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コラム 2023月05月2日

《コラム》固定資産税のしくみ

◆土地・家屋・償却資産にかかる税
 固定資産税は、その名の通り固定資産にかかる税です。日本には明治時代から地租(土地に対する税)や家屋税(住宅にかかる税)がありましたが、戦後1950年に、シャウプ勧告に基づく地方税制改正の一環として、地租や家屋税を統廃合し、原則市町村税として創設されました。
 2020年度のデータですが、固定資産の納税義務者(法人・個人合計)は、土地が4,138万人、家屋が4,214万人、償却資産が472万人とのことです。市町村税に占める固定資産税の割合は約4割と、市町村の運営に欠かせない財源となっています。

◆固定資産の評価方法
 土地や家屋についての固定資産税は登記をすると自動的に税額が計算され、納税通知書が送られてくるため申告不要です。償却資産については、申告が必要となります。
・各固定資産の評価方法は、
土地:宅地や農地等、地目別に売買実例価額等を基礎として、評価額を計算。宅地については公示価格等の7割を目途に評価額を計算
家屋:再建築価格(その時点で新築する場合に必要となる建築費)に経年減点補正率等を乗じて評価額を計算
償却資産:取得価額を基礎として、経年減価を考慮して評価額を計算
となっています。土地・家屋の評価については3年に1度見直しを行います。また、評価額は縦覧期間に確認ができ、疑問がある場合は再審査の申し出ができるようになっています。
 評価額を基に課税標準額が決定されます。ただし、納税者の負担感に配慮し、評価額が急激に上昇した場合でも税負担をゆるやかに上昇させる負担調整措置が講じられています。

◆税の計算と特例
 標準課税額が土地30万円未満、家屋20万円未満、償却資産150万円未満であれば課税されません。また、標準税率は1.4%です。標準課税額の決定や税額については政策的な特例措置があり、特に課税される対象が土地や家屋、建造物等の償却資産ということもあり、特例措置も様々です。
 多様な特例があるため、その特例を延長するにあたり、税制改正大綱では長々とその情報が書き連ねてあります。令和5年度税制改正大綱には「固定資産」というワードが70回以上登場しています。

税務トピックス 2023月05月2日

京都市が全国初の空き家税

 総務省は3月下旬、京都市と協議を進めていた「空き家税」の新設に同意しました。空き家や別荘など、普段人が住んでいない住宅に課税する制度で、同市は2026年度にも導入すると同日発表しています。景観保全のため建物の高さ規制を設けている同市では住宅の供給不足が課題となっていて、新税導入で空き家の売却や賃貸利用を促進する狙い。市によると、空き家の活用を促す新税は全国初とのことです。

 課税対象となるのは、市街化区域内にある固定資産評価額が20万円以上(条例施行後5年間は100万円以上)で、人が住んでいない戸建て住宅やマンション。京町家など歴史的価値のある建物は除きます。また、入院や海外赴任など所有者の事情で居住していない住宅は減免対象。現地調査も行い居住実態を確認します。

 対象物件は市全域で約1万5千件に上るとみられ、税収は年間約9億5千万円を見込みます。市の試算では、いずれも100平方メートルの住宅の場合、市中心部に立地する築5年の高層マンション最上階で年約94万円、ニュータウンにある築40年の戸建て住宅で年約3万円が、固定資産税とは別に課税されます。子育て世帯を呼び込む目的もあるといい、京都市長は「地域を活性化し、住みたい人が住める、若い人が暮らせる街にしていく」と述べました。

 空き家に対する課税を巡っては、国土交通省は放置が続いて周囲に悪影響を及ぼす可能性が高い空き家に対して固定資産税の軽減措置を見直す方針を決めています。

<情報提供:エヌピー通信社>

コラム 2023月04月25日

《コラム》財産債務調書と国外財産調書

◆財産を持っていたら知らせなさい
 ある一定額を超えた財産を持っている場合、調書にその内容をまとめて税務署に提出しなければならない制度があります。それが「財産債務調書制度」と「国外財産調書制度」です。
 財産債務調書制度は①その年の退職所得を除く所得金額の合計額が2,000万円超、かつ②その年の12月31日において合計3億円以上の財産か、1億円以上の国外転出特例対象資産を持っている方が対象で、財産債務調書の提出が必要です。令和5年以降は上記条件の他に「10億円以上の財産を持っている」場合も対象になります。
 国外財産調書制度はその年の12月31日において、5,000万円を超える国外財産を有する非永住者以外の居住者が対象です。

