条に定められた「同族会社の行為計算の否認規定」によるものです。同規定は、法人税の負担を「不当に減少」させる税務処理については、当局が税額を再計算できると定めています。つまり合法の範囲内で行われた処理でも、それが租税回避目的と認められれば否認できるということです。
税務処理が租税回避目的かどうかは、具体的には、「経済取引として不合理・不自然であるか」で判定されることとなります。つまり当局は、同社の組織再編を経済取引として不合理であると判断したわけですが、司法の判断は違いました。
法人税法132条に定める行為計算否認規定は、税法にのっとった税務処理であっても否認できるというその使い勝手の良さから、国税の「伝家の宝刀」と呼ばれています。しかし近年、この宝刀を巡り、国税の敗訴が続きます。16年には、IBM社の連結納税制度を利用した税務処理を法人税法132条を使って否認したものの、最高裁まで争って敗れています。今回のユニバーサル社を巡る裁判では、まだ上告が残っているものの、負ければ、〝刃の鈍り〟は決定的なものとなりかねません。
<情報提供:エヌピー通信社>
お知らせ 2020月07月28日
政府は、社会保障と税の共通番号(マイナンバー)と個人の預貯金口座のひも付けを巡り、1人1口座のひも付けを義務化する検討に入りました。給付の迅速化や行政事務の効率化が狙い。当初は全口座のひも付け義務化を目指していましたが、資産状況全体を行政に把握されることに対する国民の根強い懸念に配慮した形です。
来年の通常国会で関連法の改正を目指します。高市早苗総務相は6月の閣議後の記者会見で「一生モノの1口座のみ登録してもらう制度に発展できれば、(利用者の申請によらない)プッシュ型の迅速な給付や行政コストの削減に資する」と強調。さらに、自身が両親を亡くした際の経験や、災害で家財を失った人の例を挙げ「口座の所在が分からないと大変困る」として、口座のある金融機関を確認するため希望者が任意でマイナンバーを活用できる制度の創設も目指す考えを示しました。
固定資産税の納付や水道料金の支払い、児童手当の受給などは、原則それぞれ納付書や申請書に個人が口座情報を記入し、それを自治体が1件ずつ手作業で確認しています。マイナンバーをひも付けた入出金用の口座が1人一つずつあれば、こうした手間は省けます。
ただ、政府としては全口座のひも付けを義務化したかったのが本音です。個人の資産状況の全体像を一元的につかめれば、生活困窮者に絞って給付する際などの「線引き」が容易になるほか、脱税や生活保護の不正受給といった違反行為も見つけやすくなるからです。
しかしこれには、個人情報保護などの観点から警戒する声が根強くあります。全口座のひも付け義務化は当面、時期尚早と言えそうです。
<情報提供:エヌピー通信社>
コラム 2020月07月28日
平成30年の民法改正で創設され本年4月1日から制度がスタートしている配偶者居住権等については、その権利設定期間中の権利放棄や合意解除は可能と解されるものの、民法では、終身性の一身専属権ゆえ「配偶者居住権は、譲渡することができない」と規定されています。
昨年の税制改正で相続税法に配偶者居住権等の評価規定が定められ、その上で、配偶者居住権等消滅に当たり対価がなければ、贈与課税の対象となる、と通達で明らかにされているところです。
本年改正では、収用や権利消滅で補償金や権利消滅の対価を受け取り、その結果、配偶者居住権等が消滅するときは、譲渡所得の計算をすることになりました。
収用による配偶者居住権等の権利消滅の直接の相手は収用機関で、権利消滅の対価は譲渡収入とみなすとのみなし譲渡の規定になっています。
また、収用に限らず、配偶者居住権等の権利消滅一般の場合の規定も作られ、自動的に譲渡所得の計算をするとされ、こちらについてはみなし譲渡の文言はありません。
みなし譲渡なら、民法の譲渡不可の規定と矛盾しないかもしれませんが、対価のある配偶者居住権の権利消滅につき無条件に譲渡所得計算をする、ということになると、配偶者居住権を譲渡性資産と認定するに等しく、民法との矛盾は明確です。
その上、収用では、借地権の場合と同じく、配偶者居住権者と所有者の両方が譲渡当事者となることを前提としていますが、税法は、収用以外の譲渡一般でも、そのようなケースが生じることを想定しているのかもしれません。
収用による権利消滅が譲渡で、土地建物所有者との合意や放棄による権利消滅も譲渡で、その他収用類似の権利消滅もみな譲渡だとすると、配偶者居住権は自ずと居住用の財産と認識されますので、居住用財産の3000万円控除、軽減税率、買換え特例の適用などについての手当が必要になってくるように思われます。
これらについて法改正を今年の4月1日以後に向けて何故に用意してないのか、不思議です。
税務トピックス 2020月07月21日
すでに2019年度税制改正において、国税関係手続きの簡素化が図られております。
2019年4月1日以後に提出するものから、所得税の申告において給与所得、退職所得及び公的年金等の源泉徴収票や上場株式等の配当通知書、特定口座年間取引報告書など一定の書類の添付が不要とされております。
贈与税の申告では、2020年1月1日以後に提出する相続時精算課税の贈与税申告について、住民票の写しの添付が不要とされ、添付書類を準備する手間が軽減されました。
そのほか、すでに2018年分から開始されたスマートフォンでの所得税の確定申告について、対象者の範囲が拡大されました。
2018年分の所得税の確定申告では、会社員など年末調整済みの給与所得者が医療費控除又は寄附金控除などの適用を受ける場合に限られていましたが、2019年分からは2ヵ所以上の勤務先から給与収入がある人、年金収入や副業などの雑所得がある人及び生命保険の一時金など一時所得がある人も対象となり、社会保険料控除や生命保険料控除など全ての所得控除の適用を受けることができるようになりました。
(後編へつづく)
(注意)
上記の記載内容は、令和2年6月8日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
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