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コラム 2024月10月15日
◆47都道府県で50円~84円の引上げ
令和6年地域別最低賃金改定額が中央最低賃金審議会で取りまとめられ公表されました。各都道府県労働局長の決定により10月1日より順次発令されます。
地域別最低賃金の全国整合性を図るため目安額のランクを設けていますが、3区分の改定額を見て行くとAからCの47都道府県すべてが50円以上引き上げられ、引上げ幅の最高は徳島県の84円でした。額では東京都が時給1,163円と最高です。
最高額1,163円と最低額951円の金額差は212円です。差の割合は81.8%と地域格差は少しずつ改善しています。
◆28県で目安を上回る回答相次ぐ
近年最低賃金は引上げの流れが続いていますが、消費者物価の上昇が大きいことも背景にあり、最低賃金引上げ幅も上昇しています。目安を上回る引上げが賃金の低い地方で相次ぎました。少しでも近隣の地域より高くすることで地域経済を活性化して若年層の流出を防ぎ、労働人口を確保するためには目安より高い金額が必須と上乗せした回答が27県ありました。引上げ幅の全国加重平均額は51円で過去最高となっています。
◆令和6年度の改定額は以下の通り
・50円改定 東京1163円 神奈川1162円 埼玉1078円 千葉1076円 北海道1010円 宮城973円 栃木1004円 群馬985円 富山998円 山梨988円 長野998円 静岡1034円 愛知1077円 三重1023円 滋賀1017円 京都1058円 大阪1114円 奈良986円 岡山982円 広島1020円
・51円改定 石川984円 岐阜1001円 兵庫1052円 和歌山980円 山口979円 福岡992円
・52円改定 茨城1005円 香川970円
・53円改定 福井984円
・54円改定 秋田951円 新潟985円 熊本952円
・55円改定 青森953円 山形955円 福島955円 高知952円 大分954円 長崎953円 宮崎952円
・56円改定 佐賀956円 鹿児島953円 沖縄952円
・57円改定 鳥取957円
・58円改定 島根962円
・59円改定 愛媛956円 岩手952円
・84円改定 徳島980円
コラム 2024月10月15日
◆従業員の住所変更時の社会保険の手続き
社会保険に加入している会社で、従業員から転居等により住所変更をした旨の知らせがあった場合は、所定の届出が必要です。
「健康保険・厚生年金保険被保険者住所変更届」を年金事務所に届けます。そして、住所変更を届け出る従業員に被扶養配偶者がいる場合、上記届出書と一緒に「国民年金第3号被保険者住所変更届」も提出します。これらの届出書は、持参・郵送・電子申請のいずれかで手続きします。
なお、社会保険とマイナンバーの紐づけができている従業員については、住所変更の手続きをする必要はありません。
適正に住所変更をしておかないと、年金に関する重要な通知(「ねんきん定期便」など)が本人に届かなくなったり、必要な本人確認ができなくなったりしますので、遅滞ない届出が必要です。
◆給与計算(所得税計算)のための住所変更
住所の変更そのものが毎月の給与計算に影響を与えることはありませんが、住所の変更に伴い扶養家族が増えたり減ったりすることも少なくありません。扶養家族の人数が変われば毎月の源泉所得税の計算にも影響してきます。住所変更があった場合は、改めて「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告扶養控除等申告書」を提出してもらうか、変更箇所の書き直しを、遅滞なくしてもらってください。
◆住民税の届け出は必要か?
