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コラム 2024月06月4日
株式会社は、利益の配当をする場合、金銭以外の財産を配当対象とすることができ、これを現物配当(現物分配)といいます。
◆適格現物分配
現物分配の税務上の取扱いについては、組織再編税制の一つと位置付けされ、配当する法人を「現物分配法人」、配当を受け取る法人を「被現物分配法人」とするとの規定を置き、そのうち、現物分配法人が内国法人で、被現物分配法人がその現物分配の直前に現物分配法人との間に完全支配関係がある内国法人であるものを「適格現物分配」というと規定しています。
適格現物分配の場合には、適格現物分配の直前の帳簿価額により現物分配対象物件が譲渡されたものとして取り扱われ、含み損益に対する課税はなされません。また、利益の配当なので、利益積立金額を同額減少する税務会計処理をします。なお、所得税法上、適格現物分配は配当等の範囲から除かれており、現物分配法人には源泉徴収義務が生じません。
◆現物分配と消費税
また、配当は消費税法で定める「対価を得て行われる資産の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供に類する行為」に該当しないので、建物等を現物分配した場合であっても消費税対象外取引(不課税取引)という扱いにされます。
◆現物分配の便利な利用
ちなみに、現物分配は、会社法で禁止されている子会社の親会社株式保有状態の解消方法として利用されたり、子会社の子会社(孫会社)を子会社に会社関係の再編(兄弟会社化)のために使ったり、もされています。
◆子法人株式に限った現物分配
この兄弟会社化にする現物分配については、平成29年度税制改正で、非適格現物分配のうち、完全支配子法人株式を対象とする現物分配を、他の者による支配関係がない上場企業のような法人が実行する場合、これを「株式分配」という新類型の組織再編行為と規定し、共同事業要件を簡易にした5要件を充足すれば、適格株式分配として含み損益に対する課税のない帳簿価額での税務会計処理をするものとされました。なお、令和5年度税制改正では、子会社株式を現物配当するに際し、親会社に20%未満の出資持分を残すことも条件付きで許容する税制適格株式分配にもなっています。
コラム 2024月06月4日
被相続人、相続人ともに高齢化が進み、相続が短い期間に連続して起きることが、今後、常態化するものと思われます。
不動産の相続についても遺言や遺産分割協議により取得者を登記しないと、相続を重ねるうちに法定相続分で分割され、実質的な引き取り手はいなくなり、所有者不明土地となる原因となります。
数次にわたり相続がされている場合は、法定相続人がたくさんいて、代襲相続人を含め、遺産分割協議で取得者を決めることが難航することも予測されます。早めの遺言書作成や遺産分割協議で土地の帰属者を決めることが必要です。
◆相続開始から3年以内に登記
令和3年の法律改正で、令和6年4月1日以降に相続が開始した場合は、不動産の取得を知った日から3年以内の相続登記が義務化されました。また、令和6年4月1日前に相続が開始して取得した不動産は、令和9年3月31日までの猶予期間に相続登記が必要になります。正当な理由なく相続登記しない場合は、10万円以下の過料が課される可能性があります。
◆相続人申告登記で過料を回避
遺産分割協議が難航し、3年以内の相続登記が見込めない場合、相続登記義務を履行したものとみなす簡易な措置として「相続人申告登記制度」が、令和6年4月1日から開始されました。相続人は対象不動産を特定し、戸除籍謄本等を添付して、①所有権の登記名義人について相続が開始したこと、②自らが、その登記名義人の相続人であることを法務局の登記官に申し出ます。
なお、相続人申告登記をした後、遺産分割協議によって不動産を取得した場合は、遺産分割の日から3年以内に、遺産分割の内容に応じた相続登記が必要になります。
◆相続登記の登録免許税の免税措置
相続登記に伴う登録免許税については、令和7年3月31日までの登記について次の2つの免税措置があります。
(1)相続により土地を取得した相続人が相続登記をしないで死亡した場合
相続人が相続により取得した土地の所有権移転登記を受ける前に死亡したときは、その死亡した相続人を登記名義人とする登記について、登録免許税は課されません。
(2)不動産の価額が100万円以下の土地
土地の相続による所有権移転登記、表題部所有者の相続人が受ける所有権の保存登記について、登録免許税は課されません。
その他 2024月05月28日
少子化対策の財源確保のために公的医療保険料に上乗せする「子ども・子育て支援金」を巡り、年収1千万円を超える高所得者の負担額が年間約2万円に上ることが分かりました。こども家庭庁が試算を示したもの。
