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税務トピックス 2025月01月7日
2023事務年度(23年7月~24年6月)の法人税・法人消費税の実地調査の件数は5万9千件で前年度から5.4%減少しました。国税庁がこのほど公表しました。実地調査の件数が微減している一方で、「簡易な接触」の件数はここ5年で約6割増となっています。税務調査の〝効率化〟が進んでいる状況を示す結果だといえそうです。
実地調査の件数は20年度に2万5千件まで落ち込みましたが、これは国税当局が納税者との直接的な接触を避けていたコロナ禍に限られる〝異常値〟といえます。21年度は4万1千件、22年度は6万2千件と順調に数字を戻していました。そして23年度は5万9千件で前年度から若干減少しました。現行の調査体制による法人を対象とした実地調査は6万件前後が正常値といえそうです。これは、年間約20万件実施されていた過去(82年度、87年度)の調査件数と比べると大幅に少ない数字です。
一方で、書面・電話による連絡や来署依頼にもとづく「簡易な接触」は近年、増加しています。国税当局が納税者との直接的な接触を避けていたコロナ禍に、実地調査の減少分の穴埋め策として「簡易な接触」は多用されてきましたが、いまだにその件数は減少していません。23年度には前年度から5%増となる7万件が実施されました。コロナ禍前の18年度の4万3千件と比べると1.6倍の件数です。発覚した申告漏れ所得金額の92億円は過去最高額となります。コロナ禍に活用が進んだ「簡易な接触」が、新たな調査手法として定着しつつある状況がうかがえます。
<情報提供:エヌピー通信社>
税務トピックス 2025月01月7日
財務省はこのほど、2023事務年度(23年7月~24年6月)の「関税等脱税事件に係る犯則調査」の結果を公表しました。全国の税関が行った輸入品に対する関税および内国消費税(輸入貨物に課される消費税、酒税、たばこ税などの間接税)に係る犯則調査の結果をまとめたものです。
それによると、関税などの脱税事件に対して全国の税関が行った犯則調査の結果、検察官への告発や税関長による通告に至った処分件数は前事務年度比7%減の157件へと微減したものの、脱税額は同86%増の総額約4億円で大幅増となりました。
処分した事件のうち、金地金の密輸事件が同18%減の102件で、件数としては減少したものの事件全体の約6割を占めています。金地金の脱税額は総額約3億6千万円で、前事務年度の約2.1倍に急増しました。
金地金密輸事件の主な処分事例としては、航空機旅客が金地金約105kgを密輸し、消費税約8080万円を脱税した事案があったそうです。
また関税と内国消費税(消費税、酒税、たばこ税等)の輸入申告に対する「輸入事後調査」の結果も同時期に発表しました。同調査は、輸入貨物に掛けられる関税などが適正に納税申告されていたかどうかを通関後に確認するための税務調査。23年度に行われた調査は3576件で、申告漏れなどが発覚した輸入者の手続きは2678件。関税などの納付不足税額は約128億3千万円でした。
<情報提供:エヌピー通信社>
税務トピックス 2024月12月31日
国税不服審判所はこのほど、財務省が先に公表した2023事務年度(23年7月~24年6月)の「国税庁の実績の評価」のうち、審判所の評価に関する部分を抜粋・発表しました。それによると、業績目標として掲げた「不服申立てへの取組」(不服申立てに適正・迅速に対応し、納税者の正当な権利利益の救済を図る)については、①不服申立ての適正・迅速な処理、②裁決事例の公表の充実――の2施策とも目標をクリアし、財務省評定で「目標達成」のS評価でした。
「不服申立ての適正・迅速な処理」の施策については、「審査請求の1年以内の処理件数割合」が99.1%で、目標値の95%をクリアしています。前事務年度から繰り越された審査請求2296件と当該事務年度に審査請求のあった3917件の合計6213件中、2873件を処理。審査請求から「1年以内」に処理した件数は2847件で、「迅速な処理」の割合は99.1%となっています。ただし、このうち請求を認容した件数は279件で、その割合は9.7%。処理のスピード化は図られていますが、認容される割合はほぼ10件に1件しかありません。
