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コラム 2024月01月2日

《コラム》雇用契約書と労働条件通知書どう違うの?

◆労働契約の締結
 労働契約とは、「労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて労働者と合意すること」です。
 労働契約はお互いが合意すれば口約束でも成立しますが、労基法で労働契約を締結する際には労働条件を書面の交付により明示することとなっています。2019年より従業員が希望した場合は書面以外にFAX、電子メール、SNSでも認められています。
 また、労働条件通知書は一方的に交付されるもので雇用契約書は「労使双方の合意が必要である」という点で異なっています。労働条件通知書は作成・交付が義務づけられていますが、雇用契約書は義務づけられてはいませんが合意が必要になります。
 また、他方「業務委託契約」は当事者一方が注文主から受けた特定の仕事(委託業務)の処理や、仕事の完成(成果物)を約束し、それに対して報酬を支払う契約です。請負契約や委任契約となり労働契約のような使用者と労働者という関係ではありません。

◆労働契約書は何を記載する
絶対的明示事項(必ず記載する内容)
①労働契約の期間に関する事項
②有期労働契約の更新の基準
③就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
④始業・就業時刻、時間外労働の有無、休憩時間、休日、休暇、2交代制勤務があればその事項
⑤賃金の決定計算、支払い方法、賃金の締め日、支払日。昇給、賞与、退職金に関する制度があればその事項
上記以外に定めがある場合は明示する。

◆令和6年4月から労働条件明示事項が追加
①雇い入れ直後の就業の場所及び業務内容とこれらの変更の範囲
②有期雇用契約は通算契約期間、更新上限回数の明示
③有期契約期間5年超の方の無期雇用転換事項なども明示されるようになり、労働条件の先を読む必要が生じます
 労働条件の変更時にも雇用契約書や労働条件通知書を作成しますが、変更した内容がわかりやすいのは労働条件通知書です。しかし、もし不利な条件に変更の場合は、同意を得ておかないとトラブルになりかねませんので、雇用契約書で労使双方のサインがある書式が良いでしょう。

その他 2023月12月26日

【時事解説】銀行が取るリスクとリターン その2

 だから、銀行は自分より信用度の低い企業に貸出を行い、収益を獲得してきたのですが、カネ余りの中でどこの銀行も事情は同じですから、そうした信用度の低い企業に対する貸出が増加しました。そうすると、競争原理から信用リスクの高い企業に対する貸出の金利が下がってきます。世界的低金利の中、優良企業に対する貸出金利はほとんどゼロに近づき、下げ余地がなくなっていますから、かつて存在したクレジットリスクに応じた金利差が徹底的に圧縮され、銀行のリターンも減少しているのです。

 ただ、優良企業に対する貸出でも収益を上げることができる場合があります。それは期間リスクを取ることです。貸出期間が長いほど、貸倒リスクは高まりますから、金利は高くなります。銀行預金は1年以内の短期が大部分なので、10年とかの長期貸出を行えば、利ザヤが獲得できるはずです。ですから、かつては期間10年の国債を購入すれば、国の信用度は当該国内で最高級に位置づけられるので、クレジットリスクのリターンは望めなくても、期間リスクに応じたリターンは取れたのです。ところが、長期貸出金利の指標となるこの長期国債の金利は、民間の購入に加え、異次元の金融緩和に伴う日銀の購入によるインパクトで、かなり低くなっています。その結果、期間リスクに応じたリターンも縮小しています。

 このように、カネ余りと日銀の金融緩和政策が銀行の収益機会をことごとくつぶしてきており、現状の金利体系はリスクに応じたリターンとは言えない状況です。経済的に平穏な状態が続けばいいのですが、ひとたび企業の破綻懸念が顕在化すれば、たちどころに銀行経営は苦しくなることが予想されます。銀行はこれからのビジネスモデルをどう描くのかが問われています。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

その他 2023月12月26日

【時事解説】銀行が取るリスクとリターン その1

 ビジネス上のほとんどの収益(リターン)はリスクを取る対価として発生します。銀行の本業である貸出収益に対するリスクは、大きくクレジットリスクと期間リスクとに分解することができます。

 クレジットリスクとは貸出先の個別の信用状態に起因する貸し倒れに対するリスクです。100%安全な貸出先というのはありません。どんな貸出先にも、大なり小なり破綻するリスクが存在します。その対価として金利を受け取ります。したがって、信用度が高い貸出先の融資は金利が低く、信用度が低いと金利は高くなります。

 信用度に応じて金利が変わるということは、銀行が資金を調達する場合にもあてはまります。現在、銀行が預金者から預かる金利には大きな差はありませんが、銀行が市場から資金を調達する場合は、信用度が高い銀行ほど低い金利で資金を集められます。

