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その他 2026月03月10日

【時事解説】インフラの老朽化、期待される課題解決への取り組みとは:1

 トンネルの天井板落下事故や道路陥没事故などを機に注目が集まるインフラの老朽化。2012年、中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故が起き、インフラの老朽化が社会問題として認識されました。インフラには、道路や橋、上下水道など、多岐にわたる種類があります。2040年には道路橋の75%、トンネルの52%、上下水道管の3~4割が建設後50年以上経過するといわれています。

 老朽化に対して、最も簡単な対策は更新投資です。新しく作り替えれば安全なインフラが誕生します。とはいえ、費用がかかる上、技能者の高齢化・人材不足もあり一筋縄ではいきません。現在の更新ペースだと完了まで100年以上かかるともいわれています。せめて、点検・整備でまかなおうとしていますが、追いついていないのが現状です。

 こうした課題を解決する方法としてデジタル活用が一つとしてあります。一例を挙げると、インフラ位置情報の電子化があります。インフラ工事の場合、道路の下には電力やガス、水道、通信の設備など、さまざまなインフラ設備が埋まっています。あるインフラ工事を進めるにあたり、他のインフラを管理する事業者に位置などの情報をそれぞれ照会する必要が生じます。中には、紙の図面による管理も多くあり、手続きに多くの負担がかかります。

 このような作業を効率化しようと、地下にある水道管などのインフラの位置を瞬時に把握するための技術開発が進んでいます。結果、どこに何が埋まっているのか簡単にわかるようになるほか、インフラ同士の位置関係などを細かく把握できるようになります。実証実験では、位置情報の照会などの申請作業の工数を大幅に削減できたといいます。ほかにも、AIを用いた点検など、デジタルの力を借りて、課題を解決しようとする動きがみられます。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

コラム 2026月03月3日

《コラム》都市と地方の偏りを正す地方税体系の構築

◆広がる行政サービスの地域間格差
 都市と地方の間で拡大する税収の偏在と財政力格差は、行政サービスの地域間格差を顕在化させています。東京都は潤沢な財政で所得水準にかかわらず、18歳以下の子に1人あたり月5,000円の補助金支給、私立高校の授業料無償化、第1子から保育料無償化など、他道府県の水準を超えるサービスが提供されています。
 総務省「地方税制のあり方に関する検討会」は令和7年11月、次の報告をしました。

1.東京一極集中が格差の原因
①本社機能と人材・投資・税収の集中
 東京都には資本金1億円超の法人の本社機能が集中し、本社支援産業も集積します。本社機能の強化は地方の人材を呼び寄せ、都市整備のための投資により地価は上昇、一極集中は加速して税収を増加させます。
②地方税の構造
 財政需要を税収で賄えない地方公共団体は、国が標準的な財政需要を定めて不足額を地方交付税として支給します。地方税の税収が増加しても財源調整機能が働き、地方交付税はその分、減額されてしまいます。
 一方、東京都は税収が潤沢にあり、財源超過額を自前の行政サービスで自由に使えます。財政需要に充当する1人当たり財源額も他道府県より低くて済んでいます。
2.偏在性の小さい地方税体系の構築
 企業行動の最適化によって経済社会構造は変化し、今後、行政サービスの地域間格差は、ますます広がることが想定されます。一方、地方は都市に住む人の食料生産を担い、エネルギーや若い人材を供給しています。東京の一極集中と地方の衰退が同時進行しないよう地方活力の維持・向上、偏在性の小さい地方税体系の構築が必要です。

◆次年度税制改正の対応
 総務省の検討会報告を踏まえ、令和8年度税制改正大綱では、偏在性の小さい地方税体系の構築に向け、新たに法人事業税の資本割を特別法人事業税・譲与税の対象とすること、所得割・収入割に対する特別法人事業税・譲与税の割合を高めることなどの検討を示しました。
 また、固定資産税は東京都特別区に税収が著しく偏在している状況に鑑み、課税の仕組み、東京都と特別区の事務配分の特例について都区財政調整制度への影響を踏まえて必要な措置を検討するとしています。令和9年度以降の税制改正で結論を得ます。

税務トピックス 2026月03月3日

CRSで富裕層の海外資産を把握

 国税庁はこのほど、2024事務年度(24年7月~25年6月)の「租税条約等に基づく各国との情報交換事績」を公表しました。「CRS(共通報告基準)」で外国の税務当局から年間274万5374件の非居住者金融口座情報を受け取った一方で、国税庁からは32万8034件の口座情報を提供。受け取った金融口座情報件数は過去最多となりました。

 事績によると、国税当局がCRSに基づいて、24年7月からの1年間で外国から受け取った口座情報は274万5374件。このうち個人口座が約272万件で残高は約9.6兆円、法人口座が約3万件で残高は約8.1兆円でした。合計すると1年間で17.7兆円分もの口座情報を海外から入手していることになります。
 一方、国税庁が外国の税務当局へ提供した口座情報は32万8034件。このうち個人口座が約31万件で残高は約1.3兆円、法人口座が約2万件で残高は約6.7兆円でした。

