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税務トピックス 2020月02月18日

「居住者」判定で納税者勝訴

 複数の国で仕事をしていた日本国籍の納税者が所得税法上の「居住者」として日本で税務申告すべきか否かが争われていた裁判で、東京高等裁判所は「非居住者」とする納税者の主張を支持し、国側の控訴を棄却する判決を言い渡しました。主な拠点であるシンガポールで申告すればよく、日本の確定申告は不要としています。

所得税法では、国内に住所があるか、または居住の場所を1年以上持つ個人を「居住者」、それ以外の人を「非居住者」として、居住者を課税対象とすることとしています。裁判で国と争った日本国籍のAさんは、日本と外国に複数の法人を設立。日本の滞在日数は毎年100日前後で、それ以外の日は日本とは別に居住の場所があるシンガポールとアメリカに滞在していたほか、シンガポールを拠点にインドネシアや中国にも視察などで渡航していました。Aさんはシンガポールが生活の主な拠点と判断し、同国に居住者として税務申告。一方で、日本の「非居住者」であるという認識のもと、日本の税務署には確定申告しませんでした。

争点はAさんが日本の「居住者」であるか否かという点です。その判定に当たっては、滞在日数と住居、職業、生活を一にする配偶者やその他の親族の居所、資産の所在、その他の事情の5つの観点から判断すると裁判所は判示し、それぞれ事実を当てはめて判断した結果、Aさんの主張を支持する判決を下しました。

滞在日数についての国税当局の主張は、国ごとの日数を見ると日本が最も長期だった年もあることから、日本がAさんの主な拠点であるというもの。しかし裁判所は、Aさんがシンガポールを拠点にしてインドネシアなどの国に短期渡航を繰り返していることから、インドネシアなど他国での滞在もシンガポール滞在と実質的に変わらないとしました。

資産の所在については、Aさんの資産のほとんどが日本にあったことから、国税当局は日本が主な拠点であると主張。これに対して裁判所は、日本国籍を持つAさんが、妻や子がいる日本に最も多くの資産を持っているのは自然なこととして、当局の判断を一蹴しました。妻や子が日本にいることについても、妻たちの生活の便宜や子どもの教育上の配慮によるものであるので、居住者判定に大きな影響は与えないとしました。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2020月02月11日

《コラム》令和2年度税制改正大綱 個人所得課税(一般)編

◆個人課税は「人生100年時代」を意識
令和2年度の税制改正大綱が公表されました。個人課税は、人口減少・少子高齢化が進む中での「人生100年時代」に相応しい税制づくりを意識したものとなっています。

◆低未利用地等を譲渡した場合の特別控除
高齢化の進展に伴い、所有者自身が利用する意向のない土地の増加が予想されることから、特別控除制度が創設されました。
個人が都市計画区域内にある低未利用土地等を譲渡した場合において、一定の要件を満たすときは、長期譲渡所得金額から100万円を控除することができます(建物譲渡部分については適用されません)。

◆配偶者居住権等に係る譲渡所得の取扱い
令和2年4月より施行される民法の「配偶者居住権」「配偶者敷地利用権」について、取得費の取扱いが明記されました。
・配偶者居住権等の消滅時(対価受領)
居住建物等の取得費×配偶者居住権等割合-減価の額(居住権の設定日~消滅日)
・配偶者居住権等の消滅前
居住建物等の取得費-配偶者居住権等の取得費

◆未婚のひとり親に対する税制上の措置
昨年の改正で持ち越しとなっていた「未婚のひとり親」の寡婦(夫)控除は、令和2年分より控除できることとなりました。
適用要件は死別・離別の場合と同様です。寡婦に寡夫と同じ所得制限(500万円)が設けられます。

◆国外中古建物の不動産所得の損益通算特例
富裕層を中心に広まっていた国外不動産を利用した租税回避の防止策として、個人が国外中古建物を有する場合には、不動産所得の計算上、その損失額のうち国外中古建物の償却費相当額(簡便法適用)は、生じなかったものとみなすこととなりました。

◆住宅ローン控除の適用要件の見直し
新規住宅に居住した3年目に従前住宅等を譲渡した場合に、一定の措置法特例の適用を受けているときは、住宅ローン控除の適用はできないこととなりました。

◆その他の改正項目
国外居住扶養親族の扶養控除、医療費控除の添付書類の見直し等が図られています。

コラム 2020月02月11日

《コラム》令和2年税制改正大綱 法人課税編

◆オープンイノベーション促進税制の創設
今回の税制改正の目玉とされたのが、法人からベンチャー企業への投資優遇税制。
企業の枠を越えた「オープンイノベーション」を促進するため、青色申告法人が設立10年未満の一定の非上場企業の株式(特定株式)に1億円(中小企業は1,000万円)以上の投資を行い、その株式を期末まで保有した場合には、株式取得額の25%相当額を課税所得から控除できるようになりました(大企業は、特別勘定の経理が必要)。
ただし、取得から5年以内に譲渡等を行った場合には、益金算入となります。