 もし、銀行が預金ではなく、すべて市場から資金を調達して、その資金を原資に貸出を行うとしましょう。市場では銀行も一般企業も同様に信用による格付けが行われ、金利は段階的に差がついています。そのため、銀行が貸出により利ザヤを確保するためには、自らが市場で調達した金利より、高い金利を付けることができる信用力が劣る企業に貸出を行わなければなりません。つまり、銀行が自分より使用力の高い企業、例えばトヨタ、あるいは国にカネを貸しても逆ザヤになるだけで、儲かるわけはないのです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

コラム 2023月12月19日

《コラム》介護離職増加 仕事と介護の両立には

◆介護離職者は年間10万人超
 厚生労働省の雇用動向調査によると2022年の介護を理由とした離職者は106,000人、そのうち男性は26,000人、女性は80,000人、女性が多いのは夫婦で収入の少ない女性が介護を担うケースが多いからと思われます。年齢別では男女とも55歳~59歳が最も高い層です。一方、働きながら介護をする人は365万人、10年間で70万人増加、働く人の5%に達しています。仕事と両立しながら介護する男性は55歳~59歳が最も多く87.8%、女性では40歳~49歳が68.2%と最も多い層です。

◆介護休業とは
 原則として育児介護休業法に基づき「要介護状態」の家族を介護する会社員は「介護休業」を取得することができます。
 要介護状態とは負傷、疾病などにより2週間以上常時介護を必要とする状態を言います。対象は配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。
 休業できる期間は対象家族1名につき要介護に至るごと3回、通算93日まで利用できます。休業予定日を会社に申し出る必要があります。
 また介護休業取得の期間、無給であれば雇用保険被保険者は「介護休業給付」が休業開始前の給与水準の67%支給されます。

◆制度の利用者は少ない
 介護離職を防ぐため国が設けたのが「介護休業」制度です。しかし介護休業制度利用者は厚労省の調査でも数パーセントということです。なぜ利用が進まないか、介護をしながら働く人に理由を尋ねると最も多かった回答は「勤務先に制度が整備されていない」というもので37%ありました。
 介護休業は国で定めた制度なので権利がないということはなく、要件を満たせば取得できるものです。周知不足による制度を知らないという回答も3割はいるそうです。一方には会社としてあまり浸透してほしくない気持ちもあるかもしれません。
 中小企業では両立支援助成金の介護離職防止支援コースが申請できます。介護休業を取った時、代替要員を雇用した時、所定外の労働時間制限や、時差出勤、短時間勤務制度などプランに基づいて行われた時は助成金が受給できます。制度利用させるときは助成金を利用してみてはどうでしょう。

税務トピックス 2023月12月19日

ゼロゼロ融資で1兆円が回収不能か

 新型コロナウイルスの中小企業支援策として政府系金融機関が実施した実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)などの状況を会計検査院が調べた結果、約1兆円を回収の見込めない債権として処理していることが分かりました。ゼロゼロ融資で焦げ付きの状況が判明したのは初めて。ゼロゼロ融資の返済負担は中小企業の資金繰りを圧迫していて、今後さらに未回収額は膨れ上がる可能性も否定できません。

 ゼロゼロ融資の実施から3年が経過し、貸付金の返済が本格化していることなどから、検査院が2020年3月以降の日本政策金融公庫(日本公庫)と商工組合中央金庫(商工中金)によるコロナ関連の貸し付けについて調べました。コロナ関連融資は総額約19兆円で、ゼロゼロ融資が大半を占めます。

 検査院の調査によれば、20年から22年度末までに貸し付けられた約118万件、計19兆4365億円のうち、22年度末時点で約19万件、計3兆3305億円が完済されていました。一方で7291件、計697億円分は回収不能とのことです。理由のほとんどが借り手の破産や生活困窮。さらに税法上確定ではないものの、回収不能が見込まれるとする会計処理がなされていた債権が計1246億円、借り手が経営破綻して回収の見込みがほぼないといったリスク管理債権(不良債権)が計8785億円ありました。完済分についても、別の特例制度を利用した借り換えによる返済が相当数含まれているとみられます。

 ゼロゼロ融資は、コロナ禍で急減な業績悪化に見舞われた中小・零細企業の資金繰り支援策として実施され、倒産抑制に効果をみせました。しかし副作用として過剰債務に陥った企業は多いのが実状です。ゼロゼロ融資を受けたにもかかわらず倒産した企業はすでに1千件を超えています。

<情報提供:エヌピー通信社>

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