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コラム 2024月04月30日

《コラム》相続時精算課税贈与者が贈与した年に死亡した場合

◆相続時精算課税制度とは
 相続時精算課税制度は、受贈者の選択により、60歳以上の父母、祖父母などの直系尊属から18歳以上の直系卑属である推定相続人又は孫が贈与を受けたとき、課税価格から2500万円の特別控除後の残額に20%の税率を乗じた額を課税し、贈与者が死亡したときは、相続税額を計算する過程で先に課税された贈与税相当額を相続税額から控除して精算するものです。
 相続税の申告書において相続時精算課税贈与を受けた財産の価額を相続税の課税価格に加算します。相続税には基礎控除(3000万円と法定相続人1人当たり600万円)があるので、贈与税額が相続税額を超えるときは、先に申告納付した贈与税の還付を受けることができます。また相続時精算課税制度は贈与者ごとに、父母の双方からそれぞれ贈与を受けることもできます。

◆贈与者が死亡した年の贈与は相続税で申告
 相続時精算課税の適用を初めて受ける者は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、相続時精算課税選択届出書を贈与税の申告書と一緒に提出します。
 相続時精算課税の適用を初めて受ける年に贈与者が死亡したときは、相続時精算課税選択届出書を贈与を受けた年の翌年3月15日(贈与税の申告期限)又は相続開始の日の翌日から10か月を経過する日(相続税の申告期限)のいずれか早い日までに相続税の納税地の税務署長に提出します。
 このとき贈与税の申告書の提出は要さず、相続税の申告書を提出します。

◆令和6年施行の改正内容
 令和5年度税制改正により、令和6年1月1日以後の相続時精算課税贈与には、110万円の基礎控除が創設されました。110万円以下の贈与の場合は、贈与税の申告は不要となりますが、相続時精算課税選択届出書の提出は必要です。
 また相続時精算課税贈与を受けた土地・建物が相続税の申告期限までの間に、令和6年1月1日以後に災害により一定の被害を受けた場合は、相続税の課税価格に加算する額の計算の際、被災価額(保険金等で補てんされた金額を差引き後)を贈与時の価額から控除できます。

◆届出書の提出もれは暦年課税で思わぬ負担
 相続時精算課税の適用を受けようとするとき、相続時精算課税選択届出書の提出をうっかり忘れると暦年課税が適用され、思わぬ税負担が生じますので注意しましょう。

税務トピックス 2024月04月30日

JOCに約20億円の追徴課税

 日本オリンピック委員会(JOC)が東京国税局の税務調査を受けて、2018~22年度の会計処理に関して約20億円の追徴課税を受けていたことが分かりました。すでに修正申告をして、全額納付したそうです。

 JOCは公益財団法人のため、公益目的の事業は非課税となります。ただし、公益法人であっても、法人税法で定められた34種類の収益事業に該当するなど、一定の要件を満たす事業については課税されます。

 JOCの理事長によれば、マーケティング事業で将来計上する予定だった収益を前倒して課税対象とするよう当局から求められたとのこと。また運営支援事業では、費用の一部が事業経費と認められませんでした。約18億円が申告漏れと指摘されて、過少申告加算税を含めて約20億円を追徴課税されました。重加算税は課されておらず、意図的な所得隠しや経理操作ではないと判断されたとみられます。なお指摘されたマーケティング事業の収益は、東京五輪後の事業とのことです。

 JOC側は税務申告を税理士法人に委託していて、監事や外部の法人による監査も受けていました。これらのことから「税務処理は適正だった」と主張していますが、一方で「不服申し立ては大変な労力、時間、費用がかかる」(理事長)として、修正申告に応じました。なおJOCの決算資料によれば、22年度には約1億8千万円の法人税等を納めています。

<情報提供:エヌピー通信社>

税務トピックス 2024月04月23日

(前編)国税庁:2022年分における相続税の申告状況を公表!

