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税務トピックス 2016月12月13日

国外居住親族の確認の手間増大

今年の年末調整では、社員が適用する扶養控除、配偶者控除、障害者控除、配偶者特別控除の対象親族が国外居住者(日本の非居住者)であるなら、会社は「親族関係書類」や「送金関係書類」を社員から受け取る必要があります。本来は控除対象でない人を対象親族として報告するケースが相次いでいたため、海外に住んでいる親族の確認方法が厳格化されたものです。

「親族関係書類」と「送金関係書類」は、親族が本当に社員(国内居住者)と同じ家計で生活し、送金がされているのかを確認するためのもの。親族関係書類は、戸籍の附票の写しや親族のパスポート、親族の氏名・住所・生年月日が記載された、外国の政府や公共団体が発行した証明書類を指します。送金関係書類は、金融機関が行う為替取引で社員から親族へ支払いが行われたことを示す書類か、クレジットカード会社が発行する、親族が商品を購入し、購入代金に当たる額を居住者から受け取ったことを示す書類などが該当します。

海外に扶養親族を持つ人が扶養控除や配偶者控除を受けるには、確定申告や源泉徴収、年末調整のときにこれらの書類をそろえて提出しなければなりません。書類が外国語で作成されているのなら、訳文を用意して提出します。書類をそろえる手間は本人が負いますが、源泉徴収や年末調整をするのは会社です。
<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2016月12月6日

会社債務の連帯保証や担保提供 社長に支払う債務保証料

◆会社が社長に支払う債務保証料
会社が金融機関から融資を受ける場合に、社長を保証人とするよう求められることがよくあります。
このような場合、社長が会社の保証人となったのだから、会社は社長に対して保証料として相当の金額を支払ってもよいのではと考えるのは自然な発想です。
問題となるのは、その保証料の「金額」。過去の税務訴訟では、この保証料としての「相当の金額」が争われたものがあります。

◆信用保証協会の年利率までは「相当」
この裁判の原告は消費者金融業を営む同族会社でした。この会社は、銀行借入の際に、代表取締役社長が連帯保証や担保提供を行っていたことから、社長に対して、その借入金の月初残高に月利率約0.167%(年利2%相当。民間の保証会社の保証水準)を乗じた金額を「支払利息」として支払い、損金の額に算入していました。
これに対して税務署側は、信用保証協会の最高保証率である年利率1%(当時)を超える部分を「役員報酬」と認定し、この部分が支給限度額を超過することから、損金算入を認めませんでした。会社側はこれを不服とし、裁判となりました。

◆役員による会社債務の保証の性質
裁判所は、原告の主張する民間保証会社の保証料率を参考にすることは相当でなく、税務署が主張する信用保証協会の保証料算出基準を参考とした率による処分を認めました。そもそも、会社の役員が会社の債務保証を行うのは、役員の信用力の提供自体を期待するものでなく「経営責任」上の問題であって、営利目的ではないのだから、営利目的である民間保証会社の保証とは著しい相異がある―というのが理由でした。

◆保証料を支払う場合の注意事項
この判例を見ると、信用保証協会の年利率までの保証料の支払いは認められそうですが、その「保証の必要性」、「融資の内容」、「保証範囲」等を勘案し、支払うことが適正と認められるような状況であるという「前提条件」が必要と思われます。
そのため、融資に当たり、会社に定期預金、不動産等の提供できる担保物がある場合や、既に他に十分な担保があり、役員個人の保証は単に形式的なもので危険負担をしている事情がないときは、保証料を支払っても単純損金とされず、役員給与とされるでしょう。

税務トピックス 2016月12月6日

相続税額の2割加算と養子

◆指摘の多いのが2割加算
相続税の基礎控除引き下げにより、課税対象者が大幅に増加し、国税庁では申告書の内容に誤りがあると疑われる場合に、納税者に文書を送付し申告書の見直しを促していますが、特に指摘の多いのが「相続税額の2割加算」のようです。

◆相続税額の2割加算
「相続税額の2割加算」とは、相続又は遺贈により財産を取得した者が、被相続人の一親等の血族及び配偶者、以外の者である場合に、相続税額を2割加算するとするものです。
一親等の血族とは父母や子を指します。このため、それ以外の者、すなわち、被相続人の兄弟姉妹が相続等で財産を取得した場合や、血縁関係がない者などに遺贈があった場合等に2割加算があるということになります。
また、孫も2割加算の対象ですが、被相続人の子が相続開始以前に死亡するなどし、代襲相続人となっている場合には2割加算は不要です。

◆一親等の法定血族でも孫養子は
一親等の血族には「養子」も含まれますが、例外があり、被相続人の直系卑属で被相続人の養子になっている者、つまり“孫養子”は2割加算対象外に含まれません(代襲相続人は除く)。
「養子」に2割加算はないが、“孫養子”に限っては2割加算があるというこの取扱いのところに間違いが多いようです。

