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その他 2025月10月21日
在庫を持つことは売上計上のために不可欠ですが、必要以上に保有することは経営上マイナスに作用します。在庫を持てば、資金負担が重くなりますし、物品を置いておく倉庫も必要になることに加え、長期間にわたる在庫保有は減損や陳腐化リスクを抱えるからです。したがって、在庫は少ない方が財務上は効率的です。かといって、在庫を余り絞りすぎると欠品が生じ、売上機会を逃すことや、工場の製造ラインが止まる危険性があります。経営者の手腕は、いかに少ない在庫で売上や製造を伸ばすかにある、といってもよいでしょう。
日本の製造業はその在庫戦略で高く評価されていました。それが「ジャストインタイム」という生産方式です。ジャストインタイムは「必要な物を、必要な時に、必要な量だけ」調達し、できるだけ在庫を圧縮し、経営を効率化する生産・経営方式です。最も有名なのはトヨタの「かんばん方式」であり、この「かんばん方式」がトヨタの効率的な生産体制と高い収益性に大きく貢献しているといわれています。
確かに、ジャストインタイムは企業単体で見れば、合理的です。ただ、ジャストインタムを維持するためにはある一定の条件が整っていなければなりません。それは市場にはいつでも必要な物が存在していることを前提に、所要量を機動的に届けてくれる物流の存在です。企業がジャストインタイムを維持できたのは、運送業界に過重な負担をかけてきたという側面もあったことは否定できません。荷主のニーズを満たすために、小口配送を頻繁に行い、作業現場までの細やかな配送まで行っているケースもあったからです。そのジャストインタイムに必須の要素である物流が、大きな岐路に立たされています。(つづく)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
その他 2025月10月21日
2024年4月以降、トラックドライバーの年間の時間外労働時間の上限が960時間に制限されるようになりました。運送業界がこれまで行ってきたような過剰なサービスができなくなると、ジャストインタイムの精密度は下がらざるを得なくなります。運送業界の負担に配慮すれば、在庫は多めに持たなければなりませんし、物品を保有するスペースも必要になりますから、相応の資金負担がかかります。資金負担を手持ち現預金でカバーできなければ、借入金が増えますから、資産、負債が増加することになります。それは結果的に利益の減少を招きますから、ROA(総資産利益率)やROE(自己資本利益率)は低下することになります。
当然のことではありますが、資本市場は各企業に資本効率の向上を求めます。それに対応し、これまで、企業は資産のスリム化や利益率の上昇に努めてきました。ところが、運送業界の労働規制に対応すると、そうした方向性に逆行します。しかし、だからといって、それが間違っているわけではありません。社会の安定性を考えれば、各企業が資本の効率性を犠牲にしても、資産等に余裕を持つことは社会的に望ましいことであるはずです。
効率性のあくなき追求は、社会や市場が安定しているときには、是認されます。しかし、今回のような社会的要請に止まらず、昨今では温暖化の影響による地球環境の限界も議論されており、効率性を犠牲にしての企業行動が求められるケースが増加することが予想されます。そうした企業行動は社会や環境の持続可能性という点では評価すべきものです。その意味から、資本市場もそうした動きをマイナスに捉えるのではなく、応援できるような形の評価基準を持つことが求められているように思われます。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
税務トピックス 2025月10月14日
(前編)日税連:令和8年度税制改正に関する建議書を公表!