 国税庁は、2022年分における相続税の申告状況(2023年10月31日までに提出された相続税額のある申告書に基づいて集計)を公表しました。
 それによりますと、2022年中(2022年1月1日~12月31日)に亡くなった人(被相続人)は、過去最高の2021年(143万9,856人)を上回る156万9,050人となり、このうち相続税の課税対象被相続人数は、前年比12.4%増の15万858人で、課税割合は9.6%(2021年分は9.3%)となりました。
 課税割合9.6%は、前年より0.3ポイント増加し、2015年の相続税の基礎控除引下げ以降では最も高くなりました。

 また、相続財産価額から被相続人の債務や葬儀費用などを差し引き、相続開始前3年以内の生前贈与等を加算した相続税の課税価格は、20兆6,840億円で前年比11.3%増加し、税額は2兆7,989億円で同14.6%増加しました。
 被相続人1人当たりでみてみますと、課税価格が前年比0.9%減の1億3,711万円となりましたが、税額は1,855万円で同2.0%増加しました。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、令和6年2月5日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

税務トピックス 2024月04月23日

(後編)国税庁:2022年分における相続税の申告状況を公表!

(前編からのつづき)

 また、相続財産額の構成比は、「現金・預貯金等」が34.9%、「土地」が32.3%となり、「有価証券」が16.3%、退職金や生命保険などが含まれている「その他」が11.4%、「家屋」が5.1%の順となりました。
 「現金・預貯金等」の構成比は、9年前の2013年分の26.0%(3兆2,548億円)から2022年分は34.9%(7兆6,304億円)と、8.9ポイント上昇し、「有価証券」は2013年分の16.5%(2兆676億円)から2022年分は16.3%(3兆5,702億円)で推移しました。

 なお、国税庁では、あらゆる手続きが税務署に行かずにできる社会を目指し、税務行政のデジタル化を掲げてe-Taxの利用拡大に取り組んでおり、相続税申告についても、2023年度のe-Tax利用率の目標値を40%に設定して取り組んでおります。
 2022年度における相続税の申告のe-Tax利用件数は6万1千件で、前年度に比べ1万7千件(39.0%)増加し、e-Tax利用率は29.5%となり、前年度に比べて6.1ポイント上昇しております。
 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、令和6年2月5日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

コラム 2024月04月16日

《コラム》国税庁からのお知らせ 令和7年1月から控えは印なしに

◆申告書等の控えに収受日付印を押さない
 国税庁は令和6年1月4日に、令和7年1月以降は申告書等の控えに収受日付印の押捺を行わないこととする、と発表しました。対象となる「申告書等」とは、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他の書類の他、国税庁・国税局・税務署に提出される全ての文書とのことです。
 令和7年1月からの書面申告等における申告書等の送付時には、申告書等の正本(提出用)のみを提出してください、とWeb上でお願いしています。また、必要に応じて自身で控えを作成、提出年月日の記録・管理をするようにも呼びかけています。

◆申告書等の提出事実を証明する方法
 例えば個人が融資を受ける、奨学金の申請を行う、保育園の手続きする、等の際に確定申告書の控えを要求されることがあります。ただ、この控えについては「収受印があること」が控えたりうる要件であり、収受印がない控えについては、個人の収入等が証明できないため、各種手続きに利用できない可能性が大です。
 オンラインサービスを利用せず、紙媒体で効力のある収入証明を手に入れる場合には、税務署に対して「保有個人情報の開示請求」を行うか、「納税証明書の交付請求」を行う必要があります。
 個人情報の開示請求は手数料300円、納税証明書は税目ごと1年度1枚につき400円です。

◆オンラインなら無料
 e-Taxを利用した申告であれば、申告等データの送信が完了した後に、税務署からの受信通知がメッセージボックスに格納されます。ここから申告書等のPDFファイルを無料でダウンロードすることができ、こちらには受付日時等が記載されますから、旧来の控えの役割を果たすものが欲しい人はe-Taxを活用しなさいね、という風に聞こえます。
 国税庁は税務行政のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を進めているとしていて、その一環の措置とのことなのですが、便利な機能が増えて利便性が向上する方が多い一方、インターネット等のサービスを上手く使えない方にとっては不便になることは確かです。また、不便ならまだしも「手続き等ができない人」が出てきてしまわないか、少し心配になります。

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