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税務トピックス 2019月08月27日

一般社団法人ブームが下火

2008年の制度改革から右肩上がりで伸びてきた一般社団法人(一社)の新設数が、改革後で初めて前年を割り込みました。東京商工リサーチの調査で明らかになりました。一社に個人資産を移すと相続税負担を抑えられるため、一社を利用した節税スキームが資産家の間でブームとなっていましたが、18年度税制改正で一定の要件を満たす同族法人については相続税を課すよう見直されたことが新設数の減少の原因とみられます。

東商リサーチの調べによれば、18年に新しく設立された一社の数は5982法人でした。前年から6.3%のマイナスで、同社が調査を始めた08年以降では初めて前年を下回りました。主な法人格に占める一社の割合は4.7%となっています。

08年に制度改革が行われるまで、社団法人や財団法人は、官庁が定める厳しい基準を満たし、最低でも億単位のお金を保有していないと設立できないものでした。しかし改革で誕生した一般社団法人は、厳しい要件や設立資金が不要かつ登記のみで設立できるだけでなく、行政庁などの役所の監督を必要とせず、株式会社とほぼ同様に運営することができるようになりました。両者の違いとしては、株式会社は持分割合に応じて会社を所有する一方で、一社は持分がないので、誰も法人を所有していません。仮に法人を設立するときに資金を出した人がいても、それが剰余金や残余財産の分配という形で戻ることはありません。

この「誰のものでもない」という点を生かしたのが、一社を利用した相続税対策です。一社には持分がないので、どれだけ出資していても、法人の保有する資産や負債は出資者の所有物ではなく、相続税の対象になりません。

こうした仕組みを利用した相続税対策がリッチ層の間で話題となり、08 年の制度改革以降、一社の新設法人数は年々増加してきました。しかし18 年度税制改正では、一社を使った相続税対策について、①相続開始直前時点で、総理事数に占める同族役員数が2分の1を超えている法人、②相続開始前5年のうち3年以上で、総理事数に占める同族役員数が2分の1を超えている法人――については「特定一般社団法人等」と規定し、法人に譲渡された財産についても相続税や贈与税を課すとしました。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2019月08月27日

日税連「軽減税率は免税事業者を圧迫」

日本税理士会連合会(神津信一会長)はこのほど、2020年度税制改正に関する建議書を決定しました。建議書では特に強く主張する項目として、消費税の単一税率維持とインボイス(適格請求書)方式の見直しを訴えました。全事業者にインボイス方式が適用されると、税額控除ができない免税事業者は取引から排除される可能性が高く、「不当な値下げなどにより経営状態が圧迫される」と危機感を持って訴えています。

 

日税連は複数税率導入の議論が始まった当初から軽減税率反対を重要項目に盛り込んでいます。建議書では、複数税率の区分経理により事業者負担が増すことや、逆進性対策として非効率であることなどを理由に、「早期の見直しを図り単一税率制度にすべきである」と主張しています。逆進性への対応としては、あらかじめ国が一定額を入金したプリペイドカードを配布する方法や、一定額の簡素な給付措置など具体例を挙げて提案しました。

 

また一定の経過期間を経て導入される予定のインボイス制度については、「免税事業者が適格請求書等を発行できないことに伴い、不当な値下げ等により経営状態が圧迫されることのないよう対策を講じなければならない」として、抜本的な再検討を求めました。複数の税率ごとに詳細な記載が求められるインボイスは、事業者だけでなく「税務官公署にも多大な事務負担を課す」とした上で、税の専門家の立場から「現行の請求書に一定の記載事項を追加するだけで区分経理は十分可能」とインボイス方式の必要性を否定しました。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2019月08月20日

《コラム》マイ・タイムラインと中小企業防災・減災投資促進税制

◆マイ・タイムラインって何?

最近、地方自治体等が積極的にオススメしているのが住民の自主的な「マイ・タイムライン」の策定です。
マイ・タイムラインとは、風水害・土砂災害等の際の避難を促すためのもので、(1)ハザードマップを見て、自分の住んでいる場所で想定される災害を把握する、(2)防災気象情報をどこから・どんな方法で入手すればいいのか把握する、(3)避難に関する情報や気象に関する情報の度合いによって、どんな行動を取るのか書き込む、といった作成工程になります。
最近では会社で災害が発生した場合の行動について、手順書等を作っている企業も多いでしょう。要はその個人版です。共働きの家庭や、学校等への外出などで家族がばらばらの時にも「ウチはこういう状態ならばこんな行動を取ろう」と、一度作成しておけば慌てずに行動できるはずですから、是非一度マイ・タイムラインの策定を行ってみてください。

 