◆孫養子類似の一親等の法定血族だが
国税庁の質疑応答事例に「被相続人の直系卑属でない者が養子となっている場合」の事例があり、ここでは「子の配偶者」が養子となっている場合に2割加算がないことを示しています。
すなわち、“孫養子”以外の「養子」は一親等の血族に含まれるため、例えば、「孫の配偶者」や「養子の養子縁組前の子(養子の連れ子)」が養子となっていても2割加算は不要です。

◆代襲相続でも2割加算される例
国税庁の質疑応答事例には、代襲相続した孫やひ孫で、遺贈があるので代襲相続人の地位を放棄した場合、この相続放棄者には2割加算除外の適用がない、という珍事例も紹介しています。(代襲相続の規定では放棄をなかったものとするとしていない。)

税務トピックス 2016月11月28日

百億円でも配偶者だけなら無税

◆配偶者の税額軽減
相続税では配偶者に対する税額軽減措置があります。被相続人の配偶者が取得した相続財産の課税価格が1億6千万円以下、又は配偶者の法定相続分相当額以下である場合には、配偶者に相続税はかかりません。
もし、相続人が配偶者のみの場合はどうなるのでしょうか。相続人が配偶者のみの場合には、配偶者の法定相続分は100%です。そうすると、相続財産が100億円とか1兆円とかの場合にも、税負担額はゼロということになります。

◆相続人が配偶者のみという状態
相続人が配偶者のみという状態は、親や子や孫、そして兄弟姉妹や甥姪もいない被相続人だったという場合だけでなく、他の相続人が相続放棄をした、又は他の相続人が相続欠格・相続廃除になった、という場合にも起き得ることです。

◆相続放棄の結果の配偶者単独相続
相続放棄者は、遡及的に相続人でなかったものと扱われ、その子供たちの代襲する権利もないものとされます。しかし、これは民法の扱いで、相続税法では、相続放棄は原則としてなかったものとして取り扱われます。従って、相続放棄があったことの結果としての配偶者の単独相続では、配偶者の法定相続分は100%にはなりません。

◆相続欠格・相続廃除とは
相続欠格・相続廃除も、相続人資格喪失事由です。相続欠格には、被相続人または競合相続人を死亡させようとしたり、被相続人に遺言書の作成や変更を詐欺や強迫によって強制したり、妨害したり、作成済み遺言書の偽造・変造・破棄・隠匿をした場合が該当します。
相続廃除には、被相続人に対する虐待・侮辱及び本人の著しい非行を原因とする家庭裁判所の廃除審判が必要です。生前の廃除申立と遺言による廃除申立があります。

◆相続欠格・相続廃除は民法どおり
なお、相続欠格・相続廃除の場合には、欠格・廃除とされた者の子供たちの代襲相続権は消滅しません。相続欠格・相続廃除の結果は逆に、法定相続人が増えることになる場合があります。
相続欠格・相続廃除の結果として配偶者の単独相続が生じた場合には、相続税法に別段の規定がないので、民法通りとなり、配偶者の法定相続分は100%です。この場合には、税負担額はゼロということになります。

税務トピックス 2016月11月28日

「生計を一にする」の定義

◆「生計を一にする」の解釈
「生計を一にする」という用語は、多くの税法で用いられています。ただし、税法そのもので、その定義はされていません。解釈通達での定義で済ませています。

◆法人税法では
法人税法では政令の同族関係者の範囲の規定で「生計を一にする」という用語が出てきます。法人税基本通達は、「生計を一にする」こととは、「有無相助けて日常生活の資を共通にしていることをいうのであるから、必ずしも同居していることを必要としない」とし、要約的に表現しています。

◆国税通則法・国税徴収法では
国税通則法基本通達では、「生計を一にする」とは、「納税者と有無相助けて日常生活の資を共通にしていることをいい、納税者がその親族と起居をともにしていない場合においても、常に生活費、学資金、療養費等を支出して扶養しているときが含まれる。なお、同一家屋に起居していても、互いに独立し、日常生活の資を共通にしていない親族は、生計を一にするものではない。」と定めています。
国税徴収法基本通達は、前半が同文で、「なお」以下部分は、「なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。」と逆の側面からの規定になっています。

◆関係の多い所得税法では
所得税法では、専従者関係の規定、雑損控除・医療費控除・各種保険料控除・人的控除などの所得控除の規定、その他多くの規定で「生計を一にする親族」の判定が係ってきます。
しかし、所得税基本通達での概念規定は、法人税、通則法、徴収法の各通達と異なり、「有無相助けて日常生活の資を共通にしていること」の概念の内包部分がありません。
外延としての「なお」以下部分は、「同一の家屋に起居していること」のほか、別居であっても「同一の家屋」が起居のために帰るべき場所であったり、別居先に「常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合」も含まれる、としています。

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