お知らせ/トピックスTOPICS

お知らせ 2018月07月9日

(前編)交際費等の損金不算入・少額減価資産特例は延長!

 2018年度税制改正において、適用期限に伴いそのまま廃止される措置と今回も期限を延長して引き続き実施される措置があります。
 そのうち、中小企業者等が活用しやすい措置である「交際費等の損金不算入制度」及び「少額減価償却資産の特例」(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)については、2020年3月31日まで延長することが盛り込まれておりますので、該当されます方はご確認ください。

 交際費等の損金不算入制度では、接待飲食費の50%まで損金算入が認められる特例及び交際費等のうち定額控除限度額(800万円)まで損金算入が認められる中小法人に係る損金算入の特例について、交際費が中小法人の事業に不可欠な経費であり、販売促進手段が限られる中小法人を引き続き支援する必要があるとして延長され、中小法人は接待飲食費の50%相当額の損金算入と定額控除限度額までの損金算入のいずれかを選択適用できます。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年5月9日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

税務トピックス 2018月06月26日

配偶者(特別)控除の変更点

◆平成30年から改正適用となります
 今年から、配偶者控除及び配偶者特別控除が改正されました。内容をおおざっぱに言うと「配偶者特別控除適用上限が140万円ではなくなった」ということになります。
 ただし、納税者本人(配偶者控除を受ける人)の所得金額によって、配偶者控除や配偶者特別控除の額が増減します。

◆本人の所得によって変動する配偶者控除
 まずは配偶者控除のみで条件を見てみましょう。
①本人の合計所得が900万円以下(給与収入のみで計算すると1,120万円以下)の場合→配偶者控除は38万円
②本人の合計所得が950万円以下(1,170万円以下)の場合→配偶者控除は26万円
③本人の合計所得が1,000万円以下(1,220万円以下)の場合→配偶者控除は13万円
④本人の合計所得が1,000万円を超える場合→配偶者控除は適用されません
※配偶者の所得はいずれも38万円以下(給与収入103万円以下)であることが条件

◆配偶者特別控除の変動
 今までは38万円超の配偶者の所得によって配偶者特別控除が受けられましたが、今回の改正によって本人の所得により、そのパターンが3つに分かれました。また、配偶者特別控除が受けられるのは所得123万円まで(給与収入のみで換算すると201万円まで)となる他、配偶者の所得が85万円(給与収入150万円)までは配偶者控除と同額の控除額となります。

・本人の所得900万円以下 →配偶者特別控除額:38万円~3万円
・本人の所得950万円以下 →配偶者特別控除額:26万円~2万円
・本人の所得1,000万円以下 →配偶者特別控除額:13万円~1万円
※本人所得が1,000万円を超える場合は、改正前と同じく配偶者特別控除は受けられない

◆「103万円の壁」は無くなったが……
 妻の収入が一定以上あると手取りが逆転したり、税金によって手取り額に差が出てしまう現象を「壁」とよく言いますが、最大の「壁」というのは「社会保険料負担」が発生することです。
 この壁は未だに130万円(場合により106万円)以上で発生します。社会保険料関係の法改正も早急にして欲しいですね。

コラム 2018月06月26日

つみたてNISAの公式キャラ決定

 金融庁は4月21日、投資で得た利益を長期にわたり非課税にする「つみたてNISA(ニーサ)」の公式キャラクターがワニの「つみたてワニーサ」に決定したことを発表しました。今後はワニーサを前面に押し出し、SNSやパンフレットを通じて制度の周知を図るそうです。

 ワニーサはしっぽの部分が「つみたて」のイメージを喚起する階段状になっているのが特徴。すでにワニーサ名義でツイッターを開始するなど広報活動を進めています。今後はイラストのバリエーションを増やし、露出の機会を増やすということです。

 つみたてNISAは、通常のNISAと同様に投資で得た利益にかかる税金が非課税となる制度ですが、1年当たりの投資上限額は通常型の120万円に比べて40万円と少額です。一方で非課税対象の投資期間は通常型の4倍の20年となっています。毎年少しずつ投資して長期で資産形成を狙う人向けの制度とされていることから、つみたてワニーサの性格は「慎重派」と設定されています。
<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2018月06月19日

