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コラム 2018月01月23日

《コラム》年金受給開始70歳超えも選択肢に

◆年金受給開始を70歳超まで選択可能に? 
 内閣府の「高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会」は、公的年金の受給開始年齢を70歳以降まで繰り下げることを可能にする仕組みつくりを盛り込んだ案をまとめました。これをもとに年内に長期的な高齢者施策の「高齢社会対策大綱」の改正案を閣議にはかる予定です。
 現在は年金の受給開始年齢は原則65歳です。現行法では60歳から70歳の間で開始年齢について「繰り上げ」もしくは「繰り下げ」ができます。開始年齢を早めれば65歳から開始するのに比べて最大30%減額、遅くすれば1年ごとに0.7%ずつ増え、最大42%増える仕組みになっています。今回の提案では希望すれば70歳を過ぎてからの受給開始が可能になり、その分年金額が増える制度を導入しようと考えています。

◆年内に「高齢社会対策大綱」策定
 骨子案として「すべての高齢者の意欲・能力を活かして活躍できるエイジレス社会を目指す」とし「年齢区分で人々のライフステージを画一的にくくることを見直すことが必要」としています。「意欲ある高齢者が働き続けられ、また就業ができる仕組みを構築できることが基本」であり、併せて「高齢者の低所得を防止」する視点も望まれるとしています。60歳の定年後に再雇用される仕組みだけではなく、新たな職域としてそれまでの経験や知識を生かした仕事や社会活動、地域社会のコミュニティ作り、資産活用等も盛り込まれています。

◆高齢者の定義が変わる?
 日本老年学会などは昨年の1月に現行法で65歳と定められている「高齢者」の定義を「75歳」以上に引き上げ65歳から74歳は、准高齢者として区分すべきと提言しました。同学会は10年前に比べると現在の65歳以上の人の知的・身体能力は5歳から10歳若返っていると判断したということです。准高齢者年齢とされた人々は近い将来働くことが通常な年齢となるかもしれません。少子高齢化で人口が減る中、政府は多くの高齢者に働き続けてもらいたいとのことでしょう。そうすれば年金の財源の安定にもつながるということかもしれません。

税務トピックス 2018月01月16日

《コラム》やむを得ない役員給与の改定・変更 臨時改定事由・業績悪化改定

◆やむを得ない役員給与の改定・変更
 法人税法上、損金算入ができる「定期同額給与」「事前確定届出給与」は、職務執行前(定時株主総会)に「あらかじめ支給時期・支給額が定められているもの」に基づき支払われることを前提としています。
 ただ、給与を「先決め」した後に経営環境が変化することは、よくあること。そこで、次の「臨時改定事由」「業績悪化改定事由」による改定・変更が認められています。

◆「臨時改定事由」とは
 「臨時改定事由」とは、次の①や②に類する役員給与を変更せざるを得ないやむを得ない事情をいいます。
①役員の職制上の地位の変更
②役員の職務の重大な変更
 ①は役員の分掌変更があったケースです(例えば、社長が任期途中で退任したことにより副社長に就任した場合)。この「役員の職制上の地位」とは定款や総会決議等により付与されたものをいい、「自称専務」などは該当しません。
 ②は組織再編成があったケースなどが該当します(例えば、合併法人の取締役で、その職務内容に大幅な変更がある場合)。
 会社の不祥事に当たり役員給与を一定期間減額するケースも、社会通念上相当であれば、定期同額給与の減額改定・増額改定とも臨時改定事由に当たるとされています。

◆「業績悪化改定事由」とは
 「業績悪化改定事由」とは、その事業年度において会社の経営状況が著しく悪化したことその他これに類する事由をいいます(減額改定のみ)。財務諸表の数値が相当程度悪化したことや倒産の危機に瀕したことのほか、次のような場合が該当します。
(業績悪化改定事由の例)
①株主との関係上、業績悪化等について経営上の責任を問われ減額した場合
②取引銀行との借入金返済のリスケジュール協議で要請され減額した場合
③経営悪化の状況下で取引先等からの信用確保のため、経営改善計画が策定され、役員給与減額が盛り込まれた場合
 これらは、会社の経営上、役員給与を減額せざるを得ない「客観的な事情」(例 主要取引先の倒産やリコール発生により業績悪化が不可避)があるかどうかにより判定します。裁決では経常利益6%減の会社が行った減額改定が否認された例があります。

コラム 2018月01月16日

《コラム》民事調停手続の利用

◆民事調停は最も身近な裁判手続
 取引先や顧客との間でトラブルが生じたとき、まずは話し合いで穏便かつ早期に解決することが最良の方法です。もっとも、当事者のみの話し合いでは、話が前進しないこともあるでしょう。当事者間では、つい感情的になったり、客観的な視点を持てずに適切な解決内容を見失ってしまったりすることがあるためです。
 そのようなとき、信頼に足る第三者が入って話し合いを進める制度の一つとして、身近に利用できる「民事調停」という裁判所の手続があります。
 裁判所の手続といっても、訴訟のように当事者が主張や証拠を出し合って裁判所が最終的な判決を下す、というものではありません。裁判官1名と調停委員2名が当事者の間に入り、事案に応じた円滑な解決を目指して話し合いを進める柔軟な手続です。

