お知らせ/トピックスTOPICS

税務トピックス 2024月10月1日

国税滞納の発生割合1%

 国税庁はこのほど、2023年度の租税滞納状況を発表しました。滞納発生割合は全体のわずか1%で、国税の99%が期限内に納付されています。新規発生滞納額は約8千億円でピーク時(92年度)のほぼ4割にまで減少。滞納残高は前年度比3.7%増の9276億円で4年連続の増加となりました。

 23年度の徴収決定済額(申告などにより課税されたものの額)は79兆6531億円で、これに占める新規発生滞納額の割合、いわゆる「滞納発生割合」はわずか1%にとどまりました。滞納発生割合は14年度以降、1%前後の低い水準で推移しており、国税の99%が期限内に納付されています。

 23年度の新規発生滞納額は前年度比11.1%増の7997億円で、89年度以降で最も少なかった13年度の5477億円と比べると10年間で約1.5倍に増えているものの、ピークだった92年度の1兆8903億円と比較すれば約4割にまで減少しました。

 22年度から繰り越した滞納残高は8949億円、23年度中の整理済額は前年度比8%増の7670億円で、年度末時点での滞納残高は同3.7%増の9276億円となりました。滞納残高は、98年度の2兆8149億円をピークに減少を続け、19年度には7554億円にまで減りました。しかし、翌20年度には22年ぶりに増加へと転じ、23年度まで4年連続で増え続けています。

 税目別の滞納残高は、所得税が前年度比4.3%増の3815億円、相続税が同6.1%増の560億円、消費税が5%増の3580億円と、軒並み増加傾向を示す一方で、法人税は同2.7%減の1233億円となりました。他の税目では整理済額が新規発生滞納額を下回り、滞納残高を積み増す結果となりましたが、法人税の徴収・納付は順調に進み滞納残高を減らしています。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2024月10月1日

紙幣探知犬が成田空港でデビュー

 海外への不正な現金の持ち出しを防ぐため、東京税関はこのほど、全国で初めて紙幣の臭いを嗅ぎ分ける「紙幣探知犬」2頭を成田空港に配置しました。出国審査場で警戒任務に当たり、特殊詐欺などで不正に得られ犯罪収益が海外に持ち出されるのを自慢の〝鼻〟で食い止めます。

 デビューしたのはいずれもメスの6歳でラブラドールレトリバーの「ライラックス号」と「トリ号」。2頭はこれまで、不正薬物を検知する麻薬探知犬として4年間活躍してきた実績があります。約1カ月間、紙幣の臭いを嗅ぎ分ける訓練を積んできたそうです。嗅覚を頼りに旅行者のカバンや、国際郵便物などに入っている紙幣を見つけ出すとのこと。税関では今後も、全国の国際空港で活躍する麻薬探知犬に特殊な訓練を受けさせるなどして、紙幣探知犬の数を増やすことを検討しているとしています。

 国際空港では100万円を超える現金を持って出入国する場合、税関への届け出が法律で義務付けられています。成田空港では現金の不正な持ち出しを食い止めるため、保安検査などで水際対策に当たっていますが、それでも無申告で現金を持ち出す不正行為が後を絶ちません。このため、「汚れたカネ」を臭いで発見する2頭の活躍が大いに期待されるところです。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2024月09月24日

《コラム》交際費から除外される接待飲食費の金額基準

◆令和6年度の交際費に係る改正
 令和6年度税制改正により、交際費等の範囲から除外される接待飲食費の金額基準が1人当たり1万円以下(改正前5000円以下)に引き上げられました。物価高や経済活動の活性化の観点からの改正とのことから、従来のように事業年度単位での適用関係ではなく、税制改正法施行日の令和6年4月1日から即適用とされています。例えば、12月決算法人であっても、次期の期首日以降の適用ではなく、今期の期中中途である令和6年4月1日以後に支出する接待飲食費から、1万円基準で判定して適用することになっています。

◆交際費課税は決済日での判定ではない
 クレジットカード等での支払いの場合で、令和6年4月1日以後の支払いであったとしても、接待飲食等の行為があった時が同年3月以前である時は、1万円基準での判定とすることにはならず、従前の5000円基準で判定して、交際費の額を算定することになります。つまり、接待飲食等の実行日ベースで適用することになります。