【時事解説】利益に対応した経営責任

 IFRS(国際会計基準)や米国会計基準の影響を受け、平成23年から日本でも上場企業に対して「包括利益」が導入されました。
 包括利益は経営者の経営責任概念について、従来の利益とは大きく異なっていることに注意しなければなりません。最終的には「経営者が負うべき経営責任とは何か」という経営哲学の問題に帰着します。

 包括利益は損益計算書の当期純利益を受けて計算され、事業成績の最終結果である当期純利益に投資有価証券の時価や為替換算調整勘定の変動金額等を加えて計算されます。
 現在の会計基準では、投資有価証券の評価損益や為替換算調整勘定の変動金額は損益計算書には表示されず、貸借対照表上で直接処理されています。この会計処理のポイントは評価損益が損益計算書を通りませんから(減損の場合を除く)、当期純利益が変動しないところにあります。ところが、包括利益はこれらの資産価格の変動による損益を含めたものを「利益」として提示します。

 経営者の成績は期間中にどれだけ利益を上げたかで評価されます。その意味で、損益計算書の最終利益が重要です。投資有価証券の評価損益や為替換算調整勘定の変動金額を損益計算書に含めない会計基準の背景には、経営者は本業での実績で評価してほしいという考え方があります。経営者からすれば、「株価や為替相場は経営者が関与できない外部変数で、経営者の能力とは関係ない。経営者の評価は本業への貢献度に絞って評価されるべきだ。株価下落や為替相場変動による赤字計上を理由に経営者に責任を取れと言うのは理不尽だろう。」と主張するのです。

 しかし、株主の見方は違います。経営者は株主から財産を預かって株主財産を増加させることを委託されています。外部環境はどうであれ、その中で最高のパフォーマンスを示すのが経営のプロのはずです。株価の下落が予想されるなら、事業と関係ない株式はあらかじめ売っておくべきですし、それでもなお所有し続けるなら、株価下落による評価損を補って余りある事業上の利益がもたらされなければなりません。経営手腕には単に事業遂行能力だけではなく、外部環境変化への対応能力も含まれているはずだと考えるのです。

 包括利益とは経営を巡るすべての外部環境変化も包含した上で、経営者の経営能力を評価する利益だといえます。
 資産の評価損益も含めて経営者の経営責任を問われるとなると、資産の収益性の検証が重要になります。いつか役に立つだろうとか、将来値上がりするだろうから何となく継続保有する、といった漠然とした理由での所有が許されなくなります。所有している資産が現在の収益獲得にどのように貢献しているのかということを常にチェックし、資産所有の妥当性を検証しなければなりません。

 日本人は古くから失敗の検証が苦手で、失敗を招いた人間に対する責任追及が甘くなりがちな民族なのではないかと私は思っています。自分の責任を追及されたくないのは言うまでもないことですが、自分を引き上げてくれた先輩の責任を問うこともはばかる風潮も根深く存在します。しかし、所有資産に内在する赤字も含めた損益が重要視されるようになれば、従来のような微温的態度に終始できなくなり、赤字の原因を生じさせた経営者責任を厳しく追及される局面が増えてくるのかもしれません。

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

税務トピックス 2018月06月19日

クレカ利用で税優遇を検討

 経済産業省はクレジットカードや電子マネーなどを使った国内の支払い比率を2025年までに40%にまで引き上げる目標を掲げ、所得控除など消費者への税優遇策を探っています。財源を確保したい財務省の抵抗は必至です。

 経産省によると、日本のキャッシュレス決済の比率は2015年の時点で18%しかなく、韓国(89%)や中国(60%)、イギリス(55%)など主要国と比べてかなり低い状況です。なかなか日本の消費者に浸透しないのは、現金支払いに安心や安全を感じているほか、ATMが多く現金の用意に困らないことが理由に挙げられます。またカード会社に支払う手数料が高めに設定されているため、特に地方では導入に消極的な小売店が多くありません。その結果、訪日観光客の不満も高まっています。
経産省は夏までに協議会を設置して具体策の検討に入り、2019年度予算の概算要求や税制改正要望に盛り込む考えです。

 問題は財務省のハードルをどうクリアするか。経産省幹部は「森友学園への国有地売却を巡る一連の不祥事で、解体論が出るほどサンドバッグ状態の今こそ好機」と語ります。弱りきった財務省を押し切る算段のようです。
<情報提供:エヌピー通信社>

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