◆実際の申立方法や審理の内容
 民事調停の申立てを行うには、申立書を作成して簡易裁判所に提出します。申立書の内容も複雑なものではありません。現在、裁判所のホームページに申立書の書式が掲載されていますので、これに記入する形で簡単に申立書が作れます。
 申立費用も訴訟に比べて安価ですし、法廷で公開されるものではありませんので、第三者に知られたくない情報も安心して話すことができます。また、裁判と言えば弁護士を思い浮かべるかもしれませんが、話し合いによる解決制度ですので、弁護士に依頼せず本人のみでの対応が十分可能です。  
 調停委員会の許可を得れば、従業員でも代理人になることができるため、代表取締役本人が出席しなくても良いというのも民事調停のメリットです。

◆調停成立の効果
 話し合いがまとまり、合意に達した場合には、合意内容を記載した調停調書という書面が作成されます。調停調書は確定判決と同様の効果が得られますので、相手方が調停調書に記載された債務を履行しなかった場合には、強制執行が可能となります。
 他方で、民事調停が不成立となった場合にも、大きなデメリットはありません。その場合には、話し合いによる解決は諦め、訴訟をするか否かを検討すればよいのです。

税務トピックス 2018月01月9日

《コラム》「外れ馬券は経費」という判決

◆「外れ馬券は経費」:自動購入ソフトを使っていないケースでも12/15最高裁確定へ
 「『自動購入ソフトを使わない外れ馬券の経費性を巡る問題、札幌国税局vs北海道在住の男性』の判決期日を最高裁裁判長が12月15日に指定したにもかかわらず、『結論を変更するのに必要な弁論が開かれていないため』、約1億9千万円の追徴課税処分を取り消した2審東京高裁判決が確定する見通しとなった」という報道がありました。
 自動購入ソフトを使ってネットで大量の馬券を購入していた大阪の男性の裁判において、馬券購入は「営利目的の継続的行為」で、払戻金は雑所得にあたるとして平成27年3月最高裁が認定し、外れ馬券分を経費と認める判断を示していた判決に続く話です。

◆争点は「経済的活動の実態があるか否か」
 今回のケースでは、「ソフトを使わずにレースごとに結果を予想して馬券を購入」しており、それが「経済的活動の実態があるか否か」というのが争点でした。1審(東京地裁)では納税者の負けでした。
 しかしながら、2審(東京高裁)では、「男性は多額の利益を恒常的に上げていた」と判断し、最高裁のケースと「購入方法に本質的な違いはない」とし、外れ馬券分を経費と認めて課税処分を取り消し、納税者の勝ちとなっていました。
 「外れ馬券が経費かどうか」は、「継続的・恒常的に利益を上げるために購入を行っていたかどうか=営利を目的として継続的に行われているかどうか」にあるようです。

◆あなたの外れ馬券は、原則、経費ではない!
 たまの息抜きや射幸心のために競馬を楽しむ人の場合は、外れ馬券は経費となりません。万馬券を当てたようなとき(=年間を通して一時所得の特別控除である50万円を超える当たりだった場合)は、そのレースの外れ券だけが経費です。すなわち、他のレースの外れ券を万馬券の当たりから差し引くことはできません。
 競馬の当たりも、儲けとして、確定申告して税金を納めなければなりませんので、忘れないようにしましょう。無申告だと罰金が科される恐れもありますから、くれぐれも忘れずに!

税務トピックス 2018月01月9日

《コラム》途上国の日本中古車輸入ビジネスと日本の消費税

◆途上国での日本中古車販売ビジネス
 海外から日本の税金に関する問い合わせで比較的多いのが、「日本から中古車を輸入して途上国で売る際の日本の消費税をどうしたら還付できるか?」というテーマです。 

◆輸出に係る消費税は免税が原則
 具体的な数字で流れを説明します。
 中古車マーケット(=自動車オークション)にて20万円でトヨタ車を買います。国内での購入なので、8%の消費税がかかり代金は21.6万円となります。オークション費用やリサイクル費用などの諸経費、さらに日本から輸出の船賃や本国での輸入代金として1台あたり10万円かかったとします。合計原価は30万円+消費税1.6万円です。
 これを本国にて40万円で販売したとします。消費税を負担したままだと利益率は21%、消費税の還付を受けると25%です。
 消費税の還付を受けられるか否かで利益率が大きく変わってきます。
<原則:輸出に消費税はかかりません>
 輸出される物品(中古車)に消費税はかかりません。でも、オークションで購入する際は国内の売買なので、消費税がかかります。ただし、輸出免税なので、消費税の確定申告をすれば消費税は還付されます。

◆立ちはだかる現実の壁!
 海外在住の外国人や外国法人には古物商の許可取得が難しい事もあり、消費税分を免税扱いにして還付してもらうことはかなり難しいのです。その理由は主に2つです。
1.日本に子会社を設立(=国内で自動車の中古市場に参加するには、警察に古物商の許可申請が必要)して消費税の確定申告をすれば還付されるが、その場合、法人税等の申告もしなければならない。子会社の維持費を賄うためには、その分の固定費を回収できるだけの売上利益が必要となる。そこまでの事業規模は見込めない。
2.日本に子会社を持たない場合、中古車を直接調達できないので、知人から購入し、輸出してもらうことになる。本来は、その知人から輸出として購入する際には輸出免税扱いなので消費税はかからない。しかし、知人は、個人事業としている者が多く消費税の申告していないため、代価は消費税込みの金額となってしまっている。
※現実的には、「輸出は免税」が通じない取引の世界となっているのが実態です。ある程度の事業規模が見込めないとなかなか難しいビジネスです。

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