お知らせ/トピックスTOPICS

税務トピックス 2017月02月7日

相続税調査で狙われる海外資産

平成27年度の相続税の実地調査1万1935件のうち、海外資産を持っている人への調査は859件だったことが国税庁の発表で明らかになりました。海外資産関連調査は3年連続上昇し、統計が開始された平成13年以降で最多。27年度の859件は、13年(117件)の7.3倍にもなっています。

海外資産関連の調査859件で申告漏れなどの非違が発見された件数は117件。申告漏れ課税価格は47億円、非違1件あたりの価格は3999万円でした。地域別非違件数をみると、北米が61件で最多。アジア40件、欧州12件、オセアニア8件と続きます。非違があった財産は、現金・預貯金が65件で最多で、有価証券33件、不動産32件でした(「その他」42件)。

国税当局は、①相続や遺贈で取得した財産に海外資産がある、②相続人、被相続人が国外に居住している、③海外資産に関する資料情報がある、④外資系金融機関との取り引きがある――といった国外資産が絡む相続への監視を強めています。国際課税に関する今後の方針を定めた「国際戦略トータルプラン」で国税当局は資産フライトに攻め入る姿勢を打ち出しており、今後は海外資産への調査がさらに強化されていくことになります。
<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2017月01月31日

《コラム》米国会社の日本法人が合同会社である理由

◆米国の日本子会社は合同会社形態が多い
米国ウォルマートの日本法人である西友も、米国ケロッグ社の日本法人の日本ケロッグも、会社の形態は“合同会社”です。
平成18年の会社法により新しく設けられた形態である合同会社は、日本版LLC(Limited Liability Company)とも呼ばれ、「有限責任」、「(機関がシンプルなので)迅速な意思決定」、「利益や権限の配分を自由に設定(=内部自治原則)」等のメリットがあり、小さなビジネスにとっては使い勝手がよい事業形態と言えます。
一方、デメリットとしては、株式会社に比べて信頼性が低く見られがち、株主総会や決算書の承認手続きなどが不要なので何となく内部手続きにもしまりがないなどが挙げられます。

◆親会社の事情で合同会社が選ばれる理由
米国の会社が日本の子会社の会社形態として合同会社を選ぶ理由の一つに、米国本国における税務上のメリットがあります。
アメリカの税法には、チェック・ザ・ボックス規則というものがあり、要件に合えば、日本の子会社所得をパススルー課税(企業体には課税されずその構成員の所得として課税する)に選べる制度があります。
(注:日本の合同会社は普通に法人税が課税されます。日本での課税がなくなるわけではありません。)
米国税制で合同会社はパススルー課税の対象外として列挙されていないためアメリカ親会社側で税制上のメリットが生じます。
効果としては、立上げ初期時の欠損を支店と同様に米国株主の利益と相殺できることにあります。実際に支店登記すれば本店の資本金で均等割課税されるのでその分不利となりますが、パススルーであればそれを避けて米国でメリットを享受できます。

◆国外進出時に検討すべき大事なことの一つです
米国会社が日本進出する形態は必ずしも合同会社だけでなく、株式会社もあります。
会社形態の選択に際しては、税務上のメリット・デメリットの側面のみではなく、商業上その他の面からの検討も必要です。
外国へ事業進出する際には、本国および進出先の各制度をよく研究した上で、最善の選択を目指すことが肝要となります。

税務トピックス 2017月01月31日

積立NISAの創設決定

少額投資非課税制度(NISA)の非課税期間を20年に延ばす新制度「積立NISA」を設けることが決まりました。平成29年度税制改正大綱に盛り込まれています。導入を主導した金融庁は新制度で貯蓄から投資への流れが加速することを期待していて、これまで投資と無縁だった若い世代の長期的な資産形成を促します。

現行のNISAは、株式や投資信託の売却益や配当益について年120万円を上限に5年間非課税とする制度。新たな積立NISAでは上限額は40万円と減りますが、期間が20年間と延び、非課税となる投資の総額が現行の600万円から800万円に拡大されます。両方の制度を併用して使うことはできず、「年120万円で5年」か「年40万円で20年」のどちらかを選択することになります。

現行のNISAの年間上限枠である120万円を使い切っている人は少なく、5年の短期間では政府が目指す個人の資産形成への効果は少ないとも指摘されていました。このため、手元資金の少ない若年層も参加しやすい積立型が新たに提案されていたのです。
<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2017月01月24日

