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税務トピックス 2019月03月26日

被災建物の解体、自治体負担でも非課税

災害で被害を受けた家などを解体する際、その費用を自治体が負担しても所有者には所得税が課されないとする見解を、広島国税局が出しました。納税者からの質問に文書回答したもの。

質問は、昨年7月に甚大な被害をもたらした西日本豪雨で被災した建物について、自治体が公費で解体撤去を行った時に、本来自分がやるべき解体撤去を自治体に肩代わりしてもらった所有者に経済的利益は発生しないのかという内容でした。

広島国税局は、「非常災害時にあっても、損壊家屋の撤去などは原則として所有者が実施すべき」として、自治体が公費で解体撤去を行えば「所有者に撤去等に要する費用に相当する額の経済的利益が生ずる」との解釈を提示。その上で、所得税法や通達では、災害による損害に対する社会通念上相当の見舞金は所得税が課されないと規定されていることを踏まえ、二次災害の原因になり得る建物を自治体が撤去することは社会通念上相当と認められ、それによって所有者が受ける経済的利益に所得税は課されないとの見解を示しました。これは所有者が自治体に撤去を事前要請して実施してもらう場合でも、すでに自費撤去をした建物について後から費用を請求する場合でも共通するとのことです。

ただし注意点として、自費で建物を撤去して後から費用を請求するケースでは、受けた損害の一部を所得から差し引く「雑損控除」を使う際、返ってきた金額分を差し引く必要があります。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2019月03月26日

《コラム》毎月勤労統計の不適切調査

◆毎月勤労統計調査の問題発覚

昨年12月に発覚した、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の調査方法が誤っていた事が分かり、失業給付等の過少給付に繋がったとしてニュースになっていました。
毎月勤労統計調査は従業員の賃金の変化等を把握するために実施されています。調査対象は全国の従業員5人以上の事業所で、5~499人の事業所は無作為に抽出し、500人以上の事業所すべてと合わせて約3万3,000事業所となります。
調査は都道府県を通じて実施していますが、15年前の2004年から東京都内の従業員500人以上の事業所については3分の1程度しか調査をしていませんでした。その理由は明らかにされていません。
問題が発覚したきっかけは、昨年12月、厚生労働省の担当職員が総務省の統計委員会のうちあわせで、「東京以外の地域でも500人以上の事業所について抽出調査を実施したい」と述べた事だとされています。これが重大なる違反と指摘され問題が表面化しました。

 

 

◆過少給付延べ1,973万人、567億円

規模の大きな企業は賃金水準が高い傾向にあり、このため多くの事業所を調査していなかった事により統計の平均給与額が本来よりも低く算出されました。これが雇用保険や労災保険の給付する際の算定根拠になっているので給付水準が下げられました。職員は不適切と知りながら組織全体での情報共有はなされていなかったと言います。
過少給付の対象者は延べ1,973万人、総額は537.5億円に上ります。政府は過少給付のあった方には不足分を追給します。

 

 

◆雇用保険や労災保険の給付に影響

過少給付で多かったのは雇用保険で延べ約1,900万人に計約280億円、休業補償等労災給付は延べ約72万人に計約241.5億円ありました。船員保険でも約1万人に約16億円の不足がありました。追加給付1人当たり平均額は雇用保険が1,400円、労災年金給付で9万円に上りました。
統計調査が実態とかけ離れていたのでは本来の給付に大きく影響してしまいます。1人1人の不足金額は大きくないものの、統計に対する信頼を失わせた事が大きいと言えるでしょう。

コラム 2019月03月19日

《コラム》年次有給休暇の時季指定の扱い

◆働き方改革と時季指定権
 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律で改正後の労基法では、使用者による年5日の年次有給休暇の時季指定権が定められました。
 2019年4月より労働基準法の改正により年次有給休暇の日数が10労働日以上である労働者にかかる年次有給休暇日数の内、使用者が5日の年休の時季指定権を行使しなければならなくなります。その場合、企業で計画年休制度を入れて年休を付与したり、従業員が自分で年休請求をして休んだ場合等、その日数は時季指定権から外して考えられるのでしょうか。

◆計画年休が付与されている場合
 計画年休とは付与された年次有給休暇の内、5日を超える分について労使で協定して計画的に休暇取得日を割り振る事ができる制度ですが、この計画年休の日数は時季指定権の5日から除く事ができます。また労働者本人が時季指定した年休も同様に除く事ができます。

