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コラム 2018月06月12日
組織目標を設定する際、そこには管理者の意思が端的に表明されます。
営業部門の場合で言えば、「適正な予算設定」が目標管理の「適正な組織目標設定」と同義で、管理者が市場環境と自社の販売ポテンシャルを的確に評価、判断する高い見識に基づいて設定されます、そのような予算・目標の実績との差異は、極めて小さく、経営貢献度が高いものとなります。
◆控え目な目標設定の問題と原因
組織目標の設定は、管理者にとって「トップから与えられたノルマ」と映りがちで、また、達成度によって組織業績が評価されます。
そこには管理者に「達成度が高く評価されるには、組織目標(予算)を控えめに設定する方が、得である」と言う意識が生まれる素地があります。
このような管理者の意識は、一般社員の目標設定に伝搬し、組織業績低迷の原因となります。
◆組織目標のあるべき姿
組織目標は過去の実績に比べて高く、ストレッチ(努力してようやく手が届く)な水準に設定し、その裏付けとして、市場環境の的確な分析と販売ポテンシャルに関する評価と自信がなければなりません。
そのような目標は、実績との一致度が高くなり、同時に経営貢献度も高いものとなります。
◆経営者・管理者の留意点
トップは「組織目標(予算)の達成度が高い」ことを、「未達」の時以上に警戒しなければなりません。
そこに、「恣意的に設定された控え目な目標・表面的な高い業績評価を追い求める管理者の意識」が存在する可能性があるからです。
トップと管理者は、そのような意識を排除し、組織目標(予算)を建設的行動の指標と考える高い見識を持たなければなりません。
見識を高める裏付けとなるのは、次のような自らの実践的努力を通じた経営貢献度を高める組織風土の醸成にほかなりません。
・目標管理制度の運用(目標設定・目標達成努力・目標達成度と経営貢献度評価)を通じた組織別・組織間の目標達成努力。
・それらに関する真摯な反省と問題認識、トップ・管理者による改革・改善。
税務トピックス 2018月06月12日
◆相続登記をするなら今がチャンス!?
相続が発生した場合、新しい所有者へ所有権を移転させる相続登記を行う必要がありますが、この登記がされないことで、所有者不明の不動産が増加する事態が深刻になっています。中には、相続が発生した親の不動産について、相続登記がされないまま子も亡くなってしまうような、いわゆる数次相続が発生することもあり、なかなか相続登記が進まないという例も少なくありません。
平成30年度の税制改正では、このような相続による土地所有権の移転登記に関する登録免許税の免税措置が設けられています。この免税措置により、個人が相続で土地を取得したにもかかわらず、その土地について所有権の移転登記をしないまま死亡してしまった場合、その個人を土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については、登録免許税を課さないこととなりました。
◆1次相続での登録免許税が免税に
たとえばAさんが所有している土地Xについて、Aさんが亡くなり、Bさんが土地Xを取得したとします。このとき、Bさん名義に所有権を移転する相続登記をしないまま、Bさんも亡くなってしまうと、その後Bさんから土地Xを相続するCさんは、AさんからBさんへの相続登記(1次相続)と、BさんからCさんへの相続登記(2次相続)を行うことになります(ただし、一部例外有)。今回の免税措置は、この例でいうAさんからBさんへの相続登記(1次相続)の登記申請について、登録免許税を免除するというものです。
◆免税措置は平成33年3月31日まで
この免税は平成33年3月31日までの時限措置です。本来は登記申請の際、土地の固定資産税評価額に対して0.4%の税率がかかりますが、平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間は免税となります。
相続は重なると相続人が多数になり、手続きが一層煩雑になります。未了の相続登記がある場合は、この機会に整理してみてはいかがでしょうか。
税務トピックス 2018月06月5日
全国の会社が支出した交際費の総額が平成24年度から5年連続で増加していることが、国税庁の会社標本調査で明らかになりました。交際費は税務調査で必ずと言っていいほど支出の実態について調べられる項目であり、支出額が年々増えるなかで税務署はより一層厳しい目で見るようになっています。
国税庁が3月30日に公表した「会社標本調査」によると、平成28年度に全国の法人267万2033社が支出した交際費の総額は3兆6270億円で、前年度の3兆4838億円から4.1%の増加となりました。伸び率は26年度の5.4%、27年度の7.2%と比べると鈍化していますが、平成19年度から23年度まで5年連続で前年度比マイナスだった分を、24年度からの5年で穴埋めし、28年度に10年前(3兆6816億円)とほぼ同額に戻したことになります。
