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税務トピックス 2024月12月31日

国税不服審の実績評価

 国税不服審判所はこのほど、財務省が先に公表した2023事務年度(23年7月~24年6月)の「国税庁の実績の評価」のうち、審判所の評価に関する部分を抜粋・発表しました。それによると、業績目標として掲げた「不服申立てへの取組」(不服申立てに適正・迅速に対応し、納税者の正当な権利利益の救済を図る)については、①不服申立ての適正・迅速な処理、②裁決事例の公表の充実――の2施策とも目標をクリアし、財務省評定で「目標達成」のS評価でした。

 「不服申立ての適正・迅速な処理」の施策については、「審査請求の1年以内の処理件数割合」が99.1%で、目標値の95%をクリアしています。前事務年度から繰り越された審査請求2296件と当該事務年度に審査請求のあった3917件の合計6213件中、2873件を処理。審査請求から「1年以内」に処理した件数は2847件で、「迅速な処理」の割合は99.1%となっています。ただし、このうち請求を認容した件数は279件で、その割合は9.7%。処理のスピード化は図られていますが、認容される割合はほぼ10件に1件しかありません。

 「訴訟の状況」については、前事務年度からの係属件数が172件で、新たな発生件数は189件。終結件数は172件だったので、期末係属件数は189件となりました。終結した訴訟のうち原告側が勝訴した件数はわずか13件で、その割合は7.6%に止まっています。

 「裁決事例の公表」の施策については、事例ごとに過去の参考判例を付記するなどしたうえで新たに27事例を公表し、その充実を図ったとしています。審判所では92事務年度から23事務年度までに出された裁決のうち、合計1904事例をホームページに掲載。23事務年度のアクセス数は約219万5千件となっています。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2024月12月31日

《コラム》児童手当の変更 所得制限廃止・手当の拡充

◆令和6年10月1日から児童手当制度改正
 この改正は子育て支援の強化を目的にしていて、子供を育てる従業員の生活に密接に関わりがあります。
 児童手当が家計の一部の支えにもなっている世帯も多いかもしれません。定期的に支給される児童手当は年間総額にするとまとまった金額になります。ただ、今までの制度では保護者の収入に伴う支給制限もあり児童手当を受けることができない世帯も少なくなかったでしょう。
 このたび児童手当の拡充が行われ、保護者の所得制限は撤廃されました。また、さらに中学生までだった対象者が高校生年代も支給対象者となりました。
 さらに、支給額も増額されています。

◆改正点の詳細は
①支給対象が拡大(所得制限の撤廃、年齢上限の拡大)
 これまでの児童手当は各世帯の主たる生計者の所得額に応じて支給額が制限されていました。主な生計者の収入が一定額を超える場合は子供の年齢に関係なく、児童手当の額が下がるか支給されなくなるとされていました。このような所得による制限を撤廃することとし子供を養育するどの家庭にも児童手当を支給するのが一つの大きな改正点です。
②年齢制限と支給額の拡大
 いままでの児童手当は中学校卒業(15歳になった後の最初の3月末日)までが支給対象となっていましたが今後は子供が高校生年代(18歳に達する日以後の最初の3月末日まで)になるまで支給されます。
 支給される金額は月1人当たり0~2歳は1万5千円、3歳~小学生1万円、中学生1万円、新しく設定された高校生年代1万円、第3子以降は0歳~18歳3万円に増額されました。
③支給時期の変更
 児童手当の支給時期が年3回から隔月(偶数月)の年6回に変更されました。
 新たに児童手当の支給対象となる方は、令和7年3月31日までに市区町村へ申請を行うと令和6年10月分から手当を受けられます。

税務トピックス 2024月12月24日

税務調査の日数、税理士会が調査

 中国税理士会(田中一宏会長)の調査研究部はこのほど、会員税理士を対象に実施した税務調査に関するアンケートの結果を公表しました。それによると、実地調査がわずか1日で終わったと回答したのは全体の10.2%。その一方で、10日以上の長期間におよんだ割合も8.9%に上りました。

 全体のうち、実地調査が1日で終わった割合は10.2%、2~3日は42.2%、4~5日は27.6%、6~9日は11.1%、10日以上は8.9%でした。それぞれの割合を合算すると、全体の7割程度は「2~5日」で調査が終了しており、約8割が「2~9日」で終了、9割以上が「10日未満」で終了している計算となります。

 税目別では資産税の実地調査が比較的短く、1日が40.5%、2~3日が37.8%などとなっています。その一方で、法人税の税務調査は長期化しやすい傾向にあり、1日で済んだケースはわずか4.1%。6~9日が12.1%、10日以上が10.5%となっています。