◆半日休暇を取得又は付与した場合
 労働者本人の希望で半日の年休を取得した場合は、これに使用者が同意し本来の取得方法により休暇取得の阻害にならない範囲で適切に運用される限りにおいて問題が無いものとして取り扱うとされており、半日年休については使用者又は労働者が時季指定しても良い事とされています。その場合は0.5日と扱われます。

◆時季指定日に労働者が出勤した場合
 使用者が新労基法で定められる年5日の年次有給休暇の時季指定に違反すると対象労働者1人につき30万円以下の罰金が予定されており、今までには無かった罰則です。
 しかし使用者が時季指定しても、業務繁忙等を理由に労働者が出勤してしまう事もありうる事です。当日の労務提供義務は無いので帰宅をさせるのが前提ですが、労務の提供をさせた場合でも、その後年5日の時季指定権年休が付与できれば違反とは言えないでしょう。
 通達によれば年度当初に労働者の意見を聞いた上で年次有給休暇計画表を作成し、これに基づき年次有給休暇を付与する事等が考えられるとされていますが、年休取得状況を把握する為には年休取得管理簿は必須となるでしょう。

コラム 2019月03月19日

《コラム》学生アルバイトの社会保険適用

◆アルバイト学生の社会保険加入は
 アルバイトで働く方であっても、労働時間や出勤日をその会社の正社員と比較してそのアルバイトの1週間の所定労働時間及び1か月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上であれば健康保険・厚生年金に加入させなければなりません。
 しかし、学生アルバイトの場合はどうでしょうか? 「学生の本分は勉強でありアルバイトは空いた時間に従事しているだけだから社会保険に加入させなくともよい」と考えがちです。しかも学生自身、親の扶養家族になっているのが一般的ですので本人が社保加入を考える事はないでしょう。
 親の健保の被扶養者である所得要件は年収130万円未満であり、勤務状況が上記の加入義務要件を満たした場合は健康保険・厚生年金保険の加入対象者になります。社保加入を避けるためには労働時間や出勤日数の軽減を検討する事になります。

◆アルバイト学生の雇用保険加入は
 労災保険や雇用保険はどうでしょうか?労災保険は正社員、アルバイト・パート、日雇労働者等名称に関係なく労働者であれば全員が適用になります。会社は学生アルバイトが業務上や通勤途上でけがをした場合は労災保険を適用します。
 雇用保険の加入要件は、1)週の所定労働時間が20時間以上である事、2)31日以上の雇用見込がある事の2つでアルバイトでも加入対象者です。原則として昼間学生は雇用保険の加入義務はありませんが、1)適用事業所に雇用され卒業後も引き続き当該事業所に雇用される事となっている人、2)休学中の人、3)定時制課程の学生 4)前1~3に準ずる者として職業安定局長が定める場合は加入義務があります。

◆所得による国民年金学生納付特例の有無
 20歳以上で学生の期間中は国民年金保険料の納付特例を使って納付猶予をしている方も多いと思います。これを使う場合の学生本人の所得要件ですが、118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等以下であれば国民年金保険料納付特例制度が利用できます。ちなみにアルバイト収入が年103万円を超えると所得税がかかります。

税務トピックス 2019月03月12日

ふるさと納税の法規制は6月から

 「ふるさと納税」の新たな規制ルールが、今年6月から実施されます。税優遇が適用される寄付先を総務省による認定制に改め、「返礼品の価値は寄付金額の3割以下」「返礼品は地場産品に限定する」という基準を満たさない自治体を税優遇の対象から外します。自治体間による〝寄付争奪戦〟に歯止めがかからないとして、法規制による強権発動に踏み切った形です。

 ふるさと納税制度は、任意の自治体に寄付をすると、一定額まで住んでいる土地に納める税金が控除されるというもの。実質手数料の2千円のみで高額な返礼品が獲得できるとして、納税者の人気を集めてきました。

 政府が閣議決定した税制改正大綱では、この制度の対象となる自治体を総務大臣による指定制に改めるとしました。その条件として、①返礼品の返礼割合を3割以下とすること、②返礼品を地場産品とすること――と掲げ、自治体がこれらの基準に適合しない返礼品を送ったときは、総務大臣は指定を取り消せると盛り込みました。指定が取り消されると、寄付した人は税優遇を受けられず、純然たる寄付となってしまうわけです。これらの改正は、今年6月1日以後に行われる寄付に適用されます。

 これから法規制が実施される6月に向けて駆け込み寄付が増えていきそうですが、すでに多くの自治体では高額返礼品の見直しを進めているため、〝お得〟な返礼品は日に日に少なくなりつつあります。今年に限ってはなるべく早めに寄付をしてしまったほうがよさそうです。

<情報提供:エヌピー通信社>

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