会社が交際費の税務でまず押さえておかなければならないのは、交際費の損金算入額には制限が設けられている点です。損金にできる交際費の額は、①交際費のうち800万円以内の額、②交際費のうち「接待飲食費」の半額――のうちの高い金額となっています。どちらを選択すべきかは、接待飲食費だけで1600万円を超えるか否かで判断します。超えているならその半額の800万円以上を損金にできるので②が有利となります。なお、資本金1億円超の大企業は①は適用できないので、交際費の支出内容にかかわらず接待飲食費の半額を損金にすることになります。
<情報提供:エヌピー通信社>
税務トピックス 2018月06月5日
国税不服審判所は3月下旬、最新の裁決事例をホームページ内に追加しました。税目別にみると、国税通則法4件、所得税法2件、法人税法3件、消費税法2件、国税徴収法1件。法人税法では、会社と国税当局の間で見解が分かれることが多い役員退職金をめぐる事例が追加されています。
役員退職金をめぐる争いは、役職の分掌変更後に支払った金銭を会社の損金にできるか否かで見解が分かれました。代表取締役だったAさんは入院とその後の通院を契機に平成23年に代表取締役社長を辞任し、代表権のない取締役会長に分掌変更。Aさんは「退職慰労金」を受け取り、会社はその支払い分を損金としています。税務上、会社の役員が実際に退職していなくても、分掌変更で「役員としての地位または職務の内容が激変したと認められる場合」は、役員退職金として損金にすることが可能となっています。
ただ、Aさんは分掌変更後も仕入れ単価の決定や得意先の接待など経営に深く関わっていました。また、Aさんの役員給与の額は社長辞任後に半額以下になったものの、後任の代表取締役よりも高額な状態でした。そのため税務署は、地位や職務が激変したとは認められず、税務上は「退職した事実はない」と判断。そして、Aさんへの会社の支払いは損金にできる役員退職金ではなく、損金算入が不可の役員給与として課税処分を行いました。審判所も税務署の処分を適法と判断し、Aさんの主張を退けています。
役員退職金は「適正額」をめぐって国税当局と争いになることも多いのが実情です。金額が過大と判断されると損金算入が否認されます。顧問税理士に相談しながら適正額を決めるようにしたいところです。
<情報提供:エヌピー通信社>
税務トピックス 2018月05月29日
◆所有者不明の不動産が増加中
近年、相続が発生しても新しい所有者へ所有権を移転させる相続登記が行われず、所有者不明の不動産が増加していることが社会問題になっています。この問題を解消するため、様々な取り組みが検討されていますが、昨年から始まった「法定相続情報証明制度」もそのひとつです。
◆法定相続情報証明制度とは
被相続人が死亡し相続が発生した場合の手続きは、相続登記だけに限りません。金融機関における預貯金・有価証券の名義変更や払戻手続き、保険請求手続きなど、相続にまつわる手続きは様々です。これらの各種手続きを行うためには、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本など、相続関係を証明する資料一式を、手続きの都度原本で提出しなければならず、相続人にとって大きな負担になっていました。
こうした負担を軽減し、相続登記を促進しようと始まったのが「法定相続情報証明制度」です。相続人が法務局に相続関係を証明する戸籍謄本や必要書類とともに、相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を提出すると、以降は、法務局がこの図の写しを戸籍上の法定相続人の証明書として発行してくれるというものです。この証明書を各種相続手続きに利用することにより、相続人や金融機関等の負担軽減につながることが期待されます。
◆今後さらなる改善の見込み
しかしながらこの証明書、現状は被相続人の子について、実子・養子の別や続柄については基本的に記載せず「子」としてのみ表示されている点など、情報量の不足も指摘されており、現在、記載内容等の見直しが進められています。既に法務省による意見募集が終了しており、今後さらなる改善が見込まれています。
戸籍謄本など相続関係を証明する資料一式が必要な相続手続きを、複数の機関で行う場合に、できるだけ費用をかけず、かつできるだけ短期間で行えるのがこの制度のメリットです。制度を有効活用し、相続手続きの負担をできるだけ最小限にとどめたいですね。
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