日本税理士会連合会(以下:日税連)は、令和8年度税制改正に関する建議書を公表しました。
それによりますと、税制に対する基本的な視点として、担税力に即した公平な税負担、中立的で簡素な税制、合理的な事務負担、時代の変化に適合する税制、税務行政の透明性と適正な手続きを挙げております。
建議・要望は、特に強く主張したい6項目の「重要建議・要望項目」や、中長期的な視点から検討した税目ごとの「今後の税制改正についての基本的な考え方」、全国15税理士会及び日税連650項目の税制改正意見から43項目に集約した「建議・要望項目」から構成されております。
なお、6項目の「重要建議・要望項目」とは、
①(消費税)複数税率制度を廃止し単一税率制度に戻すとともに、インボイス制度導入に伴う各種特例措置の延長等といった中小・小規模事業者への必要な支援を継続すること
②(法人税)役員給与税制について見直しを行うこと
③(中小法人税制)中小企業者等の法人税率の特例の適用期限について延長すること
④(災害対応税制)雑損控除の適用につき「特定非常災害により生じた損失」については、控除の順番を見直すとともに、繰戻還付制度を創設すること
(後編へつづく)
(注意)
上記の記載内容は、令和7年9月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
税務トピックス 2025月10月14日
(前編からのつづき)
⑤(所得税)確定申告期限を延長すること
⑥(所得税)少子化対策について、税制面での検討を行うことが挙がっております。
その他、主な建議・要望項目として、
①資本的支出に係る耐用年数の取り扱いを見直すこと
②賃上げ促進税制に係る控除限度額を拡充すること
③死亡の場合の準確定申告書の提出期限を、相続税の申告期限と同様とすること
④少額の減価償却資産の取得価額基準を引き上げること
⑤消費税の非課税取引の範囲を見直すこと
⑥納税義務免除制度及び簡易課税制度について、基準期間制度を廃止し、当該課税期間 による判定とすること
⑦取引相場のない株式の評価の適正化を図るため、所要の見直しを行うこと
⑧法人版事業承継税制(一般措置)に代えて、新たな贈与税及び相続税の猶予制度を創設 すること
⑨償却資産課税制度のあり方を抜本的に見直すこと
⑩税務手続においては電子申告等の活用を基本とし、そのための課題を具体的に分析・ 検討し、制度及びシステムの両面での積極的な環境整備を行うことが挙がっております。
今後の税制改正の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、令和7年9月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
コラム 2025月10月7日
◆倒産の背景に潜む人手と物価の二重苦
2024年の企業倒産件数は10,006件と、前年に比べ増加傾向にあります。2009年以降は減少傾向にありましたが、2021年を底に再び上昇へと転じました。特に従業員4人以下の小規模事業者が大多数を占めており、人手不足や物価高が主な原因とされています。求人難、人件費の上昇、そして原材料費の高騰により価格転嫁できずに経営が行き詰まるケースが急増しています。加えて、ゼロゼロ融資の返済が本格化する中で、資金繰りへの不安も顕在化しつつあります。
◆「黒字廃業」にも表れる構造的課題
休廃業・解散件数は一時的に減少していたものの、2024年には再び約7万件へと増加しました。その半数以上が「黒字廃業」という事実も見逃せません。経営自体は成り立っているにもかかわらず、後継者不在や経営者の高齢化、将来不安から事業継続を断念する例が増加しています。特段の法的整理を経ない廃業は、外部から見えにくいながらも深刻な経営リスクを示唆しています。この状況は地域経済における「雇用の受け皿」の喪失にもつながっており、社会的損失も大きいものです。
◆後継者不在の解消とその陰に潜む焦燥感
帝国データバンクの調査によると、中小企業全体における後継者不在率は減少傾向にあります。しかしその一方で、「70代以上」の経営者による休廃業が顕著に増えており、平均年齢・ピーク年齢ともに上昇中です。これは、事業承継が間に合わず高齢を理由に廃業を選ぶケースが増えていることを意味します。早期の承継準備が喫緊の課題であることは間違いありません。特に承継意向が曖昧なまま時間だけが経過するケースは、外部からの支援がなければ打開が難しくなります。
◆「見える化」と「他人資本」の活用が鍵
これらの動向を踏まえると、今後の中小企業には、廃業リスクを回避するための「事業承継計画の可視化」と「第三者承継を含めた柔軟な発想」が求められます。親族内承継が困難な場合は、M&Aや外部役員登用を視野に入れるべきです。また、専門家と連携し「経営者保証ガイドライン」や補助金制度の活用を進め、事業の持続性と地域経済への貢献を両立する道が開けます。
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