住所変更先がこれまでとは違う他の市区町村となる場合によくある質問が、「住民税の特別徴収の変更手続きは必要か?」という問い合わせです。
結論から言うと、住民税の特別徴収は当年1月1日に居住していた自治体(=旧住所)に課税権があり続けますので、変更届は不要です。年の途中に他の市区町村に引っ越ししても、住民税の納付先(=会社が給与から特別徴収して会社が納付する)は変わりません。
新しい住所先での住民税は、会社が各従業員の翌年1月1日に住所地がある自治体に「給与支払報告書」を1月末までに提出し、それをもとに新住所のある自治体で課税が始まります。年末調整確認用の「扶養控除等(異動)申告書」に正しい現住所の記載があれば、翌年から適正に住所地のある自治体から住民税が課税されることになります。
税務トピックス 2024月10月8日
中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)による節税手法が10月1日から一部封じられました。これまでは解約と再加入を繰り返すことで何度でも掛金を損金算入できましたが、今後は解約後に損金算入できなくなる期間が設けられ、節税目的での利用が制限されます。
経営セーフティ共済は中小事業者の連鎖倒産を防ぐための制度で、加入者は取引先が倒産した際に、無担保・無保証人で掛金の最大10倍(上限8千万円)の金額を借りることができます。掛金は月額5千円から20万円までの範囲で選べ、その全額(年間最大240万円)を損金算入することが可能です。
同共済では、解約時に解約手当金を受け取れます。解約事由や加入期間に応じて支給率は異なり、自己都合の解約でも掛金を12カ月納めていれば総額の8割、40カ月以上であれば全額が返還されます。
こうした仕組を踏まえ、共済制度としてだけではなく、多くの事業者に節税策としても活用されています。積立金が上限に達した時点で共済を解約して再加入すれば、掛金の損金算入を繰り返せるからです。
解約時に受け取る手当金は収益扱いとなりますが、赤字の会計期間に解約すれば課税を免れることが可能。また、役員退職金など大型の経費を計上した際に解約して相殺する方法も考えられます。
中小企業基盤整備機構によると、2022年度の任意解約3万2570件のうち、解約手当金が100%支給される加入後3年目と4年目の解約件数は計1万775件で全体の約3割を占めたそうです。解約から再加入までの期間が1年未満のケースが72.1%、1年以上2年未満が11.5%で、2年以内に再加入する割合は8割以上となっています。2024年度の税制改正で、解約後に再加入しても解約から2年が経過するまでは掛金の損金算入を認めないこととなりました。
<情報提供:エヌピー通信社>
コラム 2024月10月8日
◆離婚件数は年々減少傾向
離婚とは、夫婦が法律上成立している婚姻関係を解消することを言います。近年離婚件数は増えていると思う方がいらっしゃるかもしれませんが、実は2013年の離婚件数が約23.1万件、2020年には20万件を切り、2022年は約17.9万件と年々減少傾向にあります。ただ、婚姻件数も減っており、2013年には約66.1万件、2022年は約50.5万件とのことです。
今回は離婚と税との関係について、基本的な部分をご紹介したいと思います。
◆慰謝料や財産分与と税金
離婚の際の慰謝料とは、有責側が相手方の離婚によって被る精神的苦痛に対して支払うお金のことです。慰謝料は非課税となりますから、税金は発生しません。
財産分与とは、離婚をしたとき相手方の請求に基づいて財産を渡すことです。離婚により相手方から財産をもらった場合、通常贈与税がかかることはありません。ただし、分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多すぎる場合はその多すぎる部分に、離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認定された場合は、離婚によってもらった財産すべてに贈与税がかかります。
また、財産分与が土地や建物などで行われたときは、分与した人には譲渡所得の課税が行われることになります。
◆養育費と扶養控除
元妻が親権を持っている子の養育費を元夫が負担しているとき、同じ場所に暮らしていなくても、元夫が子の扶養控除を受けることができます。扶養控除については親権とは異なり「生計を一にしている」かどうかで判定しています。そのため、扶養義務の履行として支払われる場合や、子が成人に達するまでなど一定の年齢等に限って支払われる場合には、常に生活費等の送金が行われていると判定されるため、親権を持っていない側の扶養控除の対象にしてもかまいません。
ただし、扶養控除を受けられるのは1人のみです。例えば子が1人のみで、元妻が扶養控除を受けている場合、元夫も扶養控除を受ける、ということはできません。
税務トピックス 2024月10月1日
国税庁はこのほど、2023年度の租税滞納状況を発表しました。滞納発生割合は全体のわずか1%で、国税の99%が期限内に納付されています。新規発生滞納額は約8千億円でピーク時(92年度)のほぼ4割にまで減少。滞納残高は前年度比3.7%増の9276億円で4年連続の増加となりました。
23年度の徴収決定済額(申告などにより課税されたものの額)は79兆6531億円で、これに占める新規発生滞納額の割合、いわゆる「滞納発生割合」はわずか1%にとどまりました。滞納発生割合は14年度以降、1%前後の低い水準で推移しており、国税の99%が期限内に納付されています。
23年度の新規発生滞納額は前年度比11.1%増の7997億円で、89年度以降で最も少なかった13年度の5477億円と比べると10年間で約1.5倍に増えているものの、ピークだった92年度の1兆8903億円と比較すれば約4割にまで減少しました。
22年度から繰り越した滞納残高は8949億円、23年度中の整理済額は前年度比8%増の7670億円で、年度末時点での滞納残高は同3.7%増の9276億円となりました。滞納残高は、98年度の2兆8149億円をピークに減少を続け、19年度には7554億円にまで減りました。しかし、翌20年度には22年ぶりに増加へと転じ、23年度まで4年連続で増え続けています。
税目別の滞納残高は、所得税が前年度比4.3%増の3815億円、相続税が同6.1%増の560億円、消費税が5%増の3580億円と、軒並み増加傾向を示す一方で、法人税は同2.7%減の1233億円となりました。他の税目では整理済額が新規発生滞納額を下回り、滞納残高を積み増す結果となりましたが、法人税の徴収・納付は順調に進み滞納残高を減らしています。
<情報提供:エヌピー通信社>
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