《コラム》遺言書が身近に? 自筆証書遺言の方式緩和

◆花押を押した遺言、裁判で無効確定
印鑑の代わりに「花押」が記された遺言書の有効性が争われた裁判で、2016年6月、最高裁判所が「重要な書類に花押を使うという意識が社会の中にあるとは認めがたい」として、遺言書を無効とする初めての判断を示しました。遺言書の方法には大きく分けて「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3つの方式があり、テレビドラマなどでよく目にする遺言者本人が全文自筆で作成しているものが「自筆証書遺言」です。一般的な「自筆証書遺言」の特徴として、自分だけで作成でき費用がかからず手軽な点が挙げられますが、内容、日付、氏名全てを自筆する他、印鑑を押印することなど、遺言書として認められるための様式が細かく定められています。そのため、冒頭の例のように、せっかく遺言書を作っても裁判で無効とされてしまう例も少なくありませんでした。

◆自筆証書遺言の方式が緩和されるか
こうした問題もあり、現在取りまとめられている「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」では、自筆証書遺言の方式について次のように緩和する措置が検討されています。

◆一部ワープロ打ちが可能に
現行の制度では遺言の全文を自筆で記載しなくてはならず、この点をネックに感じて公証役場が作成してくれる「公正証書遺言」を選択する例も少なくありませんでした。今回の中間試案では、財産の特定に関する部分(不動産や預貯金口座の表示など)は、ワープロ打ちでも可とされています。また現在、遺言書の加除訂正による変更箇所には「署名及び押印」が必要とされていますが、署名のみで足りるものとし、作成時の負担が軽減されると見込まれています。

◆自筆証書遺言の保管制度の創設
現在、自筆証書遺言は作成後、自分で大事に保管するか、信頼できる人に預けて保管してもらうしか方法がありません。そして実際に相続が発生すると、これを家庭裁判所に提出し、遺言書の形式などに関する事実を調査、遺言書の現状を確保するための検認手続を受ける必要があります。中間試案では新たに公的機関による保管制度を創設し、遺言者が保管の申出をすることができるようになる他、ここで保管された遺言書については検認を要しないとされ、手続きの煩雑さが解消されることに期待がもたれます。

税務トピックス 2017月01月24日

《コラム》平成29年度税制改正 個人所得課税編

平成28年12月8日、平成29年度税制改正大綱が発表されました。先ず、「個人所得課税」について、主な改正項目につき、内容を概観してみます。

●配偶者控除等の見直し
配偶者控除については、合計所得金額1,000万円を超える居住者については、適用できないこととし、居住者の合計所得金額が900万円を超えると38万円(老人配偶者48万円)の控除額が徐々に縮減し、1,000万円超ではゼロになる、3段階で逓減する仕組みになっています。
また、配偶者特別控除ですが、配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下でも9段階で逓減しながら控除が受けられますが、上記の居住者の合計所得金額に応じて控除額も変わってきます。
例えば、居住者の合計所得金額900万円以下で配偶者の合計所得金額が95万円超100万円以下であれば26万円の控除、となっています。
この改正は、平成30年分以後の所得税からの適用となっています。

●積立型の少額投資NISAの創設
制度の内容は、積立投資限度額年間40万円、期間20年、その間の配当、譲渡等は非課税、但し、譲渡損はないものとする、です。現行のNISAとは選択適用となっています。
上記改正は、平成31年分以後の所得税からの適用となっています。

●リフォーム減税の拡充
既存住宅(特定の増改築等含む)の耐震改修・省エネ改修に加え、一定の耐久性向上改修工事を実施した場合、ローンの利用による減税額(税額控除)は最大62.5万円、自己の資金による場合は最大50万円となる措置が講じられています。
また、固定資産税(工事翌年度)も3分の2減額になります。
一定の耐久性向上改修工事とは、50万円を超える工事で、①小屋裏、②外壁、③浴室、脱衣室、④土台、軸組等、⑤床下、⑥基礎若しくは⑦地盤に関する劣化対策工事又は給排水管等に関する維持管理・更新を容易にするための工事で、認定を受けた長期優良住宅建築等計画に基づくものであること等、です。
この改正は、増改築等をした居住用家屋を平成29年4月1日から平成33年12月31日までの間に自己の居住用に供した場合に適用となっています。

お問い合わせCONTACT

お気軽にご連絡ください。初回のご相談は無料です。

確定申告・相続税対策、起業・経営支援まで
大森駅より徒歩3分 品川区・大田区で税理士をお探しの方へ

〒140-0013 東京都品川区南大井6丁目26番1号 大森ベルポートA館9階
JR京浜東北・根岸線快速「大森駅」北口より徒歩3分/京浜急行線「大森海岸駅」より徒歩4分

03-5471-0751平日10:00~17:00 無料相談窓口