 調査件数に占める申告是認割合は29.5%。重加算税の適用割合は全調査のうち14.4%で、修正申告があった納税者の中での割合は20.6%を占めています。重加算税を適用された税務調査のうち7.5%で税理士が「不満」を持っていたそうです。

 アンケートの対象となった調査2241件のうち、調査対象の納税者本人ではなく取引先などの関係者に調査する「反面調査」が行われたケースは435件。この反面調査で生じた問題としては、「調査が長期化した」(173件)、「納税者と反面調査先との関係が悪くなった」(22件)などが挙げられています。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2024月12月24日

《コラム》新リース会計基準について

◆リース会計基準改正の公表
 2024年9月13日、企業会計基準委員会が「リースに関する会計基準」の改正を公表しました。新基準は国際基準との整合性を図り、リース取引を財務諸表により正確に反映するためのものです。

◆新たなルールのポイント
 今回の改正では、借手のすべてのリースを資産と負債に計上する「単一の会計処理モデル」を採用します。オペレーティング・リースを含むリース契約を「使用権資産」として資産計上し、リース料の支払い義務を「リース負債」として負債に計上することが求められます。これにより、リースの実態がより透明性を持って財務諸表に示されることになります。

◆適用日と早期適用について
 新基準の適用開始日は2027年4月1日以降に始まる連結会計年度および事業年度からとなります。ただし、2025年4月1日以降に始まる年度からの早期適用も認められています。

◆すべてのリースを財務諸表に計上
 新基準では、従来貸借対照表に計上されていなかったオペレーティング・リースも含め、すべてのリースが計上対象になります。これにより、リース取引の内容が財務諸表により正確に反映され、企業の資産・負債状況が明確に示されます。経営判断の透明性が高まり、財務報告の信頼性が向上する点が新たなルールの特徴です。

◆財務指標への影響に注意
 リース負債の計上により、自己資本比率や負債比率などの財務指標に変動が生じる可能性があります。特に中小企業では、信用評価や金融機関との取引条件に影響を及ぼすことが予想されます。そのため、早めにリース契約や資金計画を見直し、新基準適用の影響を把握することが必要です。

◆今後の対応策
 適用日までに十分な準備期間はありますが、早めの対応が求められます。まずは現在のリース契約を精査し、新基準に基づく会計処理の対象となるリースを特定しましょう。また、専門家と連携し、財務諸表への影響を最小限に抑える戦略を立てることも有効です。新基準への適切な対応は、企業の財務健全性を維持するために欠かせないものです。

コラム 2024月12月17日

《コラム》過少申告・無申告でも加算金・重加算金は課されない

◆修正申告や更正決定処分があると
 申告納税制度を担保するためとして、当初申告が過少申告だったり、無申告だったりした場合、ペナルティとして国税では加算税、地方税では加算金が課せられます。
 加算税には、過少申告加算税、無申告加算税、重加算税があります。過少申告加算税としては、追加本税の10%が課されますが、追加本税が期限内申告税額と50万円のどちらか多い方の金額を超える場合は、その超過部分については、さらに5%追加加算されます。無申告加算税としては、納付すべき税額の50万円までについては15%、50万円超の部分については20%、300万円超の部分については30%が課されます。

◆仮装隠蔽・偽り不正の場合
 上記の各加算税が課される場合で、仮装隠ぺいによる申告・無申告の場合には、過少申告加算税の代わりに追加本税の35%、無申告加算税の代わりに納税額の40%が重加算税として課されます。

◆遅延利息は更正決定無しに賦課
 さらに、納税の遅延には、原則として法定納期限の翌日から納付日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。地方税では、延滞金と言います。

◆延滞金だけしか課せられない
 ところで、地方税法での加算金、延滞金も、国税の加算税、延滞税と同じ性質なので、同じように課されるものと思いがちですが、住民税としての都道府県民税及び市町村民税の大部分には、延滞金は課されますが、加算金、重加算金は課されません。
 加算金、重加算金が課せられる税の種類を地方税法で確認すると、分離課税に係る所得割、法人の事業税、配当割、株式等譲渡所得割、利子割、たばこ税、ゴルフ場利用税、環境性能割、鉱産税、入湯税、事業所税、水利地益税、特別土地保有税、軽油引取税、法定外普通税において条文規定があります。ここでは、分離課税とされる退職所得の住民税、法人事業税について規定の存在が確認できますが、法人住民税、個人住民税、個人事業税については、その規定が確認できません。
 なぜかについては、法人住民税の課税標準が所得ではなく法人税額であり、法人税の附加税と性格付けされている、個人住民税・個人事業税が申告納税ではなく、賦課課税であることなどに理由がありそうです。

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