◆法人規模別の交際費課税の内容
 因みに、交際費についての措置法の規定は、資本金百億円超の法人では全額損金不算入、資本金1億円超の法人では交際費のうちの接待飲食費の50%が損金算入、資本金1億円以下の法人では交際費のうちの接待飲食費の50%か、年800万円の定額控除限度額かが損金算入、とされています。

◆交際費での接待飲食費
 接待飲食費とは、得意先等を接待して行う飲食その他これに類する行為のために要する費用で、飲食代のほか、業務遂行や行事の際に差し入れる弁当代、飲食等のために飲食店等に直接支払うテーブルチャージ料やサービス料なども含まれます。
 交際費除外計算新基準の1万円は、1人当たりの接待飲食費の金額が1万円以下の場合での適用であり、1万円を超える場合は、1万円までが交際費除外対象となるのではなく、その全額が交際費等に該当するものとされます。

◆交際費除外計算のための適用要件
 接待飲食費の交際費除外の適用要件として次の事項を記載した書類の保存が要求されています。
一 飲食年月日
二 飲食参加者名と関係
三 飲食参加者数
四 飲食額、店名、所在地
五 飲食事実の明示事項

税務トピックス 2024月09月24日

相続土地国庫帰属制度の承認わずか

 相続人にとって〝負動産〟となってしまっている不要な土地を国に引き渡すことができる「相続土地国庫帰属制度」が2023年4月にスタートしましたが、今年7月末までに国有化されたケースは667件にとどまっていることが法務省の集計で分かりました。制度開始から今年7月末までの申請件数は2481件で、地目別では田・畑が930件、宅地が889件、山林が391件、その他が271件。このうち国庫への帰属が承認されたのは667件で、その内訳は宅地が272件、農用地が203件、森林が20件、その他が172件でした。

 申請が却下されたのは11件。その理由としては9件が「現に通路の用に供されている土地(施行令第2条第1号)」、2件が「境界が明らかでない土地(法第2条第3項第5号)」に該当したためだそうです。申請が不承認となったケースは30件でした。「土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地(法第5条第1項第2号)」(12件)、「国による追加の整備が必要な森林(施行令第4条第3項第3号)」(10件)などに該当したことが理由です。

 相続土地国庫帰属制度では、国による審査を経て承認が得られれば、所有者が10年分の管理費用として原則20万円の負担金を納め、相続した土地を国庫に引き渡すことができます。ただし、土地に建物が残っていたり、抵当権や賃借権が設定されていたりすると申請しても却下されます。このため審査の途中で承認の見込みがないと判断し、申請者が取り下げたケースも333件ありました。

 制度開始から約1年後にあたる今年3月末時点での申請件数は1905件で、国庫への帰属が認められたのは248件。却下は6件、不承認は12件、取下げは212件でした。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2024月09月17日

免税店で相次ぐ申告漏れ

 訪日外国人旅行者数が単月として過去最高を記録し、インバウンド需要が増加している中で、国税当局では不正な免税販売に厳しい監視の目を注いでいます。とくに「免税店」として常設運営されている大手百貨店各社の店舗に対しては、日本に住む外国人に本来は認められない免税販売を繰り返していたとして、調査による指摘・追徴が繰り返されています。最近でも消費税の免税要件を満たさずに物品を販売していたと判断された百貨店が国税局の税務調査を受け、過少申告加算税を含む計約5億7千万円の追徴課税を受けました。

 「免税店」では、外国人旅行者や2年以上外国に滞在する日本人ら「非居住者」が買い物をすると、消費税が免除されます。ただし、外国人であっても日本国内の事業所に勤務する人や6カ月以上日本で暮らす人は「居住者」に該当するので免税の対象とはなりません。こうした店舗を運営する事業者による免税販売は、観光などで訪日した外国人旅行者らが、自分で消費する目的で国外に持ち出す場合のみ認められています。

 冒頭の大阪国税局は、複数の店舗で日本の永住資格を持つ外国人客に免税販売していたケースがあったと指摘。2022年2月までの2年間に合計約50億円分の売上が免税要件を満たしていないと判断した模様です。百貨店業界ではこれまでも、免税要件を満たさない取引があったとして、消費税の申告漏れが指摘されるケースが相次いでいます。

<情報提供:エヌピー通信社>

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