お知らせ/トピックスTOPICS

税務トピックス 2017月11月21日

生保協会、死亡保険金の非課税枠拡大を要望

毎年この時期の恒例行事と言っていいかもしれませんが、生命保険協会が税制改正要望で、生命保険の死亡保険金を受け取ったときの相続税の非課税枠(法定相続人数×500万円)の上限引き上げを求めています。相続増税で国民の生活が脅かされないよう、何らかの対策を講じる必要があるなかで、非課税枠拡大は有効な選択肢となるのでしょうか。

相続増税の影響で生命保険の加入者が増加しています。生命保険協会の統計によると、平成26年度末の個人保険の契約件数は1億5173万件で、8年連続で増加しているそうです。

生命保険に加入する大きな税メリットとして挙げられるのは、受け取った死亡保険金の一部が非課税になることです。相続税の基礎控除額とは別に、相続人が受け取る死亡保険金は「法定相続人の数×500万円」を相続財産から差し引けます。

生保協会は「非課税措置として十分な状況にあるとは言えない」と指摘し、現行の非課税枠に「配偶者分500万円+未成年の被扶養法定相続人数×500万円」を加算することを要望しました。

生命保険文化センターの調査によれば、30代と40代の世帯主が加入している普通死亡保険金額は2千万円〜2500万円となっており、この金額が最低限必要な遺族の生活資金相当額であるとしています。しかし、母と未成年の子1人の母子遺族世帯を想定すると、現行の非課税限度額は1千万円にしかなりません。非課税枠拡大は国が講じるべき選択肢のひとつと言っていいのかもしれません。
<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2017月11月14日

《コラム》ふるさと納税 中間仮計算のススメ

◆過熱するふるさと納税-規制もあれば抜け道も!?
2017年4月1日付で総務省は各自治体に対し、「ふるさと納税の返礼品の価格について、寄付額の3割までに抑えるよう要請」し、「商品券や家電製品といった返礼品は換金しやすさや地元産かどうかを問わず、全面的に控えるよう求め」ました。これで一部自治体の目玉だった商品券や各種ポイントも返礼品から消えることとなりました。
「税法の縛りがあるところに合法的な節税の抜け道あり」ではありませんが、頭を使って考える人はいるものです。自社が提供するふるさと納税の申込サイトから寄附すれば、自社のポイントを付与し、他の申込サイトよりもポイント分得するという売りを打ち出したところが出てきました。ポイントは、自治体から納税者に付与されるのではなく、ふるさと納税の申込サイトを運営する会社から付与されるので、総務省要請も対象外ということなのでしょう。

◆ふるさと納税限度額の計算
持ち出し(=寄附金が控除限度額を超えてしまうこと)なくふるさと納税をするためには、控除限度額の把握が必要です。ふるさと納税導入当初は、総務省や千葉県などのウェブサイトで提供されていた表形式のものしか限度額を予測するものはありませんでした。しかしながら、いまは各種ふるさと納税の申込サイトでシミュレーションコーナーが設置され、より精度が高く計算できるようになってきています。

◆ふるさと納税中間仮計算のススメ
限度額ギリギリまで得するよう12月の年末調整後に駆け込み的なふるさと納税を推奨する話も聞きますが、今回は、いまの時期に、中間仮決算的準備をお勧めします。
行うべきことは、医療費の領収書の金額集計です。扶養家族や住宅ローン控除などはほぼ例年通りのことが多く12月末時点の予測は簡単です。一方、医療費控除は集計してみるまで金額がわかりません。

税務トピックス 2017月11月14日

加熱式たばこに増税論

普及が進む「加熱式たばこ」の増税論が話題を呼びそうです。加熱式たばこは一般的な紙巻きたばこと税額算出方法が異なって税額が低くなるほか、税負担もバラバラな傾向があります。加熱式人気の高まりは減収につながる可能性も高く、先に手を打ちたい税当局の狙いも伺えます。

発端は自民党の宮沢洋一税制調査会長へのインタビュー報道でした。宮沢氏は加熱式への切り替えが増えている認識を示した上で、「紙巻きより加熱式は税率が低い。(商品を出している)3社で実効税率が違っている問題があり、それなりの答えを年末までに出していかなければならないだろう」と述べました。

加熱式は、カプセルなどの中で葉たばこを加熱し、発生する蒸気やたばこ本来の味や香りを楽しむもの。煙も臭いも少ないとして近年、利用者が急増しています。
税制面では、通常の紙巻きは1箱440円(20本入り、税込み)の場合、たばこ税(244.88円)と消費税(32.59円)合わせて277.47円(負担率63.1%)ですが、加熱式は現行では「パイプたばこ」に該当するため、紙巻き1本のたばこ税率(12.244円)をそのまま課税せず、葉たばこが詰められたスティックなども含めた重量1グラムを紙巻き1本と換算しています。ただ、各社とも製品形状や課税重量が異なり、値段はほぼ同じでも、税負担は49.2%~14.9%(製品の種類で異なる)と大幅に異なっています。