◆どちらもアメとムチを用意しています
 調書に記載がある財産に関して、所得税等・相続税の申告漏れが生じた場合、その財産に課される過少申告加算税や無申告加算税が5パーセント軽減されます。
 逆に、調書の提出がない場合、または提出された調書に記載すべきものを記載しなかった場合、その財産に課される過少申告加算税や無申告加算税は5パーセント加重されます。
 また、国外財産調書については、偽りの記載をして提出した場合や、提出をしなかった場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されることがあります。ただ、意図的な虚偽記載や不提出ではなく、うっかり提出していなかった、といった事情であれば、その刑を免除することができるとされています。

◆どのくらい軽減・加重措置を受けている?
 国税庁が発表している資料によると、令和3年分国外財産調書の提出件数は12,109件で、令和3事務年度における過少申告加算税及び無申告加算税の特例措置は
軽減措置:135件 41億9,893万円
加重措置:293件 439億2,378万円
だったということです。
 また、少し古い記事ですが2019年には国外財産調書不提出で国税局が告発しているのをニュースサイトで確認できます。

コラム 2023月04月25日

《コラム》昨年の実質賃金0.9%減額

◆現金給与総額は
 毎月勤労統計調査 令和4年分結果速報により昨年支払われた現金給与総額と実質賃金との関係を見てみると、現金給与総額は前年比2.1%増の326,157円となり1991年以来31年ぶりの伸び幅となりました。所定内給与で見ると一般労働者は318,904円、1.3%増、パートタイム労働者の時間当たり給与は1,242円、1.6%増です。

◆実質賃金は
 一方物価の変動を反映した実質賃金は前年比0.9%減少と2年ぶりのマイナスとなりました。現金給与総額はコロナ禍で落ち込んだ経済の回復を背景に2.1%増加しました。給与総額のうち基本給に当たる所定内給与は1.2%増、残業代などの所定外給与は5%増となりました。賞与などについては5.1%増と大きく伸びています。しかし、賃金の実質水準を算出する指標となる物価が3.0%の上昇となったため実質賃金はマイナスとなりました。
 働いている形態で見ると正社員等一般労働者の給与総額は2.3%増、パートタイム労働者は2.6%増でした。コロナ禍で落ち込んでいたボーナスが4年ぶりに増加するなど給与は増加傾向にありますが、物価の上昇に追い付いていません。

◆労働時間と雇用状況はどう変化?
 労働者一人平均の総実労働時間は昨年比0.1%増の136.2時間でした。そのうち所定内労働時間は0.3%減の126.1時間、所定外労働時間は4.6%増の10.1時間となりました。
 雇用状況では常用雇用者は昨年比0.9%増の5,134万2千人でした。就業形態別に見ると一般労働者は0.5%増の3,513万人、パートタイム労働者は1.9%増の1,621万2千人でした。
 賃上げして従業員に報いたいという気もちは経営者の変わらぬ思いでしょう。しかし物価上昇に追い付かない状況ではなかなか経営努力が目に見えにくいということかもしれません。

税務トピックス 2023月04月18日

(後編)国税庁:2021事務年度の法人税等の調査事績を公表!

 (前編からのつづき)

 また、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中においても、調査件数、申告漏れ所得金額、追徴税額が増加し、実地調査1件あたりの追徴税額は570万1千円(前年度比27.0%減)となりました。
 源泉所得税については、実地調査の件数は4万8千件で、源泉所得税等の非違があった件数は1万5千件、追徴税額は228億円となりました。
 そして、簡易な接触の件数は12万9千件で、追徴税額は78億円となりました。

 不正を業種別にみてみますと、不正発見割合の高い10業種では、「その他の道路貨物運送」が32.8%で前年ランク外からワースト1位になりました。
 国税庁では、調査必要度の高い納税者に対しては実地調査を行い、その他の納税者に対しては、是正を目的とした実地調査以外の手法を用いて接触することにより、納税者の税務コンプライアンスの維持・向上を図っております。
 そして、納税者に対する5年間での接触率は、18.5%(法人税・消費税、2021事務年度3.3%)、33.6%(源泉所得税、同5.0%)となりました。
 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、令和5年3月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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