支援金制度は2026年度に始まり、徴収総額を1兆円とする28年度に制度が確立する予定。制度が整う28年度以降の徴収額は、年収200万円の人で月350円ほどですが、年収が高くなるにつれて負担は増し、年収1千万円の人だと月額1650円。年額に換算すると1万9800円となります。今年2月の時点で岸田首相は、1人当たりの負担額が月平均500円弱になると説明していました。
今回の試算は、会社員らが加入する公的医療保険(協会けんぽ・健保組合・共済組合)の被保険者1人当たりの負担額を示したもの。関連法案の審議に当たり野党側が提出を求めていました。
加藤鮎子こども政策相は記者会見で「正確に試算することは難しいものの、参考になるものとして21年度実績の総報酬で機械的に計算した」と説明。その上で「政府が総力を挙げて取り組む賃上げにより、今後、総報酬の伸びが進んだ場合には数字が下がっていく」と、希望的観測ともとれるコメントを付け加えました。
<情報提供:エヌピー通信社>
その他 2024月05月28日
兵庫県警が税理士を含む5人を逮捕した融資金詐取事件を巡り、犯罪についての供述と引き換えに罪を軽くする「司法取引」が適用されていたことが分かりました。税理士が関与する事件への適用は初めて。
税理士法人の職員が、税理士が関与した犯罪について司法取引を行いました。司法取引制度は2018年にスタートしましたがほとんど利用されず、今回の事件が5年ぶり、4件目の適用事例。これまで司法取引が適用された3件はいずれも東京地検特捜部が扱った事件で、警察が捜査した事件への適用は今回が初めてとみられます。
対象となったのは、兵庫県内の自動車販売会社が20年10月から21年2月にかけて、粉飾した決算報告書で銀行に融資を申し込み、4千万円を騙し取ったとされる事件。兵庫県警は昨年11月と今年2月、この会社の元役員や税理士、税理士法人の職員ら計5人を詐欺容疑で逮捕していました。
捜査では、詐欺を働いた会社の財務状況を税理士らがどれだけ把握していたかが焦点となりました。この点について、司法取引に応じた税理士法人職員の供述などから、厳しい財務状況を税理士も認識した上で粉飾決算が行われていたことが明らかになったそうです。司法取引した職員は起訴されませんでした。
司法取引は米国では伝統的に犯罪捜査に取り入れられ、マフィアなどの組織的犯罪や企業がらみの経済犯罪を捜査する際に役立てられてきました。日本版の司法取引制度は、自身の犯罪は対象とせず、あくまで他者の犯罪についての情報提供を材料とする取引のみにとどめているのが特徴。第三者の罪について供述すると、司法取引をした本人は、①不起訴になる、②軽い罪で起訴される、③起訴後に軽い犯罪に変更される、④即決裁判という簡単な手続きで処理される、⑤略式命令で処理される、⑥求刑が軽くなる――などの恩恵を受けられます。
<情報提供:エヌピー通信社>
コラム 2024月05月21日
◆両者の関係をどのように考えるか
懲戒解雇の場合に退職金の支給をしないという条項は、厚生労働省が公表している「モデル就業規則」にも見られるように、一般に広く普及している規定です。しかし、実際の裁判になると「退職金不支給条項」について見解の違いが生じています。一つは、明文条項がある以上、懲戒解雇となれば不支給が原則であるという見解であり、もう一つは、退職金の性格に挙げられる「永年勤続功労」に関する性格を完全に抹消する場合にしか適用しない、という限定がなければ合理性がなく、懲戒解雇であっても退職金は支給することが原則であるという見解です。従来の裁判の多くは後者の立場を採ってきました。
◆従来の考え方が変わるかも
これまで多くの裁判では、懲戒解雇であっても(減額されることはあるとしても)退職金の支給は行われるという判断をしてきましたが、令和5年6月27日に出された宮城県教育委員会事件最高裁判決では、私生活上、自家用車での物損事故及び飲酒運転を起こしたXに対し、同教育委員会は、懲戒免職処分と条例に従った退職金の不支給処分を行いました。これを不服としたXが訴訟を起こし、一審及び二審では、Xの主張通り、一部退職金の支給を認めましたが、最高裁でこれが覆され、教育委員会の行った退職金全額不支給の処分を適法とする判断がされました。
この判決での最高裁の判断を意訳すると「裁判所は、退職金の支払機関(本件の場合には教育委員会)と同一の立場で、処分をすべきであったかどうか、又どの程度支給しないこととすべきかについて判断し、実際の処分とを比較してその軽重を論ずべきでなく、当該支払機関の行った処分を前提とし、その処分が社会通念上著しく妥当性を欠いて、裁量権の範囲を逸脱する場合に限り違法であると判断すべきである」として、これまでの裁判例以上に、支払機関の裁量権を広く認めたと解することができます。なお、本件ではXが公務員であり、公立学校の公務に関する信頼の確保や、同県において教職員による飲酒運転が相次いでいたことなどが考慮されています。
いずれにしても、民間企業においても、事前に合理的な懲戒処分規程の整備と退職金不支給条項を設けることは必須であると考えられます。
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