日本の紙巻き販売数量は1680億本と20年前から半減していますが、たばこ増税もあって税収は2兆円超で推移し続けています。税当局には、現行の税制のまま紙巻きよりも税率が低い加熱式への切り替えが進行することによる税収減の懸念もありそうです。
<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2017月11月7日

《コラム》H30年1月1日以後の手続き 保険契約者の名義変更と課税関係

現行法では、生命保険契約の契約者の名義を変更しただけでは、新たに契約者になった者に対する贈与の課税はありません。
具体的には、「甲」契約者でかつ保険料負担者、「乙」被保険者、「丙」保険金受取人の場合で、その後、甲から丙に契約者の名義を変更し、丙が保険料を負担することになったとしても、名義変更時までに、甲が負担していた保険料相当額については、丙への贈与にはならないということです。

◆名義変更後の課税の取扱いと問題点
上記例において、①丙への名義変更後、甲死亡前に保険の満期を迎えると、当該満期保険金は丙が受け取ります。この場合の丙の課税は、丙自身が負担した保険料相当額に対応する保険金部分は一時所得としての課税を受け、甲が負担した保険料相当額に対応する保険金は甲から贈与により取得したものとして贈与税の課税を受けます。
また、②名義変更後、甲の死亡前に被保険者乙が死亡すると、当該死亡保険金は丙が受取ります。この場合の丙の課税は、死亡保険金の内、丙が負担した保険料相当額に対応する保険金は一時所得としての課税を受け、甲が負担した保険料相当額に対応する保険金は甲から贈与により取得したものとして、贈与税の課税を受けます。
なお、③名義変更(甲から丙)が甲の死亡によってなされた場合には、丙は生命保険契約に関する権利を相続等により取得したことになり、甲の本来の相続財産として相続税の課税対象になります。
以上が保険契約の名義変更に関する課税の取扱いです。しかし、実際の申告では、名義変更に関する資料が十分に整備されていないこともあってか、受取保険金のすべてが一時所得として申告されていた等、法が予定していた申告が行われていない事例が散見されたようです。

◆平成30年1月1日以後の取扱い
現行法では、保険会社から税務署に提出される情報(支払調書)には、名義変更に関する情報、元の契約者の払込保険料に関する情報はありません。
そこで、平成27年度の税制改正で平成30年1月1日以後、保険金等の支払があった場合、または契約者が死亡し名義変更があった場合には、保険会社は上記情報を税務署に提出することを義務付けられました。
今一度、保険関係の書類を確認し、今後の対応を考えてはどうかと思います。

税務トピックス 2017月11月7日

《コラム》未払い残業代の解決金等その課税関係

元従業員(被用者)からの未払い残業代請求の訴えが、突然、裁判所から送られて来ることがあります。
多くの場合は、労働審判への申立て手続きによるもので、裁判官、労働者側、経営者側の3者が双方から提出された証拠資料等を吟味して、3回の審議で結論を出すことになっています。

◆一括支払いの和解金又は解決金
労働審判は、個別的労使紛争が対象です。それ故、集団的未払い残業代の訴えのように、正確な各月の残業代を計算し、各年分の年末調整をやり直す等幾つもの諸手続きを想定していません。双方が合意できる金額での早期決着が眼目ですから、調停成立の文言も、「本件解決金(又は本件和解金)として〇〇〇万円の支払義務がある」といった例は散見されます。まさに、ザックリとした金額です。

◆名目としての解決金、和解金の実質は
文言のニュアンスからは、当該解決金等は非課税であるかのような印象も受けますが、やはり審判所への訴えが「未払い残業代」、ということですので、在職中の給与等の追加払い、ということになり、原則、給与所得を構成するのではないかと考えます。
この場合、未確定であった在職中の給与等の追加払いを一時に受けることから、その受けた年の「賞与」としての扱いになるのではないかと考えられます。

◆支払者(事業主)の手続き
事業主は、当該解決金が未払い残業代に相当すれば、当然に、その支払いの際には源泉徴収義務を負い、源泉税徴収後の金額を被用者に支払います。
なお、被用者が源泉徴収すべき税額を含めて強制執行等により未払い残業代全額の回収を求めてきた場合、事業主は解決金の全額を支払う義務を負うことになります。
但し、その場合であっても、法的には、事業主の源泉徴収義務は免れることはできません。事業主は、源泉徴収義務者として解決金〇〇〇万円に相当する源泉税を計算し納付しなければなりません。
そうすると、事業主は、二重に源泉税分を支払ったことになりますので、その分、被用者に請求することができますが、被用者が無資力の場合はその回収は困難です。
審判所においても、未払い残業代に伴う源泉徴収税額を双方協議しておくのが望ましいように思います。

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