「訴訟の状況」については、前事務年度からの係属件数が172件で、新たな発生件数は189件。終結件数は172件だったので、期末係属件数は189件となりました。終結した訴訟のうち原告側が勝訴した件数はわずか13件で、その割合は7.6%に止まっています。
「裁決事例の公表」の施策については、事例ごとに過去の参考判例を付記するなどしたうえで新たに27事例を公表し、その充実を図ったとしています。審判所では92事務年度から23事務年度までに出された裁決のうち、合計1904事例をホームページに掲載。23事務年度のアクセス数は約219万5千件となっています。
<情報提供:エヌピー通信社>
コラム 2024月12月31日
◆令和6年10月1日から児童手当制度改正
この改正は子育て支援の強化を目的にしていて、子供を育てる従業員の生活に密接に関わりがあります。
児童手当が家計の一部の支えにもなっている世帯も多いかもしれません。定期的に支給される児童手当は年間総額にするとまとまった金額になります。ただ、今までの制度では保護者の収入に伴う支給制限もあり児童手当を受けることができない世帯も少なくなかったでしょう。
このたび児童手当の拡充が行われ、保護者の所得制限は撤廃されました。また、さらに中学生までだった対象者が高校生年代も支給対象者となりました。
さらに、支給額も増額されています。
◆改正点の詳細は
①支給対象が拡大(所得制限の撤廃、年齢上限の拡大)
これまでの児童手当は各世帯の主たる生計者の所得額に応じて支給額が制限されていました。主な生計者の収入が一定額を超える場合は子供の年齢に関係なく、児童手当の額が下がるか支給されなくなるとされていました。このような所得による制限を撤廃することとし子供を養育するどの家庭にも児童手当を支給するのが一つの大きな改正点です。
②年齢制限と支給額の拡大
いままでの児童手当は中学校卒業(15歳になった後の最初の3月末日)までが支給対象となっていましたが今後は子供が高校生年代(18歳に達する日以後の最初の3月末日まで)になるまで支給されます。
支給される金額は月1人当たり0~2歳は1万5千円、3歳~小学生1万円、中学生1万円、新しく設定された高校生年代1万円、第3子以降は0歳~18歳3万円に増額されました。
③支給時期の変更
児童手当の支給時期が年3回から隔月(偶数月)の年6回に変更されました。
新たに児童手当の支給対象となる方は、令和7年3月31日までに市区町村へ申請を行うと令和6年10月分から手当を受けられます。
税務トピックス 2024月12月24日
中国税理士会(田中一宏会長)の調査研究部はこのほど、会員税理士を対象に実施した税務調査に関するアンケートの結果を公表しました。それによると、実地調査がわずか1日で終わったと回答したのは全体の10.2%。その一方で、10日以上の長期間におよんだ割合も8.9%に上りました。
全体のうち、実地調査が1日で終わった割合は10.2%、2~3日は42.2%、4~5日は27.6%、6~9日は11.1%、10日以上は8.9%でした。それぞれの割合を合算すると、全体の7割程度は「2~5日」で調査が終了しており、約8割が「2~9日」で終了、9割以上が「10日未満」で終了している計算となります。
税目別では資産税の実地調査が比較的短く、1日が40.5%、2~3日が37.8%などとなっています。その一方で、法人税の税務調査は長期化しやすい傾向にあり、1日で済んだケースはわずか4.1%。6~9日が12.1%、10日以上が10.5%となっています。
調査件数に占める申告是認割合は29.5%。重加算税の適用割合は全調査のうち14.4%で、修正申告があった納税者の中での割合は20.6%を占めています。重加算税を適用された税務調査のうち7.5%で税理士が「不満」を持っていたそうです。
アンケートの対象となった調査2241件のうち、調査対象の納税者本人ではなく取引先などの関係者に調査する「反面調査」が行われたケースは435件。この反面調査で生じた問題としては、「調査が長期化した」(173件)、「納税者と反面調査先との関係が悪くなった」(22件)などが挙げられています。
<情報提供:エヌピー通信社>
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