◆中小企業にも災害への事前対策を

平成31年度税制改正において、中小企業が行う災害への事前対策を強化するために、防災・減災設備を取得した場合に、20%の特別償却を認める新しい制度ができました。
機械装置(100万円以上)、器具・備品(30万円以上)、建物附属設備(60万円以上)の中で、災害への事前対策を強化するために取得する防災・減災設備が対象となります。
例えば、災害への備えとして設置する自家発電機や排水ポンプ、データバックアップシステムや衛星電話、貯水タンクや排煙設備等が対象になります。

 

◆計画の認定が必要となります

特別償却を受けるためには、経済産業大臣に、事業継続力強化計画を申請し、認定を受けることが必要になります。
なお、この制度を利用できるのは青色申告書を提出する中小企業等ですが、前3事業年度の平均所得金額が15億円を超える事業年度である場合は、適用除外事業者となり、制度が利用できませんのでご注意ください。

コラム 2019月08月20日

《コラム》パワハラ防止措置の義務と対策

◆パワハラ防止措置を企業に義務付け

令和元年5月に職場におけるパワハラ防止措置を義務付ける「労働施策総合推進法」が成立しました。パワハラに関してはこれまで定義や防止措置を定めた法律はありませんでしたが、パワハラを「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上かつ必要な範囲を超えたもの」と定義しました。事業主は労働者の就業環境が害されることのないよう、労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備や雇用管理上の措置を講じることを義務付けています。

 

◆従前の防止措置の見直しや改善の機会

この法律の条文ではパワハラの定義、事業主のパワハラ防止措置義務、事業主による不利益取り扱いの禁止、講ずべき措置を指針で定め、事業主は防止のための研修の実施やその他の配慮等をするよう規定されています。しかし何がパワハラか、何の措置をするのかは明確ではありません。具体的には指針で示されるとされています。
企業はパワハラにおいて「相談者の訴えがパワハラに該当するのか否か」「パワハラと業務上の指導との線引きはどこか」というのがわかりにくいものです。今後示される指針においてもパワハラの線引きは難しいのではないかと思われます。パワハラに該当するか、どこまでが業務上の指導なのかは各企業の業種、風土、状況、目的、必然性、立場等背景が様々だからです。各企業によって、うちにとってこれはパワハラに当たるのか、このような行為は好ましくないのではないかを考えることで、企業と従業員が納得できる認識を持てるようにすることが理想ではないかと思います。

 

◆事業主は安全配慮義務を負う

パワハラは職場環境を悪化させ従業員の心身の健康を損なう危険を有するものです。
パワハラは上司から部下に対するものばかりではなく、対等な従業員間でのいじめや嫌がらせ等深刻な事態になりそうな時は安全配慮義務から指導も必要でしょう。また指導義務の直接の対象ではないものの顧客や取引先におけるカスタマーハラスメントも耳にします。一方で自社社員が加害者にならないとも限りません。このように事業主は相談体制や研修を通じ多面的にハラスメントに対する防止措置を果たすことが必要とされてくるでしょう。

コラム 2019月08月13日

《コラム》消費税増税対策 プレミアム付商品券とは?

◆バラマキと揶揄されても再登場

今年10月1日から、2020年3月31日までの半年間の有効期間で、国主導のプレミアム付商品券が使用可能となります。発行は各地方自治体となっており、使える場所はその地方自治体のエリア内の小売店となります。このプレミアム付商品券は、過去を遡れば「地域振興券」として1999年4月から9月に流通したものがありました。景気浮揚策として採用されましたが、「あからさまなバラマキである」と、政権与党を批判する論調が非常に多く、未だその印象は払拭できていませんが、消費税改正に併せて「消費税増税に対しての低所得者や子育て世代への影響緩和」を目的として、再度登場の機会を得たようです。商品券に付与されるプレミアム分は政府が支出する税金ですから、商品券を使った人は実質的な減税となる、といった具合です。

 

◆今回の適用者とお得感

今回、プレミアム付商品券が購入可能な対象者は
①住民税(均等割)非課税世帯
②2019年9月30日の時点で0歳~3歳半の子供が居る世帯
となります。2019年度住民税非課税の方には申請書が郵送され、必要事項を記入して返送すれば、審査の後購入引換券が届くのでそれを利用します。子育て世帯には直接購入引換券が届くようです。
購入に関しては、5,000円分が4,000円で買える上で、最大2万5,000円分まで購入可能(子育て世帯は子供1人につき2万5,000円まで)なので、5,000円分がお得なプレミアム部分となります。なお、1枚あたりの額面は500円、おつりが出ないので気を付けましょう。

 

◆消費税増税への対策は十分ですか?

国はプレミアム付商品券・食料品への軽減税率・キャッシュレス決済へのポイント補助・住宅ローン周辺の改正等、消費税増税に対しての買い控え等、景気の冷え込み対策を数多く準備しています。この10月からの景気の動向にも注視しつつ、自分がどういう施策に該当するのか、どのような手続きを取ればいいか等、今のうちに確認をしておきましょう。

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