 また、国税庁は「法定調書情報の自動的情報交換」の制度も活用し、日本人の海外資産の情報を取り寄せています。海外で利子、配当、不動産賃借料、知的財産使用料、給与、報酬、株式のキャピタルゲインなどの収入があった場合には、当該国で法定調書に記載して申告する必要があります。この制度では、法定調書情報が当該国の税務当局から国税庁へ自動的に送付。国税庁は送られてきた法定調書情報をもとに、国内での申告内容と突き合わせて内容に誤りや虚偽が含まれていないかをチェックしています。24事務年度には12万6928件の非居住者情報を受け取り、92万649件の情報を外国税務当局に提供しました。

 国内で入手できる情報だけでは事実関係を突き止めきれない場合、必要な情報の収集・提供を外国の税務当局に要請することもあります。こうした要請に応じるかたちで決算書、契約書、インボイス(送り状)、銀行預金口座取引明細書などが外国の税務当局から国税庁に寄せられます。外国当局の調査官が直接、取引担当者にヒアリングして得た情報などもあるそうです。24事務年度には、国税庁は505件の情報提供を要請し、外国税務当局からは326件の要請を受けました。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2026月02月24日

《コラム》-令和8年度税制改正- 法人課税編

◆特定生産性向上設備等投資促進税制の創設
 危機管理投資・成長投資による「強い経済」実現のため、国内で高付加価値化型の設備(特定生産性向上設備等)に大胆な投資を促す税制が創設されます。
 国の確認を受けた日から5年経過日までに取得価額の合計額35億円以上(中小企業者等は5億円以上)およびROI(投資利益率) 15%以上の設備投資を行う法人は、投資額100%の即時償却または取得価額の7%(建物、附属設備、構築物は4%)の税額控除(法人税額の20%を上限)を選択できます。一定の要件を満たす場合には、控除限度超過額は3年間の繰越しができます。

◆試験研究に係る税額控除制度の創設
 研究開発税制に新たな制度が設けられます。産業技術力強化法の重点研究開発計画の認定を受けた法人が5年以内に重点産業技術(AI・先端ロボット、量子、半導体・通信、バイオ・ヘルスケア、フュージョンエネルギー、宇宙)に係る試験研究を行った場合には、試験研究費の額の40%(特別重点産業技術試験研究費については50%)の税額控除(法人税額の10%を上限)を受けます。試験研究費の額が前期を上回る場合は、控除限度超過額は3年間、繰越しできます。

◆オープンイノベーション促進税制は拡充
 オープンイノベーション税制は、M&A型の拡充等を行ったうえで2年延長します。M&A型はスタートアップの発行済株式の50%超(上限200億円)を取得した法人が株式取得価額の25%以下の金額を所得控除できる制度です。令和8年度改正では、3年以内に出資割合50%超となる見込みの場合においても、株式取得価額の20%以下の金額を所得控除できるようになります。

◆賃上げ促進税制は大企業向けを廃止
 賃上げ促進税制は、賃上げが順調に進む大企業向けを適用期限を待たずに令和8年3月31日をもって廃止。中堅企業向けは、より高い賃上げを促す下記の要件を強化したうえで令和9年3月31日をもって廃止します。
① 税額控除率10%の適用要件:給与支給額の増加率4%以上(現行3%以上)
② 継続雇用者の税額控除率の加算措置:給与支給額の増加率5%以上で5%加算、増加率6%以上の場合は15%加算
 中小企業向けは、防衛的賃上げに取り組む企業に配慮し、現行制度を維持します。
 なお、教育訓練費を増加させた場合の上乗せ措置は廃止されます。

税務トピックス 2026月02月24日

農地の固定資産税を過大徴収

 農業の「担い手」による農地集積率を高めることで生産性の向上を図るとともに、耕作放棄地となることを防ぐ目的で創設された農地中間管理機構(農地バンク)。所有する農地を機構に貸し付けると相続税・贈与税の一部が納税猶予され、一定期間の固定資産税も半額に軽減されることから、農家とその相続人による制度の利用が増加しています。しかし、この制度の運用を誤り、固定資産税を軽減しないまま農地の所有者から過大に徴収するミスが、全国の自治体で次々に発覚しています。相続した農地を機構に貸し付けている所有者は、念のため固定資産税額を再確認する必要があるでしょう。

 京都府亀岡市では、農地所有者518人に対して固定資産税の軽減措置を適用しませんでした。昨年6月5日、市の農業委員会が発表しました。同委員会によると、京都府の農地中間管理機構に農地を長期で貸し付けた場合、固定資産税の課税標準額を半額とする減税措置があるにもかかわらず、事務局職員が対象の農地所有者を誤認して、市の税務課に正しい情報を伝達していなかったといいます。2025年度分の過大課税が大半で、504人分の187万円に上りました。市からの納税通知書を受け取った農地所有者から指摘されて誤りが発覚し、過去にさかのぼって調査しました。

 農林水産省では亀岡市の過大徴収事案を重くみて、昨年6月の時点で全国の自治体に対して確認を要請しました。点検の結果、9月中旬までに13道府県の18市町村で過大徴収が判明。各地の農業委員会が自治体の税務担当部署に優遇対象者の報告を怠っていたことが主な要因とみられています。

 地方税法では、固定資産税を過大に徴収されたことが判明した場合、直近5年分しか還付を請求できないと定められています。農業人口の減少に伴い、農地の集約化・大規模化が急務となっていますが、優遇税制が正しく適用されなければ政策推進の妨げともなりかねず、制度運用の徹底が求められます。

<情報提供:エヌピー通信社>

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