◆「賃上げ・投資促進税制」等の要件見直し
収益が拡大しているにもかかわらず賃上げにも投資にも消極的な大企業に対する研究開発税制等の適用を停止する措置の「設備投資要件」が、次のように改正されます。
・国内設備投資額>当期減価償却費総額×30%(改正前10%)
また、大企業に対する「賃上げ・投資促進税制」の「設備投資要件」についても、次のように改正されます。
・国内設備投資額≧当期減価償却費総額×95%(改正前90%)

◆5G導入促進税制の創設
次世代通信規格「5G」の整備を急ぐため、大手通信会社等の全国5G基地局の前倒し整備や工場内の「ローカル5G」の整備に係る一定の投資について、税額控除(15%)又は特別償却(30%)制度が創設されました。

◆連結納税制度の見直し(グループ通算制度)
連結納税制度について、企業グループ全体を一つの納税単位とする現行制度に代えて、企業グループ内の各法人を納税単位としつつ、損益通算等の調整を行う「グループ通算制度」へ移行することとなりました。

◆地方拠点強化税制の見直し
地方拠点強化税制における雇用促進に係る措置について、移転型事業の上乗せ措置における雇用者1人当たりの税額控除額が3年間で最大120万円(現行:90万円)に拡充されます。

◆接待飲食費の特例は大企業に限り廃止
交際費の損金不算入制度は、適用期限が2年延長となりましたが、接待飲食費に係る損金算入の特例の対象法人から資本金100億円を超える法人が除外されました。

コラム 2020月02月4日

《コラム》人材確保と流出防止のため仕事と介護の両立支援を

◆あなたの会社にサンドイッチ世代は何人?
サンドイッチ世代とは、子育てと親の世話を同時に行っている世代のことです。40代、50代という企業の中核を担う世代でありながら、育児と介護の負担によって仕事と両立できず離職してしまう……そんなリスクをもった世代ともいえます。近年では女性だけではなく男性の介護離職の割合が高まっており、この離職防止のための両立支援を重要視する企業が増えています。

◆育児と介護の支援は同じ??
仕事との両立支援として、育児と介護は同様に重要な観点ですが、その内容は大きく異なります。例えば、育児は準備期間があり子供が成長すれば一定の区切りがつきますが、介護はある日突然で、どのぐらいの期間続くのか見通しがつかない場合がほとんどでしょう。一方で、介護は育児よりも日々の時間的な制約が緩やかともいわれています。介護の現状は多様であり、育児と同じ施策のラインナップでは十分とはいえず、従業員の状況を把握したうえでの施策の検討が必要です。
では、どのような支援策があるのでしょうか。

◆中小企業に特化した助成金の活用
従業員には、93日間の介護休業があります。この休業期間は、介護のためだけではなく、働きながら介護できる体制作りのための期間でもあり、必要なタイミングで取得できるよう3回まで分割が可能です。介護休暇制度や介護休業中に受けられる介護休業給付金(休業開始前賃金の67%相当)もあります。
企業に対しては、「介護離職防止支援助成金」の制度があり、今年度は中小企業に特化し、支給上限を拡大する改正が行われました。具体的には、「介護支援プラン」を策定したうえで、例えば、従業員が介護休業を取得する、あるいは新たに介護のための制度(フレックスタイム制度や労働時間短縮制度など)を導入、活用するなどの要件を満たすと、36万円(1年度5人以内)までの助成金が受けられます。
(制度詳細は⇒https://www.mhlw.go.jp/content/000527589.pdf)

コラム 2020月02月4日

富裕層の申告漏れ平均1436万円

平成30年7月からの1年間で「富裕層」に対して5313件の所得税調査が実施され、1件当たり1436万円の申告漏れ所得が発覚したことが、国税庁がこのほど公表した報告書で分かりました。富裕層以外への調査も含めた1件当たりの平均申告漏れ所得と比べると約400万円多い金額です。特に海外投資や海外取引をしていた者への調査で発覚した申告漏れは高額となっています。

国税当局は、有価証券・不動産などの資産の大口所有者や、経常的に所得が高額な個人を「富裕層」と位置づけて重点的に調査。平成30年度の所得税の実地調査(特別・一般)5万130件の1割以上が富裕層をターゲットとしたものでした。

富裕層への調査で発覚した申告漏れ総額は763億円で過去最多。1件当たりの申告漏れ所得は1436万円、追徴税額は383万円で、全体平均の申告漏れ1045万円、追徴180万円と大きな差が出ています。

富裕層の中でも海外投資や海外取引をした者に限れば、1件当たりの申告漏れ所得は3819万円、追徴税額は914万円にまで跳ね上がります。資産運用の国際化が進んでいることから、国税当局では富裕層の海外投資への監視を強化しているそうです。

<情報提供:エヌピー通信社>

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